謙虚と自己卑下の違い

謙虚と自己卑下について記述します。

謙虚

謙虚とは自分を控え、他者に配慮を行い、傲慢な自分を出さない行動・態度です。
謙虚とは人に配慮はしますが、主張すべきことは主張して、他者と対等な関係を築きます。

そして、謙虚な人は正当な場においては、怒りの表現も正々堂々と行うことは可能です。

謙虚な人とは、意識的、無意識的に関わらず、過ぎた自分を出さないように振る舞っており、その、過ぎた部分はいつでも取り外すことが出来、事ある際には、それなりの行動が取れるのです。

謙虚に振る舞うことは、美徳な所作にも通じ、謙虚に振る舞うことよりのストレスはさほどないと思います。

さて、謙虚とよく似た行動・態度に、自己卑下があります。

自己卑下

自己卑下とは、常に相手より自分を下に置き、自己抑圧的な振る舞い、相手を上として、振る舞う行動です。

例えば、ほめられても「いえいえ」、「私なんて」等の言葉を何度も発し、人に対しては、頭を下げるというより、ペコペコしているように見えます。

そこには、卑屈な態度が見え隠れしています。

しかし、本当は自己卑下を演じている人も、すべき自己主張は行い、凛と振る舞いたいという願望はあると思いますが
人が怖い、不安感が強いのか、自己卑下を演じることにより、相手から攻撃されないように、自分を守っているのでしょう。

そう考えると、自己卑下の人は、成育歴において他者から攻撃を受け、心が傷ついた体験があり、これ以上、他者からの攻撃を受けない為に、自己卑下を身に付け、他者にペコペコしているのかもしれません。

安心してください。
私はあなたより下です、このメッセージを発信しているのかもしれません。

でも、その結果、常に我慢と抑圧の連続。
本当は自分はこう思っている、この主張も出来ず、
内心は不満と怒りに満ちているかもしれません。

そしていつかキレて、大噴火を起こし、人間関係を壊滅させるかもしれません。
行き過ぎた自己卑下の態度を取り続けることには、注意が必要です。

さて、自己卑下から得るものは、ほとんどないでしょう。

本人は気づいていないでしょうが、その演じている姿は、他者からは好感をもたれる以上に、蔑まれている可能性が高いです。

演じている本人は気づいていなくても、自己卑下の行動・態度は不自然に映るものなのです。

この自分を苦しめ、人間関係を対等に築けない自己卑下からの回復には、いつから自己卑下的な行動を取っているのか、自己卑下に振る舞うことより何を得ているのか等振り返り、

併せて、対人関係において、適切な自己表現、自己主張を学ぶ必要もあるでしょう。

そして、自分を大切にするとは何か。

このことについても考える必要があるでしょう。

心理カウンセリングは自己卑下の悩みに有効であると思います。

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