今の生き辛さと過去の生き辛さ カウンセリングにおいて・Ⅰ

私たちがカウンセリングを受けようと思う動機は何でしょうか。
アダルトチルドレンの問題としては、自分が自分でない感じ、周囲の人間との不適応、これからの人生の不安、自分に自信が持てない等様々です。

共通して言えることは、今、生き辛さを感じているということです。

さて、この生き辛さはいつから感じているのでしょうか。
おそらくは、今よりずっと以前から感じていることが多いのではないでしょうか。
そして、この生き辛さと、機能不全家族の出であるアダルトチルドレンとはどのような関係があるのでしょうか。

アダルトチルドレンの方のカウンセリングをしていますと、今の生き辛さはいつから感じていますか?
と質問をしますと。

「中学生、高校生あたりから」と答えられることが多いです。
しかし、これは生き辛さに気がついた、意識した年頃であり、それ以前より生き辛さを感じていた可能性が高いと思われます。

と言うことは、子供時より何らかの生き辛さを慢性的に感じておられることになります。
そして、これは小学生の時もあれば、幼稚園からの時もあります。

アダルトチルドレンの問題の根源は機能不全家族ですので、その問題を子供時、幼児期に抱えていたとしてもおかしくないのです。

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アダルトチルドレン回復へのカウンセリング

1つのモデルとして、アダルトチルドレン回復へ 10のステップ

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私たちは、今、生きています。
そして未来に向かいます。
そして、今も未来も過去を土台としています。

私たちは機能不全家族を生き延びてきました。
そのためには、生き延びるための戦略を用いてきました。
それは、親に怒られないため、無視されないため、少しでもほめてもらうため等様々な意図を持っています。

例えば子供時、親が子供に対して、親の期待を満たした時だけ子供をほめるとします。
すると子供はどのような行動・態度でその家庭のなかにおいて振る舞うでしょうか。
親は期待を満たさないと怒り、期待を満たした時だけ子供をほめます。

するとその子供の行動・態度は、親の期待を満たそうと一生縣命になるのではないでしょうか。

子供は以下の行動・態度のパターンを継続して果たします。

・親の期待を満たすために一生懸命頑張る
・自分の要求はしない(親の期待と違うからしても無駄)

子供は自分の要求は無視して、親の期待を満たすためだけに頑張るのです。
これが、機能不全家族を生き延びるために身につけた戦略なのです。
しかし、残念ながらこの戦略(行動・態度)を果たし続けることは、自己喪失につながります。
なぜなら親の期待を満たすために生きているのですから。

そして、この子供はこの行動・態度のパターンを取り続けることから、次の思考を形成します。

・親の期待を満たせない自分は価値がない。
・自分の要求よりも、親の期待を満たすことに価値がある。

これらの思考、行動・態度のパターンを身につけ果たし続ける子供は、いかに生き辛い子供時をおくることでしょうか。

そして、この思考と行動・態度のパターンを延々と果たし続けるのです。
これが生き辛さのもとであり、すなわち硬直した思考と、固定した行動パターンなのです。

やがて子供は成長して、次の生き辛さを抱えてしまいます。

・何事も完璧に成し遂げるまで頑張り続ける。
・周囲の期待に応えようと一生縣命になる。

そして、彼は次のように思っています。

・周囲の期待に完璧に応えられない自分は価値がない。

いかかでしょうか。
子供時の思考と、行動・態度のパターンの関連についてお分かり頂けたでしょうか。

子供時の思考
・親の期待を満たせない自分は価値がない。
・自分の要求よりも、親の期待を満たすことに価値がある。
子供時の行動・態度のパターン
・親の期待を満たすために一生懸命頑張る
・自分の要求はしない(親の期待と違うからしても無駄)

成長した今の思考
・周囲の期待に完璧に応えられない自分は価値がない。
成長した今の行動・態度のパターン
・何事も完璧に成し遂げるまで頑張り続ける。
・周囲の期待に応えようと一生縣命になる。

この事例においてカウンセリングに来られる方は、完璧主義、周囲の期待を意識し過ぎる、または周囲の期待に応えるために周囲の依頼を断れない、その逆として頼めない、抱え込む等の生き辛さを抱えて相談に来られます。

カウンセリングにおいては、今の問題(行動・態度のパターン)を伺い、そのもとになる考え、すなわち思い込みを確認します。
今の思い込みと、その思い込みから生じている行動・態度のパターンを明確にするのです。
そして、機能不全家族を生き延びるための戦略、すなわち子供時の行動・態度のパターンと思考を振り返り、今と過去の関連を考え、生き辛さの根源を明確にしていきます。

まずこれが回復への第一歩です。