アダルトチルドレンとは

この文章は心理オフィス ステラの「アダルトチルドレンについて」のページに長年掲載されていたものです。
文章は平成23年12月中旬一新しましたが、過去この文章も多くの人々に読んで頂いたと思いますので、このアダルトチルドレン相談集にて再掲載いたします。

アダルトチルドレンとは何でしょうか?

子供のような大人のことではありません。
また無責任な大人のことでもありません。

アダルトチルドレンとは子供時を子供らしく過ごすことが出来ず、そのまま大人になり生き辛さを抱えている人たちのことです。
両親や家庭環境によって子供時を歪められて成長した人々のことなのです。
そこには親や養育者による、過剰な期待、過保護、過干渉、条件付けの愛情、無視、精神的虐待、暴力(言葉の暴力含む)等があげられます。

本来であれば親子の間には適度な境界線があって子供はひとりの人間として愛され、尊重されて成長するものですが、アダルトチルドレンは親に呑み込まれたり、突き放されたり、私物化されたり、存在を無視されたりと、ひとりの人間として十分に尊重されずに子供時を過ごして大人になったのです。

子供がひとりの人間として尊重されない家庭を機能不全家族と言います。
アダルトチルドレンとは苛烈な機能不全家族を生き残った人々なのです。
アダルトチルドレンは子供時の、のびのびとした自由で楽しいひとときを体験することもなく、愛されることから培われる自己信頼感、心の豊かさ、情緒の安定等の能力を十分に得られず成長してきました。
その結果、今でも心の傷を背負い、生き辛さを感じ続けているのです。

さて、アダルトチルドレンは慢性的に見捨てられる不安を感じている傾向があります。
この見捨てられる不安とは、自分に対して自信がないことにも関連しており、これは親から安定した愛情を十分に得られなかった結果の産物であると思われます。
親の愛を失うことを恐れ、親に見捨てられることを恐れ、自分が自分を生きることが出来ずに育ったのです。

彼らの家庭では親や養育者が子供を自分の都合のいいように養育したのです。
そしてアダルトチルドレンは子供時に、その親や養育者の子育て、家庭環境に耐えてきたのです。
例えば親が過保護でしたら、子供は自分の自由に好きに振る舞うことを放棄して親の過保護という支配に耐えます。
また親が虐待をするのであれば、その虐待を親の愛情と思い込み我慢し続けることでしょう。
このように子供たちは親や家庭に過剰に合わせ生きていくのです。

すべては見捨てられないため、存在を否定されないため、生きるためです。
子供はどのような親であれ、自分がその家庭を生き延びるためにはその親や家庭環境に合わせ続けるしかないのです。

これは言葉を換えると子供が機能不全家族を生き延びるために、家庭内においてある固定した役割を果たし続けると言ってもいいと思います。
しかし、子供が親や家庭環境に合わせ続けたり、ある役割を果たし続けて生きるということは自己喪失につながります。

自分が自分でないような感じ。
自分の人生が自分の人生ではないような感じ。
では、誰の人生?

さて、私は人が生きるうえで大切なことは、自分が自分のことを信頼することが出来る「自己信頼感」であると思っています。

自己信頼感があると自分は自分であることが出来、好きに行動することや感情表現を恐れず、他者の評価も過剰に気にせず、自分で人生を切り開く力を持っていると思います。

この自己信頼感は生まれてから幼少期の間に、親に一人の人として十分に愛され、尊重してもらい、成長するにつれて獲得していく力ですから、親や家庭に成長期を歪められたアダルトチルドレンはこの自己信頼感を獲得しそこなっています。
成長するにつれ自分に自信がない、人が信頼出来ない(自分を信頼出来ない人は他者を信頼することが出来ません)などの問題を呈することでしょう。

それではここで、アダルトチルドレンの子供の時の家庭での役割を見ていきましょう。

頑張り屋
家の中の用事などを親に替わっていろいろとします。
これ自体は別に問題がありませんが、自分の好きな遊びもせず、家の中の用事ばかりしているのは子供として楽しく過ごす時間を放棄しています。
すべて親の為家庭の為です。
自分の感情を抑圧して我慢しています。

助っ人
家の中の問題を何とかしようと奔走します。
波風立てず、争いを避けることを目的とします。
頑張り屋同様これは子供の仕事ではありません。
本来親が果たすべき役割を子供が果たすということそれ自体が異常です。
自分のことをしないで家族のために何かをしようと常に考えています。
自分を失っており、自分の必要を自分で満たせません。

ロンリー
親や家庭から理解されない悲しみを背負いひきこもります。
悲しみに満ち溢れています。

ヒーロー
エリートに多いです。
親の虚栄心のために頑張り続けます。
成績がいいのが価値ある人と思い込み暖かさを育めません。

マスコット
家中を陽気にします。
本当は悲しくても明るく振舞ってしまいます。
その場に合わした感情表現ばかりしているので、本当の自分の感情が分かりません。

いけにえ
機能不全家族を代表して暴れ周ります。体を張って家庭の問題を外に出します。

プリンス
ママの素敵な王子様。パパの素敵なお姫様。思いっきりかわいがられます。
親は子供の意思を無視して人形のようにかわいがります。

子供時にこれらの役割を背負った子供は、子供として自由で開放的な子供時を生きることが出来ませんでした。
その結果成長しても周囲に気を遣い過ぎ感情を抑えたり、大人を信頼出来なかったため他者を信頼出来なくなったり、甘えることが出来ず何でも一人でやってしまう過剰な責任感を背負ったり、見捨てられる不安より得たいのしれない淋しさを感じたり、何でも自分が悪いと自己関連づけて考えてみたりと様々です。

共通して言えることは皆、自分の感情を抑え傷ついているのです。