心の悩み相談集

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2008年12月19日

彼女はなぜ転職回数が多いのか 期待にこたえられない自分は価値がない

樹里さんは32歳の化粧品販売員です。
今回は退職と転職の相談で来られました。

彼女は人あたりのよさそうなハキハキと話す女性です。
その彼女がなぜ退職を希望しているのか不思議だなと思い話しを聞いていましたが、転職回数が5回あると話された時には驚きました。

彼女の感じからすると人間関係もスム-ズに行い、仕事も出来そうな気がしたからです。
ですから、短大卒業後12年で、5回も転職回数があるとは信じられなかったのです。

そして、今回の彼女の退職理由は、来月店長に昇格が決まったのですが、店長としての責任を果たす自信がなく、もっと責任の軽い仕事への転職を希望されていたのでした。
(希望は指示されたことをこなしていく仕事です)
さらに彼女の今までの退職の理由を聞いてみますと、すべて部署や配置が変わる、昇格等、新しい仕事へのチャレンジが巡ってきた時に、即退職を決意されていたのです。

通常職場において新しい仕事への配置換えは、今までの下積みの努力が評価され次のステップに進むチャンスです。
そこには職位の昇格を伴うこともあり、仕事に対する責任も増えますが、新しいやりがいもみつけることが出来ると思うのですが・・・。

樹里さんに、どうしていつも新しいチャンスが巡ってくるたびに退職をしているのか訊ねたところ、「新しい仕事や責任を果たすことに自信がない」とこたえられました。

確かにそうです。今までとは違う仕事を任せられるのですから、当然不安はあると思います。
でも、新しい仕事の責任を果たせるかどうかは、新しい仕事にチャレンジしてみないと分からないのです。
また、樹里さんは人あたりがよさそうな雰囲気です。彼女の雰囲気からすると社内では先輩のサポ-トも十分受けることが出来ると思うのです。
昇格しても不安なことは1人で背負わず、上司や先輩に助けてもらえばいいと思うのですが。

このことを樹里さんに指摘したところ彼女は「今まで出来るだけ人を頼らず仕事をしてきました。人に頼ることは自分が仕事が出来ないことを周囲に暴露することにつながるので、人に助けを求めることはできないのです」

さらに彼女は次のように続けました。
「人に頼って周囲を失望させたくないのです」

ここまで聞くと何となくですが樹里さんが何を思っているか分かってきます。
① 分からないことを人に聞くことは、自分が出来ない人間であることを証明することになる。
② そして人は期待にこたえられない私に失望する。
③ だから仕事は与えられたことをこなす自己完結型の仕事が希望。
④ そして仕事についての相談をして失望されるのが恐ろしく、責任の重い新しい仕事につく前にやめてしまう。
⑤ 周囲は私が出来ない人間であることを知ることはない。誰も私に失望しない。


この道筋で樹里さんは今まで動いてきたように思います。
しかし、なぜ彼女は自分が分からないことを人に聞くいたり相談すると、自分は出来ない人間であり、周囲は樹里さんに失望すると思い込んでいるのでしょう。
彼女は子供時のことを次のように話しています。
「私は母子家庭でした。母は常に忙しく私は常に母の手間を取らないように気をつけていました。でも何でも1人で出来るわけではなく、母の手を何度も煩わしました。母の手を煩わす都度、自分なんて、ダメだと思いました」

樹里さんは子供時、忙しいお母さんの手を煩わせたくなかったのですね。
お母さんは樹里さんのために手をとめても、怒ったりすることはなく優しく接してくれていたようですが、樹里さんは子供ながら母に気を遣い、何でも自分1人でしなければならないという思い込みを勝手に抱き、それが出来ない自分に母は失望していると、出来ない自分の罪悪感を母が自分に失望していると置き換えたのでしょう。
(心理学でいう投影の心理)

樹里さんの、期待にこたえられない自分は価値がないという思い込みの原点はここにあったのです。
(母は樹里さんが何事も1人ですることを期待している。その母の期待にこたえられない自分は価値がないという思い込み)。

樹里さんが今後退職を繰り返さず頑張るには、自分のこの思い込みの形成を理解して、思い込みを手放し、新しい仕事に臨み、分からないことは分からないと周囲に助けを求め、その結果何が起こるか体感することです。


私たちの人生や自分に対する思い込みは、親の声を内在化して苦しむ場合もあれば、樹里さんのように、子供ながら親に気を遣い、親に対する罪悪感から思い込みを背負ってしまう場合もあるのです。

投稿者 stella : 20:58 | トラックバック

2008年12月16日

生きるうえでの選択 何を優先すべきか それは自分です

私たちは人生において様々なことを意志決定して選択します。
例えば、会社選び、結婚、人間関係(誰と仲良くするか、頼みごとをどうするか)、物品購入等様々です。

では、私たちが選択において意思決定をする際、私たちは何を優先して選択するのが良いのでしょうか?

私は優先すべきは自分であると思います。
もちろん、この優先にも限度があり自分勝手な行動を選ぶことを勧めているわけではありません。

でも、何かを選択する際は自分が不利益を受けないこと、自分が無理をしないこと。これは大切だと思います。
では、具体例をあげます。

1 人間関係において 頼まれごとを断るということ

私たちが人から何かを頼まれることは多々あります。この時の選択肢としては頼みごとを受け入れることをOKするか、頼みごとを断る選択肢があります。
そして、この時自分が忙しくてどうしようもない時は、私なら断ります。

でも、断ることを選ばない人もおられます。この人たちは今でも手が一杯なのに頼まれごとを引き受けてしまい、それを果たすために奮闘して燃えつきて体調を悪くしたり、本当は断りたかったの引き受けてしまい頼んできた相手に怒りを向けたり、頼まれたことを果たせず自責感からうつ状態になったりと、あまり良い結果が出ません。

では、なぜ自分を優先せず引き受けてしまったのでしょうか。
それは相手を優先することを選んだからです。
でも、何のために?

理由は様々でしょう。

しかし、実際に断ったからといって何か変わりますか?
相手との関係性が変わるでしょうか?
通常の人間関係はお互い相手のことを考えていますので、あなたが頼みごとを断ったといっても、相手もあなたの事情を理解納得すれば2人の関係性がおかしくなることはないと思います。
それは、あなたが自分の頼みごとを断られたからといって、相手との関係性が変わらないのと同じことです。

しかし、もし相手があなたが断った時に、怒ったり、嫌味を言ってきたら、この関係性には注意が必要です。
それは、相手はあなたが自分の頼みごとを引き受けるのは当然と思い頼んできており、その期待が裏切られたから怒ったり、嫌味を言うからです。

期待に沿わないあなたに怒っているのです。
これはおかしなことです。
相手はあなたが自分の言うことをきくのは当然と思っており、あなたの意思を尊重していません。
あなたのことを便利屋とでも思っているのでしょう。
都合よく使われるのはやめましょう。

選択すべきポイントは自分の状況、気持ちを優先して意思決定することなのです。


2 仕事の意思決定

さて、上例では他者を優先して自分を軽んじる意思決定について書きました。
ここでは、他者に対する義理立ての優先より、自分を優先する意志決定に悩むパタ-ンについて2つ書きたいと思います。

a 親戚の紹介で就いた仕事を辞められない

勝代さんは2年前商社事務員として親戚の紹介で入社しました。
しかし、1年前より介護の仕事に興味を持ち、実際にヘルパ-の資格も取得しました。
そして、思い切って介護職へ転職したいのですが、親戚によくしてもらい今の会社へ入ったいきさつがあり、親戚に対する義理を感じています。
さあ、どうしましょう。

b 正社員を希望して就職活動をしているが入社後は1年しか勤められない

景子さんは1年後に夫の仕事の都合で地方に行きます。しかし、引越し費用やその他諸経費を稼ぎたく、今から正社員としての雇用を希望しています(正社員が一番給与がいいからです、また景子さんの能力からすると正社員としての採用は可能と思われます)。しかし、景子さんは仮に就職出来ても勤務期間は1年、採用を頂いても途中退職で企業の方に迷惑がかかることを考えると、自分が正社員として採用されていいか悩んでいるのです。
これも、採用してくれた企業に対する義理で悩んでいます。

私がこの2例のカウンセリングを受けたとしたら次のアドバイスをします。

「何を優先するか」です。

私は何かを選択して決定する際は、可能な限り自分を優先すべきと思っています。
もちろん、この記事を読まれた方には、親戚への義理、企業への義理を優先すべきと思われる方もいるでしょう。

しかし、そうすると勝代さんは自分が進みたい介護の道に進むことが出来ず、景子さんは正社員として勤めることが出来ず、引越し費用等が思ったより稼げなくなってしまいます。

「何を優先するか」。
その答えは・・・
「自分の人生」です。

私が勝代さんなら親戚に報告とお礼をして、親戚の了承を得て転職するでしょう。
また、景子さんの場合なら例え1年間の勤務でも、その1年の間に即戦力として自分の全能力を出し切り最大限活躍をして、その責任を果たすという考え方もあるかもしれません。

さらに、1年後の退職についてですが、今は終身雇用の時代ではなく、企業も企業の存続のため平気で解雇等大胆なことをする時代です。
企業も従業員もお互いに都合よく利用し合うという考え方もありかもしれません。


いかがでしょうか?

自分勝手すぎますか?


私たちの人生は一度きりです。
何かに遠慮をして欲しいものを手に入れることが出来ず、したいことが出来ず、後々後悔しないようにしましょう。

投稿者 stella : 21:27 | トラックバック

2008年12月01日

性格は変わるのか 性格は思考、行動、感情、身体反応より構成されています

「私の性格は変わるのでしょう」?
カウンセリングをしていると、この質問をよく受けます。

では、性格とは何でしょうか。
心理学者オ-ルポ-トによると「ある個人の行動は環境への適応において、その人らしい独自の一貫した適応行動様式があり、たえず遺伝と環境の相互交渉により、変化、発達して再体制化されていくものである」と定義しています
(オ-ルポ-トは正確には性格ではなくパ-ソナリティの定義と言っています)。

このオールポ-トの定義で注目すべきは、「ある個人の行動は環境への適応において、その人らしい独自の一貫した適応行動様式があり」です。
これは言葉を変えると、「人はある特定の環境において継続固定して行う反応様式がある」と言い換えてもいいと思います。

具体例で書きます。
例1
特定の環境⇒会議で話す
継続固定して行う反応様式⇒緊張してうまく話せない

例2
特定の環境⇒仕事での発送作業
継続固定して行う反応様式⇒封入ミスが気になって作業に時間がかかりすぎる

このようにある特定の環境(特定の場)に対して、常に継続・固定した行動様式をオールポ-トによると性格というのです。
したがって性格とは自分も当然自覚しており、外からも観察可能なものと言えるでしょう。

例1では「緊張しやすい人」、例2では「神経質」等自他共に認めるかもしれません。

このように性格とは行動面に現れ観察可能なものなのです。
では、私たちの性格はどのようなものから構成されているのでしょうか。
性格は次の4つから構成それています。

それは、思考 行動 感情 身体反応(喉の渇き 振るえ 緊張等)です。
そして、このうち私たちが直接介入、コントロ-ル出来るのは思考と行動です。

感情と身体反応については、自分自身でコントロ-ルすることが難しいのです。
感情は勝手に感じるものであり、様々な身体反応も私たちの意志を無視して勝手に生じます。
もちろん、感情と身体反応もリラクゼ-ション、イメ-ジトレーニングで介入、コントロ-ルは可能なのですが、感情と身体反応を問題にする前に、私はカウンセリングにおいては思考と行動にアクセスをします。

思考と行動を変えることが、性格の変容にもっとも近道であると思っているからです。
そして、思考と行動の変更・促進が図れますと感情と身体反応も変わってくるのです。

したがってオ-ルポ-トの性格の定義における、継続・固定した反応を変更するためには、性格を構成している、思考と行動を変更すれば、感情と身体反応も変わり一定の継続・固定した反応を解除出来ることになるのです。

これが「性格は変わりますか」?という質問に対する、私の答えです。
では、もう少し詳しく書いてみましょう。

性格の変容。思考 行動 感情 身体反応の4つについて、「人と親しく話すことが苦手で出来ない、そして人と話す場を避ける」という例をテ-マに見ていきたいと思います。
(前提はコミュニケ-ションスキルはあるのだけれども、人と親しく話すことが苦手と思われている方です)。

例3
特定の環境⇒人と話す場面
継続・固定して行う反応様式⇒親しく話せない、そして人と話す場を避ける

この例の人は人と話す場を避けるという行動を選択して行動していますが、その前提が人と親しく話せないということです。

ではなぜ、人と親しく話すことが出来ないのでしょうか。そこには「話をしてつまらない人と思われたくない」「相手を不快に思わせてしまうかもしれない」「受け入れてもらえないのではないか」「嫌われのではないか」「無視されるのが怖い」等。これらの不安が先行して話すことを抑え、話すことに自信が持てないことが考えられます。

そして、この不安⇒不安感の前提となっているのが思い込みなのです。
「話をしてつまらない人と思われたくない」つまらない人と思われる根拠は?
「相手を不快に思わせてしまうかもしれない」その根拠は?
「受け入れてもらえないのではないか」その根拠は?
「嫌われのではないか」どうして嫌われるのか根拠は?
「無視されるのが怖い」どうして無視されるか根拠は?

思い込みとはこのように根拠がありません。
漠然としているのです。
そして、この思い込みが思考なのです。

したがって、思い込みをいかに緩和、変更するか、思考の変更を図ることが大切なのです。
「話をしてつまらない人と思われたくない」⇒「話をしてつまらない人と思われるかどうかは分からない。また、何を根拠として相手が自分をつまらないと評価するのであろうか?分からないことに悩んでも結論はでない。だからまずは話してみよう」

「嫌われるのでは」⇒「嫌われるとは相手のどのような態度を見て判断出来るのであろうか?嫌われる根拠は?根拠のないことに悩むのではなく、まずは話してみよう」

大切なことは、根拠のないことに悩んでも、不安の堂々巡りで結論が出ないのです。
やってみないと分からないのです。

そして、やってみないと分からないということは、行動して現実を確かめるということなのです。
私たちを縛る思い込みを手放して、前に進むのです。

もちろん、この思い込みについては、子供時の親子関係・家庭環境が深く影響していることが多々あります。
思い込みを変更する前、過去の親子関係・家庭環境が現在にどう影響しているのか振り返り、関係性を理解することが必要な場合もあります。


さて、思い込み、思考を変更したあとは行動の促進です。
この行動の促進の前に「自分が人と楽しく話しをしている」イメ-ジ等を思い浮かべてリセクゼ-ションすることは有効です。

それは、人はイメ-ジ通りに進むものだからです。
イメ-ジで人と楽しく話している姿をしっかり思い浮かべ、話すことに対する不安感の軽減、緊張の低下を図ります。そして、実際に行動する際、このイメージの効果が発揮させるのです。

思考を変更して行動の促進。そして、行動の促進の準備としてイメ-ジトレ-ニングを行い、不安からの感情と身体反応の軽減を図る。
これが事前準備であり、そして、いざ本番。行動です。
そして、行動したあと何が起こるか体感するのです。

大概の場合は自分の思っていた不安なことは起こらず、「何だこんなものか」と驚きと安心感に包まれる体験をされることも多々あるのではと思います。

そして、話すことがこんなに楽なものかと体感されれば、次にまた話すことへの不安も軽減され、緊張も低下をして、話すことにチャレンジしようと前向きな気持ちが生まれてくるのではないでしょうか。
今まで話すことに対して不安を感じで話すことを抑えていた人が、ある日より話すことにチャレンジをしだし、やがては積極的に話すことが出来るようになる。
抱き続けた不安は現実にはなく、更には話すことに自信を獲得したのです。

これが性格の変容です。
思考 行動 感情 身体反応が変わったことにより、固定・継続して行われていた反応様式が変わったのです。

さて、ここでもう1つ思考で大切なこと。
それは評価です。

何気なく気さくに人と話すことが出来る人は、話すことに自信(自信を意識していないかもされませんが)を持っていると思います。
逆に話す能力や自分自身に自信がないと、相手にどう思われるかを常に気にして、話すことに不安を感じ続けます。
しかし、話すことに自信を獲得していきますとそれと並行して不安は軽減されます。

では、自信とはどのように培うものでしょうか?
自信とは何かにチャレンジをして成功体験からもたらされるものです。
話すことに自信がない場合は、話すという行動を起こして、話すことが出来た自分、昨日よりも一歩前進した自分を認めてあげることが大切なのです。
自分が自分を認めてあげることが大切なのです。

そして、認めてあげるとは、「評価」です。
自分が自分を評価するのです。
そして、再び「思考」です。

「評価」には基準があります。
自分が自分を認めるにも、その人独自の基準があるのです。
話すということを例にとると、ある人は3分話しが続いた自分を大きく前進したと評価するかもしれません、またある人は3分しか話しが続かなかったと自分を評価しないかもしれません。
自分が自分にOKを出して、自分を評価することにより自信は培われるのですから、自分に対する評価基準は厳しくない方がいいと思います。

そして、厳しすぎる評価基準は思考の問題です。
なぜ、そこまで自分を厳しく評価するのか、ここには心理的な問題が大きく影響していることが多々あります。
自分を振り返って、自己評価基準を下げ、行動、チャレンジした自分を、暖かく評価することが大切なのです。

「思考」「行動」「感情」「身体反応」の変化により性格の変容は図れます。

しかし、このなかでも思考、「思い込み」「自己評価基準」をいかに見直すか、性格の変容に大きくかかわっているのです。

投稿者 stella : 21:50 | トラックバック