アダルトチルドレン相談集
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2006年06月27日
夫婦喧嘩の問題とダブルバインドの問題について
今回は絶え間ない夫婦喧嘩とアダルトチルドレン、そして、ダブルバインド(二重拘束)の問題の2つについて書きます。
1 絶え間ない夫婦喧嘩の問題について
前回親子間の境界の大切さについて書かせて頂きました。
家族間における境界とは個人が個として尊重される空間です。
言葉を変えると自分の居場所です。
さて、夫婦喧嘩とアダルトチルドレンの問題を考えるにおいても居場所をキ−ワ−ドとして考えることが出来ます。もちろん、この居場所とは安心安全な自己存在の空間です。
では、本題です。夫婦喧嘩の絶えない家庭とはどのようなものでしょうか。
突然に父が分けもなく怒り出し、暴れ周り暴言を吐きまくる。母はそれに応戦してわめき散らす。そして取っ組み合いの喧嘩。家のなかは滅茶苦茶。
果たしてこのような家庭で安心して生活出来るでしょうか。子供達は親の喧嘩がいつ始まるか怯え続け、神経をすり減らす思いをすることでしょう。そして、日々不安に怯えるのです。また、喧嘩の始まる兆候に敏感となり親の顔色ばかり見ているかもしれません。
喧嘩が始まるのではという不安のストレス、喧嘩中に耐えるストレスと相当なストレスを抱え込むことになります。
家は安心した居場所ではなく、不安の巣窟なのです。自分の安心出来る空間と境界を持つ事が出来ず、夫婦喧嘩に巻き込まれ精神が病んでしまうかもしれません。
絶え間ない夫婦喧嘩が子供に与える影響は計り知れないものなのです。
2 ダブルバインド
この言葉ご存知ですか。ダブルメッセ−ジによる二重拘束を意味します。この概念はベイトソンによって考えられました。
簡単に書くと、言語と非言語メツセ−ジの相違です。
例えば、親の子供に対する表現(言葉がけ)が、実際の話し方のト−ン、もしくは顔の表情と相反している場合です。親が子供に「かわいいね」と言ったとします。言葉は大変いい言葉ですが、言い方にトゲがあってきつかったり、顔が笑顔ではなく怒っていたとしたらどうでしょう。何を、もしくは、どちらが本当に親が伝えたいことなのか、どちらが本当のメッセ−ジなのか分かりません。混乱してしまいます。
更にダブルバインドを二重メッセ−ジによる拘束と捉えると次の2例も、ダブルバインドと解釈出来ます。
親が子供にあることをしていいよと許可をします。しかし、その行動をする直前でダメと言った場合は時間を置いて言語によるダブルメッセ−ジを送っていることになります。
例としては子供が野球をしたいと思い、親に試合に行っていいかと聞きます。親は一旦は「いいよ」と返事をするのですが、子供が試合に行く直前に「ダメだ、勉強しろ」と言ってみたり、または、試合には行きましたが帰ってくるなり、「野球なんかに行くな」と言ってみたりと。
あるひとつの行動について、時間を置いて相反するメッセ−ジを送り、子供を縛り混乱させるのです。
親の気まぐれで子供を混乱させるのです。
次の例はどうでしょう。親は家では子供を誉めます。しかし、外出して親戚等に会うと、子供の目の前で「家の子は出来が悪くて」と話します。それを聞いていた子供はどんな思いをするでしょうか。もちろん親としては謙虚に振る舞っただけなのかもしれませんが。
家の中と外での評価が相反している。これも子供は混乱するでしょう。
ダブルバインドとは上述しましたが、相反するダブルメッセ−ジを送ることにより、心を二重に拘束するのです。
このようなことが日々行われていたとしたら、子供はどのようになるでしょうか。
何が正しいのか、果たして自分は価値があるのかないのか、何が正常なのか、まったく分からなくなってしまうのです。
そして、何が正しいのか、親が伝えたいことは何なのかと常に思い感じて、親の視線や表情、行動を過剰に意識して推察しようとします。また、自分はどのように振る舞えばいいのか分からなくなってしまい、行動そのものを停止させてしまうかもしれません。
更には成長するにつれては、人の視線や表情を過剰に意識して、一体自分はどう思われているのか、自分とは何物なのかを一生懸命推察しようとします。
このようになりますと、自己価値を他者に委ねてしまう問題にも通じて、相手の気に入る行動ばかり取ろうとするかもしれません。また、相手の視線や行動の本位を図ることばかり考えおり、ストレスも抱え易く情緒も不安定になるかもしれません。
また、安定した評価を親から得られないということは、自分とは何物であるかを認識することが出来ず、青年期のアイディンティティの確立にも失敗してしまうかもしれないのです。
投稿者 stella : 23:18
2006年06月13日
家族内の境界と依存の継承について
前回までは親の子供に対するかかわりが、いかにアダルトチルドレンの問題に影響するかを中心に見てきました。
過保護、過干渉、過剰な愛、期待による支配。これらに共通するものを心理学、家族療法の理論からその問題を見ていきたいと思います。
私はよくアダルトチルドレンの親は子供の人生を飲み込むという表現を使います。それは、言い方を代えると、アダルトチルドレンは親の人生を生きていることにつながるのです。
1 ミニュ−チン 家族構造論
ミニュ−チンは言います「家族の人と人の交わりを決めているのは境界であり、勢力である」と。
私もアダルトチルドレンの問題を考えるにおいて、家族関係における境界は大変重要であると思います。
では境界とは何でしょう。これは個として1人の人間としてのテリトリ−。1人の人間として尊重されるべき空間であると思います。
ところが、アダルトチルドレンの親はこの境界を尊重せず、自らの勢力で子供を取り込んでしまう傾向があります。期待の押し付けや、しつけによる支配等すべてこの傾向があるのです。
子供にしてみては自分の人生を生きていけない辛さもありますが、他に考えられるもう1つの大きな問題は抑圧です。
アダルトチルドレンの多くは親の境界を無視した行為や干渉に苛立ち、怒りを感じています。もちろん小さい子供の頃はそのような感情を抱くことはなかったでしょうが、人は成長するにつれ自分の意志や感情を認識します。そこに親からの度を越した境界を無視した行為がなされると、当然自分が無視されている、好きなことが出来ない、邪魔をされている、縛られている、攻撃されている等と苛立ちや、怒りを感じるのです。この感情を親にぶつけることが出来れば、自己主張出来れば、今後新たな展開が見えてくるのですが、親からの境界を無視された行為を我慢し続け、受け続けると、どうしようも出来ないという無力感や、抑圧し続けた結果自らの感情が分からなくなったり、また限界まで我慢しているので切れやすくなったりと、人生の生き辛さや、他者とのかかわりの失敗へと発展していくのです。
家族としての境界の確立は、1人の人間として尊重されることであり、自らの生きる空間を持つことは自らの人生を生きるうえで大切なことなのです。
2 ボウエンの多世代理論
ボウエンによりますと、いつも多くの人と一緒にいないと落ち着かず、感情的に周囲に巻き込まれやすい人は、2人でいても(主に夫婦関係)安定出来ない時は3者間の関係に持ち込もうとする傾向があります。そして夫婦関係が緊張状態になると今度は子供を取り込み、自身の感情の安定化を図る傾向があることが分かってきました。そして、夫婦関係が破綻をきたした場合、一方の親が子供を取り込む傾向のパタ−ンはその子供に伝わるのです。
さて、この説で私が注目することは、夫婦関係が緊張状態になった時に、一方の親が子供を取り込み心の安定を図る傾向があることです。これは夫婦関係の悪化からくる、親の虚しさや怒りを子供を通してその埋め合わせを求めるということです。実際にアダルトチルドレンの方のカウンセンリグをしいていますと、親の期待に沿おうと一生懸命合わせ過ぎたり、親のグチ聞き役に徹して嫌なグチを我慢して聞き続けたり、親のパ−トナ−としその役割を果たそうと子供らしさを失ったりと、親の心の安定の犠牲になっている方々を多々見受けます。
これらの親は自分を他人に支えてもらおうとする傾向が強いのでしょう。しかし、現実に考えますと、自分のことを支えられるのはまずは自分自身です。もちろん、周囲のサポ−トはありがたいものですが、常に自分を支えてもらおうとすると、それは日常恒常となり依存症の問題へと発展します。そして、自分を支えてもらおうと、自分の何らかの必要を満たしてもらおうと、子供に自分を依存させてしまうのです。子供にしてみれば、親を支えるなどたまったことではないでしょうか。
そして、親に依存されて成長した子供は自分の人生を生きていないことにつながります。また、自分の人生を生きていないということは、自己信頼感の獲得に失敗して成長します。結果、自分に対する自信を養うことが出来ず、自己価値の認識や自己の発揮に失敗、更にはそこからくる虚しさを他人に委ねたり、何かに自分を依存させてしまうという、親と同じ行動パタ−ンを演じてしまうのです。
ボウエンは子供を取り込むパタ−ンは継承されると述べていますが、私は何かを取り込む、何かに依存する、その依存傾向は継承されますが、取り込む対象は子供だけではないと思います。人以外のアルコ−ルであったり、麻薬であったり、仕事であったりと、自身を何かに極度に委ねてしまうのです。
それからボウエンの多世代理論で注目すべきことがもう1つあります。それは夫婦関係が緊張状態になった時に、一方の親が子供を取り込むのであれば、夫婦関係が緊張状態にならなければ、子供を取り込む問題は起こらないとなります。
円満な夫婦関係からはアダルトチルドレンは生まれてこないということになるのです。
投稿者 stella : 13:03
