強固な自己否定と強迫性障害

私は6歳頃より軽度の強迫性障害を患っていました。
軽度と言っても、酷い時は、この障害の為、1日がクタクタになり、何もする気がしないことも多々ありました。
強迫性障害の根源は不安、不安な思考・感覚です。

さて、もう1つの、強固な自己否定。
まず、自己否定に関して書くと、多くの人は、自己否定を持っていると思います。
しかし、その自己否定は自己反省、自分の問題を追及、客観的に物事を捉えること等によって、日々、さほど自己否定に悩まずに日々過ごしていけるのだと思います。

しかし、「強固な自己否定」となると、時間があれば、自分の言動、取った振る舞い等を思い出しては否定して、否定し続けることによって、自己評価を下げ、疲れてしまうのです。

私は、強固な自己否定で悩んだことはありません。
強迫性障害で悩む方が忙しかった。

しかし、強迫性障害と自己否定。
ともに、思考の世界で、悩み苦しむところに共通点をみることが出来ます。

そして、その根源は不安であると思います。

1 強迫性障害

強迫性障害は、命、存在、喪失、失敗、安全、に対する不安が強く、それに関することを考え続け、それを防ぐために何度も確認行為等を行ってしまい、疲れ果てます。(社会生活が出来ない時もあります)。

・鍵を何度も確認 泥棒に入られる不安
・ガス栓を何度も確認 ガスもれの不安
・縁起恐怖 何かの作業中、起こっては嫌なことを考えた場合、その嫌なこと
      を考えように、気持ちが安心するまで同じ作業を何回もやりなお
      す。無駄な時間です。
・汚染恐怖 料理を作る際、野菜に土がついていないか不安で、何度も洗う。
      もし菌が付着していたら、家族が大変なことになる不安。

このように、強迫性障害は、生命、存在、失敗、安心に関する不安が強く、気持ちを安定させるために、やり直す必要がないと分かっていても、同じことを繰り返し、疲れ果てます。

(ここまでお読み頂き強迫性障害について理解されましたか?
おそらく強迫性障害でない人には、今ひとつ伝わっていないと思いますが)。

また、強迫性障害は、強迫行動は表出せず、思考の世界のみで悩むこともあります。
例えば、ふと嫌なことを思った時にある数が見てしまい、頭からその数が消えてしまうまで、その数をずっと反復考える、または数を1から何回も数えてみたりと、強迫性障害の思考の世界は、不安の独創性に富んでいます。
⇒強迫性障害の執着と苦しみは患った人にしか分からないと、私は思っています。

しかし、何でこんなことで悩むのか、なぜ、こんな無駄なことをしなければならないのか、
皆悩み苦しんでいるのですが、これをしないと、気持ちが安定しないのです。

そして、強迫性障害(行動)を突き動かすモノは、圧倒的な不安です。
この不安に、意識で対応出来ないのです。
この不安が独創的な世界を創り、苦しむのです。

2 強固な自己否定

前述しましたが、私は強固な自己否定で悩んだことはありません。
ここからは、臨床経験をもとに書きます。

強固な自己否定もその根源は、「不安」であると思います。
但し、強迫性障害のように漫然とした不安ではなく、もっと明確ではっきりした不安です。

その不安とは、人に対して、嫌われたらどうしよう、否定される恐ろしさ、拒絶の恐怖等があると思います。
そして、実際に親子関係、学校で、このような拒絶の経験をされているのだと思います。

そして、これら不安が、その時々の自分の行動選択において、自分をいかに出すか、いかに周囲に合わすか、いかに相手の機嫌を損ねないコミュニケーションをするか等、常に他者を優先して、疲れます。

また、家に帰っても、今日のあの行動は、人を不快にしていないか、何かミスをしていなか、等考え、自分の至らないところばかりに目がいき、過剰反省より、自己否定の世界に入り込み、自己否定の連鎖がはじまります。

自己否定が止まらない。
これらは、すべて思考の世界です。

日常の行動においても、いかに相手を優先しても、実際に相手がどう思っているか分からず、
また、家に帰り、グルクルと反省しても、良かったこと、頑張ったことは過小評価してしまうので、自信もつきません。

自己否定ではなく、良かったことにポイントを置いて考えようとしても、脳が否定点を探し続けるので、自己否定は止まらない。

強迫性障害と自己否定 ともに不安を根拠とする思考の世界です。

さて、私たちは、脳の特定の部位、脳の特定のつながり、ネットワークを使い過ぎると、その部分が強化されて、そのことばかり気を取られ、考え、不快なループの思考を止めることが難しくなります。
(もちろん、強迫性障害と自己否定では、過剰活動している脳の部位は違うと思いますが、似ている面を感じます)。

これらは、脳のクセとなってしまうのです。

もし、これを脳のクセと考えられるのであれば、それ以外、他の、脳のクセをつけることが出来れば、新しい脳のクセを優先出来でき、回復できそうものなのですが。

強固な自己否定への回復については、以下が考えられます。
ポイントは、人ってそんなに不安にならなくてもいいものだ。
です。

1 家では思考を止める リラックスです。
  そして、不安感を弱める。否定的なことを考える時間を減らす。
2 他者受容も大切です。
  他者の様々な行動を見て、皆、いろいろな面を持っているな。
  自分もいろいろな面を持っている。これでいいのだという感覚を培うこ
  と。
  他者受容は自己受容につながります。
3 自己主張 意見の相違は存在の否定ではありません。
4 日々、無事に過ごせることに感謝。気持ちを穏やかにします。

その他、様々なことを考え実行して、強固な自己否定を緩め、自己受容に変えることが大切だと思います。

但し、子供時からのクセと思いますので、それなりの年月はかかると思います。
もう一度書きます。
案外、人っていいものですよ。
過去傷つけられた人は、いるでしょうが。
皆が皆、そんなことはありません。

人から受けた傷は、人を通して癒す。
自分が心を開いた分、相手も心を開いてくれます。
(但し、開く相手は注意)。

それから、本を一冊紹介いたします。
⇒水島 広子著 自己肯定感持っていますか? 大和出版
この本も回復には、役立つかもしれません。

最後、強迫性障害。
申し訳ありません。
強迫性障害の回復の治療は行っていません。

強迫性障害の治し方は理解しています。
しかし、不安の独創的な世界に圧倒されて、治療を頓挫する方もおられます。
また、強迫性障害は精神疾患でもあります。
心療内科に相談してください。