結婚をしてくれないので別れました
今回は井上 豊さん30歳(仮名)よりのご相談です。
相談内容
私には3年間付き合ってきた女性(貴子)がいます。私は結婚を望んでいました。そしてプロポ−ズもしましたが、彼女はOKしてくれませんでした。また、同時に少し気になる女性(早百合)が現れ彼女と付き合いたいと思うようになりました。
私は結婚出来ないのなら付き合う価値はないと考え、貴子に結婚しないならば別れると宣言をして別れました。同時に早百合にアタックしましたが見事に振られました。
で、今悩んでいるのはもう一度貴子とよりを戻したいのですが、どうすればいいでしょうか?
なかなか難しいご相談です。 まず、考えないといけないのは貴子さんが井上さんとよりを戻すことを望んでいるかどうかです。 もう一つ、井上さんは本当に貴子さんのことを愛していますか?
井上さんにこの2点について考えてもらいました。
「まず、貴子については自分が別れると宣言した時彼女に泣かれたこと。それから、たぶん傷つけただろうから彼女は自分とよりを戻すことは望んでいないだろう。
それから2つ目の質問については、まだ貴子のことは愛している」と、彼はきっぱり言いきりました。
彼の答えを聞いて私も1つ目の答えについては納得出来ました。(でも、本当は貴子さんに確認してみないと分からないことなのですが) ただし、2つ目の答え「まだ、貴子さんのことを愛している」というのには理解出来ません。 今回のカウンセリングの中心はここになりそうです。 なぜ彼は愛しているにもかかわらず、別れると言ってしまったのでしょうか?
もう少し井上さんに貴子さんと別れると決意をした時の気持ちを詳しく語ってもらいました。 「貴子とは3年間付き合ったけど、俺が結婚の話しを持ち出すたびに彼女は返事をはぐらかす。俺はもう30歳だしそろそろ結婚をしたい。 しかし、彼女が真剣に結婚のことを考えているようには思えない。このまま彼女と付き合っていたら結婚できないかもしれない。 結婚をしないのならば付き合う価値はないと思った。そして、ちょうどそんな時早百合が現れた。 彼女と付き合いたいと思った。 でも今は貴子と付き合っている。2人と付き合うことは良くない。だから、結婚をしない貴子と別れて早百合と付き合おうと思った。でないと二股をかけたら早百合にも失礼だ」
井上さんの言っていることはよく分かりました。彼のポイントは以下3点です。
- 結婚しない女性とは付き合う価値はない
- 魅かれた女性にアタックするには、他の女性と付き合っていてはいけない
- 2人の女性と同時に付き合ってはいけない
→3つの女性に対する信念が存在しています。
では、1つづつ検証していきましょう。
- 結婚しない女性とは付き合う価値はない
井上さんはそれだけ強く結婚を望んでいるのでしょう。しかし、ここに足らないのは愛という言葉ではないかと思います。 井上さんが言っているように、まだ貴子さんのことを愛しているにもかかわらず別れの決断をしてしまったのは、彼の結婚しない女性とは付き合う価値がないという信念を愛より優先させたからです。 この信念を最終的に取ってもいいのですが、もう少し余裕を持って彼女がなぜ結婚の話をはぐらかすのか、お互いにゆっくり話し合っても良かったように思います。 - 魅かれた女性にアタックするには、他の女性と付き合っていてはいけない
潔いと言えばカッコいいのですが、まだ、早百合さんのOKを返事をもらう前に貴子さんを捨てる必要はなかったのではないのですか。 しかも貴子さんのことを愛しているにもかかわらず。 これも自分の信念を最優先として行動した結果でしょうが。結局早百合さんからはOKをもらえず貴子さんも失い何も残ってはいないのです。 - 2人の女性と同時に付き合ってはいけない
確かにそうでしょう。しかし、これも早百合さんからOKをもらってから考えればいいことです。頭があまりにも先行しすぎています。
結局井上さんは今回のことから何を得たのでしょう。何も得ていません。 すべてを失ったのです。 私は井上さんの一番の問題は自分の信念を大切にしすぎて、自分の感情(愛)を無視しているところだと思っています。 理屈と感情は別のものなのです。
今回の一連の出来事を整理しますと。
- 貴子さんが結婚を真剣に考えていないように見える。
→貴子さんに少し嫌気がさしている。 - 早百合さんが現れた。
→魅かれた。付き合ってみたいなぁ。 - 結婚しない女性とは付き合う価値がない。
→信念優先。 - 貴子さんと別れた。
→早百合さんにアタックするため。
信念:魅かれた女性にアタックするには、他の女性と付き合っていてはいけない。 - 早百合さんにアタック
- 早百合さんに振られる
- すべてを失う
- 淋しい。もう一度貴子さんとよりを戻したい
→貴子さんをまだ愛していたことに気がつく。 - しかし、それは出来ない。なぜならば貴子さんを傷つけたから。
井上さんの考え方の問題は、100%YESか100%NOを求めることです。
貴子さんのことにしてももうしばらく様子を見てもよかったし、早百合さんとのことにしても断られる可能性があるにもかかわらず、貴子さんを切り捨てたことです。
あまりにも信念優先の完璧主義です。
それゆえに、自分の感情にまったく配慮をしておらず、すべてを失ってから貴子さんをまだ愛していたことに気がついたのでした。
しかも、自分の信念の実行のために貴子さんを傷つけてまで。
思考・理屈優先で感情を見落とさないで下さい。
最後に私達を満たしてくれるのは、自分に正直な心なのです。
2004年05月12日
愛している人なら、その人の嫌なところも好きになるはず
先日知人のAさん(女性 28歳)と雑談中「愛している人ならその人の嫌なところも、受け入れて好きになれますよね」と質問を受けました。
※嫌いなところとは、その人の行動面・行為のことです。
私は即座に「そんなの無理」と返事をしてしまいました。カウンセリング中でしたら「どうしてそう思うの」と聞き返すのですが。
でもなぜ彼女が「愛しているのなら嫌いなところも好きになれる」と思っているのか私は不思議でなりません。
嫌いなところをはっきり意識したうえで好きになると宣言しているわけですから、かなり無理があります。
おそらく、この考え方の根底には、「愛とは相手のすべてを受容すべき」という思いがあるのでしょう。
もちろん愛に対する思いは人によって各々ありますから、それはそれでいいのですが、カウンセラ−の立場から考えると、自分を幸せにしない、苦しめる思い込みは心理の側面から見るとよくありません。
ここでの一番の問題は、相手の嫌なところを感じ認めながら、それを愛そうとする行為です。
「それはAさんのプライバシ−のことだから、それでいいじゃないか」と言われるかもしれませんが、はたしてそのような思い、愛が長く続くでしょうか。
→嫌なところを我慢して付き合うのですよ。
ここでの我慢とは彼が嫌な行動をした。それを感じてもその気持ちを抑え顔や態度には出さずさらには否定的感情を無視して、別に気にしていないという態度や、ニコニコした態度をとる。
これをやり続けるとということは、心の中を自然に流れる嫌という感情を抑え続けるわけですから、まず、ストレスが溜まるでしょう。そして、時が経つにつれ我慢することもしんどくなると思います。
具体例をあげてみましょう。
Aさんは彼が一緒にいて鼻を鳴らすのを生理的に不愉快と感じています。
デ−ト中彼は何回か鼻を鳴らします。Aさんはそのたびごとに不快感を感じますが我慢して耐えています。
まず、これが続くと我慢し続けることからストレスを感じるでしょう。
更に人間とは不思議なもので、嫌ということを認識してそれを我慢すると、それを我慢しなければならないという意識とストレスから、また、彼が鼻をならすのではないかということを恐れ(恐れとは彼が鼻を鳴らし不快感を感じ、かつ、自分は我慢しなれればならないということに対して)彼の態度(また鼻を鳴らすのでは、またはその前兆)に注意集中して神経過敏になるのです。
神経過敏はイライラのもとです。
したがって彼が鼻をならすたびにますます神経過敏とストレスからイライラがつのり、ついには彼と一緒にいること自体が嫌になってくる可能性があります。
また、我慢し続けているので怒りも溜まっているでしょう。
どこで大爆発するか分かりません。
以上を整理すると
- 相手の嫌な行動・行為を我慢する
- 我慢よりストレスが溜まる
- また、嫌なことをするのではないかと恐れ、相手の一挙一動に注意集中・神経過敏になる。
- イライラの発生
- 相手に対する嫌悪感を抱く。もしくは大爆発
このように考えると相手の嫌なところを我慢し続けることは恋愛において有意義とは言えません。 まして、その嫌なところまで愛するなんて無理なことはこれでお分かりいただけたかと思います。
相手に直して欲しい行動面、行為があるならば、相手を傷つけないように言った方がはるかに豊かな恋愛が出来ると思います。 なぜAさんが愛とは相手の嫌なところまで好きになることと、思い込んでいるのかは分かりませんが、我慢することの有害性は今度会った時に伝えるつもりでいます。
2004年05月04日
お互いに理解していないかも
今回は景子さん(仮名)26歳の方のご相談です。景子さんには付き合って1年8ヶ月の俊彦君(仮名)がいます。 遊びに行ったり、デ−トは毎週ですが、どうも、景子さんは彼のことが今ひとつよく分からない、理解出来ないらしいのです。 また、景子さんによると俊彦君も景子さんのことをあまり理解していないのではないかと思っているのです。
私が「何をどうお互いに理解していないの」と訊ねたところ、景子さんは「何となくうまくは言えないけど、お互いがお互いのことをよく知らないような気がする」との答えが返ってきました。
景子さんは付き合って1年6ヶ月の俊彦君のことをうまくは言えないけど、未だによく知らない、理解していないのではないかと少し悩んでいるのでした。
私は聞いてみました。「じゃあ景子さん、彼のことを知ると言うのは具体的に彼の何を知ったら、彼のことを十分知ったとあなたは認識できるのですか」 景子さんはこの質問にはずっと黙っていました。答えることが出来ないようです。
少しアプロ−チの方法を変えてみました。
●私.....
「いつも、どんなふうに彼と遊んだり、デ−トをしていますか」
●景子さん.....
「友達数人とキャンプ、スキ−、バ−ベキュ−(グル−プ交際)なんかしています」
●私.....
「2人でいる時は」
●景子さん.....
「テニス、映画、ん−。それぐらいかな」
●私.....
「もう少し教えてください。友人数人とグル−プで交際している時間と、2人で遊んでいる時間と、どっちが多いですか。
それと、テニスは月何回ぐらいするの」
●景子さん.....
「グル−プで遊ぶのが多いです。半分はグル−プで遊んでいます。で、残りはほとんどどテニスをしています」
●景子さん.....
「何かおかしいですね。月の半分はグル−プ交際なんて・・・」
さて、景子さんも感じているように、この2人のデ−トは2人で過ごす時間が短いようです。グル−プで付き合って、大勢で楽しく、いろいろなことをしていたいのでしょうか。大勢で過ごす。刺激の多さを求めているのでしょうか。
それから、2人の時はテニスが主な遊びのようです。 テニスというのは、勝ち負けを競うかなりハ−ドなスポ−ツです。勝ち負けを競うのですからそれだれ強い刺激を味わえるでしょう。そして、相手を打ち負かしたら快感も得られるのでしょう。
この2人のデ−トパタ−ンでの一番の問題は、2人でコミュニケ−ションをとっている時間が極端に少ないということです。
お互いのコミュニケ−ションが少ないゆえに、景子さんの言っていた俊彦君のことがよく分からないという悩みが出てくるのでしょう。
相手のことを理解するにはコミュニケ−ションなしでは不可能です。
また感情面においても向き合っていません。ですからお互いの心のつながりが弱いのでしょう。
それから、もう1つ大切なことは、カップルで過ごすことから得られる、やすらぎ、リラックスの時間を持っていないということ。 グル−プ交際やテニスから得られる、刺激の強さ大きさを2人して求めていますが、これは、カップルで求めなくても友人同士でもいいことです。 もっとカップルでしか味わえない、優しさの感覚などを追い求めた方がいいのではないかと思いました。
今回、景子さんに対するアドバイス
2人で過ごす時間を大切にすること。
コミュニケ−ションを増やし、自分を表現してパ−トナ−に理解してもらうこと。また、パ−トナ−にも自分を表現してもらい理解するよう努力すること。
デ−トの過ごし方、遊び方の方法も当然変えること。
リラックスした時間を共有出来るように遊びのパタ−ンを変えてみて下さい。
そして何よりも、2人の心のつながりを大切にしてください。
2004年05月02日
もっと彼に愛して欲しい
私には付き合って1年の彼がいます。
でも彼が私を愛しているのかどうかよく分かりません。
いえ、正確に言えば愛してくれているのは分かっているのですが、物足らないのです。
そう、彼はそっけない人なんです。
冷たいとは言いすぎですが、あまり喜怒哀楽を出さない人です。
以前私の友達にこの悩みを相談したら、いい方法があるって言って教えてくれました。
「彼の前で泣いてもいいから、自分の彼を愛している気持ち、それから、彼にもっと愛して欲しい気持ちを思いっきり言って、感情をぶつけること。
そうしたら、彼も心が動かされてあなたのことを愛するようになる。
自分の気持ちに正直になる」と自信たっぷりに教えてもらいました。
で、さっそく彼の前で「私はあなたのことが好き、もっと私を愛して」と大声で、本当に泣きながらやってみたのですが、彼の反応は無表情でした。 そして、「愛とは大声を出したり、泣き叫ぶものではない」と言われました。
彼は本当にどこまで私のことを愛してくれているのでしょうか。
彼の気持ちをもっと私の方を向くように変えたいのです。
[ マリリン21歳 ]
マリリンさんは彼に自分の気持ちをぶつけたのですね。 それでも彼の反応は悪い。本当に自分のことを愛してくれているのか心配なのですね。 マリリンさんにお会いしましたが、目がクリッとしてよく笑う、大変表情の豊かな魅力的な女性でした。 一方彼について訊ねてみると、法学部大学院卒、現在司法書士事務所勤務。 真面目几帳面で、あまり表情を顔に出さない人のようです。
私はマリリンさんに「本当に彼に愛してもらっていないと思う?」と訊ねたところ「愛してはくれているのだろうけど、物足らない」「もっときちんと愛して欲しい」と答えが返ってきました。 私もマリリンさんの話しを聞いた限りではお互いに愛しているのだろうと感じました。
では、今回何が問題となっているのでしょうか。
2人の愛し方の問題です。愛の表現方法の問題です。
マリリンさんが彼に求めている愛の表現は、いつも「愛している」と言って欲しい。 たくさん強く抱きしめ欲しい。もっと楽しそうな顔をたくさんして欲しいということなのです。 そして、これら求めているものを彼が表現してくれないから、物足らないと感じているのです。
人の感性・感覚・思考、性格などは人の数だけ存在します。 マリリンさんの性格は、自由に感情表現をするオ−プンな性格なのでしょう。一方彼は、真面目、几帳面。このタイプの人達に共通してみられる性格特徴は、自分を抑えること。したがって自己表現や感情表現が控えめです。 ですから、マリリンさんと彼は正反対の性格特徴を持っているわけです。
ここに今回の落とし穴があります。 それは、人は自分と同じ愛の表現方法をパ−トナ−に求めるということです。 言い換えると自分を基準として人を判断評価しているということです。ですから自分と同じ方法で愛してくれないと、相手の気持ちさえ疑ってしまう時があるのです。
彼はあまり感情表現が得意ではありません。したがってマリリンさんが自分と同じ豊かな感情表現を求めても急には出来ないのです。 感情表現の学習もしていないでしょうし、何よりも感情を出すことを自分に許してこなかったかもしれません。 生育歴の過程において感情表現を禁止してきた可能性があります。 だから、マリリンさんが感情を爆発させて彼にもっと愛して欲しいと言った時、彼は恐かったのではないでしょうか。 なぜなら、自分に許していないもの(感情)が一気に襲撃してきたのですから。 したがって、ここで彼の感情に対する恐怖の防衛が働きます。 この防衛には2つの意味があります。 1つは今襲撃してきた感情に対しての防衛。 もう1つは自分が味わっている恐怖(慣れていない感情を感じること)の感情を感じまいとすることに対する防衛です。
→もしここで彼が防衛をしないと、彼は感情に巻き込まれ自分が禁じている感情表現、感情の爆発をしなくてはならないのです。
そして彼は彼独特の理知的な防衛をしてきたのです。「愛とは大声を出したり、泣き叫ぶものではない」 これを心理学では「防衛反応・知性化」と言います。
本来防衛反応がなければ、彼女の態度に対する彼の態度は、「急にびっくりした」「何かあったの」「どうしたの」等と自然なものになるはずですが、 彼は自然な流れる気持ちを抑え、代わりに知性化を用いて、愛の定義をしてきたのです。 彼女のもっと愛してという気持ちと、それに対する彼の愛の定義では当然かみ合いません。
では、彼女はどのようにして彼に気持ちを伝えればいいのでしょうか。 まずは自分のやり方を手放して下さい。そして彼のやり方に合わして下さい。
あまり、感情的にならず、少し物静かに自分の気持ちを伝えてみて下さい。 彼と同じト−ンで話して下さい。 そうすれば彼も恐がらずに防衛することもなく、落ち着いて話すでしょう。
マリリンさんにとっては少し物足らないかもしれませんが、これを積み重ねて彼の心をほぐしていって下さい。 あなたの愛は彼の心を開かせます。
2004年05月01日
彼女が結婚後の約束を守らない。なぜ?
私と彼女は3ヶ月後に結婚の約束をしています。 私の勤務先は大手A商社であり、自慢になりますが26歳で営業係長をしています。 結婚後の収入は私一人の収入で十分やっていけるので、彼女には結婚後現在勤めているB社を退職してもらい家庭に入ってもらうことを約束していました。 彼女の勤め先B社というのは、大手電気製品製造メ−カ−であり。彼女は26歳で営業主任、エリ−トウ−マンです。
しかし、私にとってある出来事があり、その出来事以降彼女は結婚後もB社にて勤めると言い出したのです。 出来事とは何かと言いますと、実は先月課長への昇格試験があり、私も挑戦したのですが残念ながら今回は昇格見送りとなりました。 このことを彼女に報告した翌日から、結婚後も勤めると言い出したのです。 私が昇格出来なかったことが原因のようですが、収入も十分あり、まったく理解出来ません。
なぜでしょうか。岩田 明彦(仮名)26歳
どうやら、岩田さんも自覚している通り、岩田さんの課長への昇格選考洩れと同時に彼女の結婚後家庭に専念しようとしていた気持ちが変わったようですね。
なぜ、彼女が彼の昇格洩れから退職を取り消さなければならないのでしょうか。
1つ考えられることは、彼女は退職の条件を、結婚と彼の課長昇格のペアで考えていたのではないかということです。 そして、今回ペアの片方の条件である課長昇格が消えたので、退職を取り消したのではないかと思います
岩田さんによりますと彼女は幼い頃から才女であり、学業、スポ−ツ共によく出来、成績は大学卒業まで常にトップ、B社入社後も女性初の20歳代営業主任とトップを走ってきた女性だそうです。 彼女の口癖は「何でも一番が一番いい」とのことです
彼女のアイディンティティはトップ=自分 この等式が成立しているのかもしれません。
したがって彼女は配偶者にもやはりトップクラスの男性を求めるでしょう。 ここで言うトップクラスとは、一流大学卒、一流企業勤務、そして、エリ−トすなわち出世がトップということになります。 事実、岩田さんはこの条件をすべて満たしています。 岩田さんのA社では26歳の営業係長が数人おり、今回岩田さんが課長昇格を果たせば、トップ中のトップとなるはずでした。
彼女にしてみれば、大企業のエリ−ト課長の妻であるならば、自分はトップでありたいというアイディンティティを結婚後退職しても満たしてくれるのです。 すなわち、彼女は自分はトップでなければならないという信念を持っており、彼女が現在持っているエリ−トウ−マンの地位を捨てるには、それに替わる、何かが必要になります。 そして、その何かと言うのは、一流企業のエリ−ト課長の妻の座となるのでしょう。
トップ=一流企業エリ−ト課長=その妻 この等式が成立するのです。
もしたがって、彼女から見ると今回岩田さんが課長昇格を果たせなかったということは、トップレディにはなれないことになり、それならば、自分はまだB社で働いてトップ=営業主任の地位を持っている方が、彼女の常にトップでなければならないという信念や、アイディンティティを満足させるのでしょう。そして、結婚後も働くこと(エリ−トウ−マンであり続けること)を選択したように思えます。
以上はあくまでも推論にすぎませんが、私にはこのように思えるのでした。 このことについては、岩田さん自身も何となく気がつかれており納得はして頂きました。と、同時の以下の質問を頂きました
彼女がエリ−トを結婚相手に選ぶのであるならば、私のことを愛して結婚するのではく、私の社内における昇格のスピ−トを愛して結婚するのであるのだろうか? もし仮に数年後会社が倒産し私が失業したら彼女は私を愛してはくれないのではないだろうか? 生身の私を愛してはくれないのか?
岩田さんのこの質問に関しては何ともお答え出来ません。 なぜなら私はそこまで彼女のことを知らないのです。
しかし、本当は彼女の常にトップでなければならないという信念は表面的なものであるはずです。 その背後には更にその信念を支える、深層な意識(無意識・思い込み)があることでしょう
問題はこの深層意識なのです。
ここで何を思い、感じているのか。または、何を学んできたのか
人の表面的な判断や基準は、幼い頃より、そうしなければ認めてもらえなかった、愛してもらえなかった、生きてこれなかった。 こうしたものを得るために学習した信念や方法がその背後にあります。 そしてこれらは、今まで生き抜くために持ってきた信念を満たしてくれる人が、自分の愛する人と感じてしまいます。
これはパ−トナ−そのものを愛しているのではなく、パ−トナ−が自分の何かを満たしてくれるから、そのパ−トナ−を愛するということになります。
パ−トナ−の本来の人格を愛しているのではないかもしれません。 人として無条件に受けいれていないのかもしれません。
誰かを愛するということは、誰かから何かを期待して満たしてもらうこととは違うのです。