強迫性障害とアダルトチルドレン

強迫性障害。私は強迫性障害に30数年苦しみました。
強迫性障害とは自分でもバカバカしいと思ってはいるけど、やめるにやめられない、思考と行動を繰り返して考える、または繰り返して行うことを指します。
強迫観念と強迫行動です。

例えば神社で不謹慎なことを考えると罰が当たると思っている強迫性障害の方がいます。
でも、人の思考はコントロ-ル出来るものではありません。
したがって場所を問わず不謹慎なことを考えてしまいます。神社であってもです。
強迫性障害の方は神社で不謹慎なことを考えてしまうと罰が当たると思っているので、その不謹慎に考えたことを取り消さなければならないという衝動にとらわれます。そうしないと、不謹慎なことを考えた自分には罰が当たるからです。
取り消しの方法は人様々です。思った不謹慎なことを頭の中が白く消えるまでイメ-ジしてみたり、一旦神社を出てまた神社に入って、今度は絶対不謹慎なことを考えず無事出ることを試みたり。
手段は違えど不謹慎なことを考えたという事実を打ち消そうとするのです。
しかし、打ち消そう、考えまいとすればするほど人間とは不思議なもので、かえって不謹慎なことを考えてしまうものなのです。
そして、またまた考えたことを打ち消そうと何度も何度も同じことをするのです。

この神社で不謹慎なことを考えたら、それを打ち消さなければならない、そうしないと罰が当たる。これが強迫観念です。そして、その強迫観念のもと打ち消す行動行為が、強迫行動なのです。

次の例です。家を出ようとします。ガスの元栓、電気消灯、鍵をかける。安全のために確認すべきことは多々あります。通常ですと、1回か2回確認をして人は外出します。
しかし、強迫性障害の場合は何回も確認をするのです。それは、本当に元栓が締まっているか、電気を消したか、鍵をかけたか不安なために。確認不安。
本当は元栓も締めたし、電気も消した、鍵をかけたにも関わらず、忘れたのではないかと強い不安に襲われる。これが強迫観念です。そして、その観念に基づき行動することが強迫行動です。

神社での不謹慎な思考、確認不安、共に本人はバカバカしいと内心は思っているのですが、不安には勝てないのです。

さて、強迫性障害の説明が長くなりました。
では、この症状とアダルトチルドレンの関係はどのようにあるのでしょうか。
強迫性障害の方の基本的性格特徴は繊細、言葉を変えると気にしすぎることと、不安感の強さがあげられます。

では、気にしすぎることと不安感の強さは、どのようにして強迫性障害を引き起こすのでしょうか。

まず、気にしすぎるということですが、気にしすぎるとは、何らかの対象に対して気持ち、注意が固着することを意味します。
すると、自分にとって嫌なこと、不安なことを感じると、そのことがいつまでも頭から離れず苦痛を体験します。
そして、不安感の強さからその嫌なこと、不安なことが現実になるのではとさらに苦痛を強化するのです。予期不安。
この頭から離れない苦痛が強迫観念。そして、苦痛を何とかしよう、取っ払おう、現実になるのを防ごうとする試みが強迫行動なのです。

強迫観念の場合何を気にしすぎるか、苦痛を感じるかは人様々です。
しかし、共通していることは自分にとって起こっては困る事態が起こるのではと、強い不安を感じるのです。

神社で不謹慎なことを考えると罰が当たる。罰の内容は人様々です。自分が会社を解雇される、恋人に捨てられる等、体験している本人がもっとも恐れていることが現実になることを防ぎたいのです。
家を出る際の確認不安。これも、外出中自分の責任による失火、盗人等を恐れて確認を何回もしてしまうのです。

さて、アダルトチルドレンですが。アダルトチルドレンも気にしすぎる性格、そして漠然とした不安感の強さを持っています。

そして、気にしすぎること、不安感の強さ共通の根源は自己信頼感の欠如、自己不信だと私は思います。

アダルトチルドレンは機能不全家族の影響により、親からあまり認められることがなく、自己受容出来ていないことがあります。これは自己不信を形成します。そして、自己存在の不確実性を感じます。これは何をやっても不完全感と不確実感に発展します。
また、アダルトチルドレンの親からの度重なる過干渉も問題です。何か行動をした後、そのことについて親から都度チェックが入り「出来てない」を連発されますと、自分はどれだけ完璧にやっても出来ていないのではと、不安に覆われてしまいます。したがって自分のしたことに対して「出来た」「OK」の自己感覚を持てないのです。これも自己不信です。
そのため何回も同じ行動を取って出来ているかどうか確認をしてしまうのです。

また、強迫性障害の方の思考特徴の1つに完璧思考があります。黒か白か、100か0か、中間の曖昧がありません。
これも、アダルトチルドレンの思考特徴の1つと重なっています。

強迫性障害の症状があるからと言っても、すべてをアダルトチルドレンと関連づけるつもりはありません。
しかし、機能不全家族のひとつの症状として強迫性障害の問題が起こったとしても不思議はないのです。