心の悩み相談集
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2007年11月08日
防衛機制 私たちを守る心のしくみ-2
⑥ 置き換え
ある人物に向けられた無意識的な欲求や行動を他の対象に向きかえることによって、最初の対象からの攻撃を防いだり、不安、罪悪感、欲求不満等を解消します。
例えば子供が先生からひどく怒られた場合、家に帰って先生と親を置き換え、親に当り散らす等。
カウンセリングをしていると会社勤めの方で偉そうな上司は嫌いと言うクライエントの方がおられます。自分の親の偉そうな態度が上司に置き換えられているのかもしれません。
⑦ 反動形成
抑圧だけでは不十分なとき、抑圧を助ける重しとして加えられるものです。
自分の欲求にある程度気づいて、それが表面化することで自己の評価が低下することを恐れ、そのため、まったく正反対の態度や行動をとる防衛機制です。
例えば、ある人に対して憎悪を抱いている時、その憎悪が表面化すると社会生活をおくるうえでは困る時があります。その場合反動形成が働き、その対象者に対して、親切に振る舞い相手や周囲に憎悪を抱いていることを悟られないようにと、社会的な振る舞いをします。
あまりやりすぎると、わざとらしいという印象を与えてしまいます。
⑧ 合理化
もっともらしい理屈をつけて自己を正当化しようとします。
本当は欲しいのに理屈をつけて要らないと言ってみたり。
本来すべきことを、こじつけの理由をつけてやらなかったり。
あまりに合理化に走りますと、社会的共感を得ることが難しくなり、周囲からは理解不能な人になってしまいます。
⑨ 知性化
自分を守るため知識を振りかざします。
何でも知的に分析したり、知っていることを話して相手を説得、打ち負かそうとするので、過剰に行い続けますと、やはり共感を得ることがなく、難しい人と思われてしまいます。
⑩ 補償
ある分野での劣等感を補うために、他の分野で優越感を求めます。
勉強が苦手な子が野球に集中したり、営業成績の芳しくない営業マンがお茶を極めようとしたり・・・。
補償行為も逸脱しない限りにおいては、ストレス解消の有効な手段となります。
⑪ 昇華
抑圧された欲求、衝動、意識的に持っている劣等感等が、社会的、文化的に承認される価値ある好ましい活動となって発現する防衛機制です。
攻撃的傾向や性的欲求による緊張が、学問、芸術、スポ-ツなどで代償的に解消されるのがその一例です。
また、自己の劣等感を社会的に価値あるものに熱中して、その道の大家となる例等、好ましい自己評価の向上でもあります。
いかがでしょうか。
思い当たることはありましたか?
防衛機制の基本は抑圧です。
抑圧が不十分、出来ない時に他の防衛機制が働くのです。
すべての人は皆何らかの防衛機制を持っており、これが自分を守ってくれます。
ただ、自分を守ることばかりに専念してしまうと、他者との関係性が築けない等、逆に生き辛さの原因にもなります。
参考文献(防衛機制 1、2共)
笠原 嘉 著 不安の病理 岩波新書
初級産業カウンセラ- 養成講座テキスト 社団法人日本産業カウンラ-協会編
2007年11月06日
防衛機制 私たちを守る心のしくみ-1
私たちは何か欲求不満や葛藤の状態、もしくは不安、攻撃性、性的欲求が高まりますと、自己を防衛するため、社会生活を今まで通りおくるためにも、様々な自己防衛の反応をします。それは無意識的に防衛しているのかもしれません。
そして、フロイトはこれを防衛機制、ディフェンス・メカニズムと名付けました。
では、防衛機制の数々を今回、次回と見ていきたいと思います。
① 「抑圧」
上述した様々な心の状態を意識に上らないように無意識へと押さえ込みます。
無意識化されるとその心の問題じたい体験している本人は気がつかないことが多々あります。
例えば、職場で上司から怒られた場合、部下はその上司に対して反撃したいのですが、それでは会社生活はおくれません。そこで、その攻撃性を感じる前に無意識へと追いやることによって上司の叱責を平然と受け入れるのです。
また、子供が常に親から叱責されている場面を考えてみましょう。子供はその家庭で生き残るために、親の叱責を受け入れるのは当然と、叱責からくるすべての感情を抑圧してしまうかもしれません。
自分の感情を抑圧し続けるというのは、自分が何を感じているのか等慢性的に分からなくなり、また、自分のことを自分で考える能力、意志決定能力の欠如等、人生の様々な局面で生きている実感を喪失する事態になるかもしれません。
② 「逃避」
抑圧だけでは処理出来ない問題に対して、逃れようとして取られる行動です。抑圧出来ない対象は主に不安です。(抑圧出来ないということは、何か不安を感じいることを意識していることになります)。
逃避は次の5種類に分かれます。
a 退避
b 現実への逃避
c 病気への逃避
d 空想への逃避
e 子供時代への逃避
a 退避
不安な場面に直面することを避ける場合です。例えば学校で大勢の前で発表する機会があることが事前に分かっており、その日は休む等。不安への直面を避けます。これが続き習慣化しますと、人生において永遠に出来ないものを作ってしまいます。
また、あらゆることに退避をし出しますと、ひきこもりの状態ともなり社会と断絶してしまいます。
b 現実への逃避
直面する事態を避けて、それとは直接関係のない別の行動に没頭します。
大学受験に不安を感じて勉強を避けて趣味に没頭する、夫婦仲の危機の夫が仕事に没頭して家に帰ってこない等です。
c 病気への逃避
仮病とは違い、本当に不安等から病気になってしまいます。
不安だけではなく、長時間労働の疲労やストレスからも病気になります。
文献では逃避という言葉が使われているのですが、限界の身体反応と考えれば逃避という言葉は使わない方がいいかもしれません。
d 空想への逃避
空想の世界へ逃げ出します。ネット、ゲーム、漫画等架空の世界に入り込んだりします。または、自分の空想の領域も含みます。
e 子供時代への逃避
退行と呼ばれています。おねしょをしたり、赤ちゃん言葉を使ったり、子供がえりすることで、今の問題から逃避します。子供がえりするということは、不安の対象から守ってくれる何か(母性等)を求めているのかもしれません。
③ 投射・投影
自分の弱点、自分のなかの容認しがたい欲求、感情を相手が持っていることにして責任を転嫁する防衛です。
例えば自分が嫌いと思っている人に対して、相手が自分を嫌っていると思い込んだり、自分の負の感情を相手が持っていると思い込みます。その結果自分勝手な攻撃心を持つこともあり、ひどくなると妄想の領域に入ってしまいます。
または、恋愛において自分の好きというプラスの感情を、相手も持っていると勝手に思い込み、ひとりよがりな恋愛に夢中になることもあります。
④ 取り入れ
両親や文化が期待する、もしくは期待するところを自分の内部に取り入れ、いつしか、それは外からのものではなく、自分の内に元来あったもの、自分自身のものと見なす防衛です。
周囲からの保護を失ったり、拒否、処罰、孤立化を防ぐために、周囲の期待に沿う行動をすることで不安を解消するのです。
学校での集団でのいじめは周囲の学生の考え、振る舞いを自らに取り入れ、いじめる側としていじめをを行い、いじめられる危険から自己の安全を図っているのかもしれません。
⑤ 同一視
ある特定の対象者の考え方、感情、行動等を無意識的に取り入れ、その対象と同じように振る舞う傾向になる心理過程です。
権威のある人物と自分を同一視して、服装、言動を表面的にまねて偉そうにしてみたりします、同一化することにより自己価値をあげる目的もあります。
好きなアイドルと同じように振る舞う、尊敬する先生の真似をする等。
また、よくある例としてDVの夫は子供の頃その父親からひどい虐待を受け恐怖心を抱いていました。
そして、自分が成長するとその父と無意識のうちに同一視を図り妻に暴力を振るいます。
