親の信念は誰かを不幸にすることがある

アダルトチルドレンのカウンセリングをしていますと、クライエントの方が親の思い、信念に縛られていることが多々あります。

例えば、親の子に対する「仕事は辞めてはいけない」「離婚してはいけない」「大学には進学しないといけない」「芸能人を目指してはいけない」等々です。
そしてこれらの信念に含まれる共通は「~~しなければいけない」、「~~してはいけない」という禁止です。
(「~~しなければいけない」の場合は他の選択肢を否定しますので禁止が含まれます)。

果たしてこれらの信念は妥当なものなのでしょうか?

この親の信念の根底には親なりに子供の幸せを願ってという思いがあります。
例えば「仕事を辞めてはいけない」。
子供が仕事を辞めますと当然子供は無収入になります。
生活出来ない、次の仕事はあるのか等々・・・。
子供のことを思っていると言えます。

「離婚してはいけない」。
特に娘の場合離婚してしまったら、まして子供がいるのに。
収入は、孫はどうなる、もう結婚出来ないのではと、将来を考えるわけです。

確かに「退職」「離婚」は人生の大きな問題です。
今後の不安が生じるのは当然です。

さて、アダルトチルドレンの親は子供との距離が近すぎる場合があります。
近すぎるというよりも、子供をのみこんでしまうぐらいの勢いがある時もあります。

「退職」「離婚」。
親は子供のことを思い不安を感じると言いますが、自分が不安を感じるのが嫌なために、「仕事を辞めるな」「離婚するな」と言っていないか、これも検討する必要があります。
書きすすめますと、親の「~~こうあるべき」があり、親は自分や周囲が自分の「~~あるべき」に従っている限り安心出来るという場合です。
したがって親の「~~あるべき」から子供が逸脱行為をすると、自分の安心コースをはずれたことになり不安を感じるのです。

でも、これは誰が抱いている不安か?
それは親自身が抱いててる不安なのです。

なかなか、ここまで自分の心が分かる親はおらず、子供が「仕事を辞めるから」「娘が離婚するから」不安なのですと言われますが、本当は自分が自分を縛っている「~~あるべき」から子供がはずれるのが不安であり、自分が頑なに守ってきた信念からはずれることに不安を感じるのです。

したがって、自分が自分で不安を大きく作りあげているということになります。
「もうこの息子は再就職出来ない」「娘は母子家庭で一生貧乏」と不安から勝手な予想される現実を作りそれに苦しむのです。
したがって自分が作りあげた不安に自分が支配されるのが苦痛なので、子供に対して過度の禁止を求めることもあるのです。

自分が安心でいるためには子供に対して「仕事を続けなければいけない」「夫婦生活を続けなければいけない」と自分の信念を押しつけることになるのです。

しかし、子供からしたらこれは迷惑です。
それ以上に、親の信念に縛られるわけですから、仕事、夫婦生活ではなく、親に潰されることになりかねません。

さて、この親の禁止を含む「~~しなければならない」「~~してはいけない」。
一体誰を幸せにするものなのでしょうか。

親は自分の信念に子供がはずれた場合不安から苦しみ。
子供は親より自分の望む人生の方向を否定され苦しみ、または親の信念に従い現状維持を選択することにより苦しむこともあります。

この問題。
解決策は・・・。

親と子の完全なる分離です。
親は親の人生を歩む。
子供は子供の人生を歩む。

そして、自分の人生の選択責任、行動責任は自分がとるのです。