対人不安

対人不安の原因は、自分が他者からどう思われているか気にすることから生じます。
よく思われたい、裏を返すと嫌われたくない気持ちが強すぎるのです。

誰でも嫌われるよりは好かれる方がいいに決まっています。しかし、対人不安の方は嫌われたくない気持ちが極端に強すぎるのです。
(嫌われたくない気持ちと書きましたが、好かれたい、バカにされたくない、変な奴と思われたくない、人を傷つけたくない等、人によって言葉は変わってきます)
なぜ、この気持ちが強すぎるかは生育歴、親子関係、学校でのいじめの問題等が原因としてあげられると思いますが。

では、対人不安の方はいかにその不安に対処されているのでしょうか。
嫌われたくないためにどのようにしているのでしょうか。
2つのパタ-ンを見たいと思います。

1 過剰適応
2 適応せず

1 過剰適応

人に嫌われたくないあまり、人に気を遣い過ぎます。具体的にはコミュニケ-ションの場で、周囲を盛り上げようとエネルギ-を注ぎます。実際に周囲からはよく話す人、面白い人と嫌われることはなく、良い評価を得ます。

しかし、当の本人からしてみると無理をして場を盛り上げようと、力を入れているわけですから、ストレスです。次は何を話さなければならないのか、どのような話しをすれば相手は喜ぶか、今目の前の人は嫌そうな顔をしたのはなぜか、嫌われたかなと、そのようなことばかりに気を遣い過ぎています。
自分が嫌われていないかばかり気にしており、本来のコミュニケ-ションの目的である、他者理解や共感は遠いものになってしまっています。
話すことじたいが緊張感を持ってしまいます。
そして、他者の視線や気持ちばかり推し量かり行動しているので、自分が自分でないような気持ちになってしまいます。他者といる間は他者にエネルギ-を費やし自己を喪失しているのです。

これは他者の視線を気にし過ぎ、嫌われたくないための過剰適応です。

しかし、この過剰適応が出来るということは、ひとつの光です。
それは、対人スキルが高いということなのです。

なかなかあまり知らない人相手にその人を退屈させないでおこうと、振る舞うことは難しいと思います。また、周囲をにぎやかにしようとする積極性、これもなかなか出来るものではありません。

対人スキルが高いので良好な人間関係は問題なく築けることでしょう。
あとはいかに他者からの視線や評価を気にせずにいられるか。

嫌われるとは本当は何を意味するのか。
全員に好かれることは可能なことなのか。

2 適応せず

他者の評価、どう思われているかを気にしすぎて、他者から悪く思われるのを避けるため、他者とのコミュニケ-ションを避けてしまいます。
したがって、学校、職場には通うけど、その中で人の輪の中に入れず、孤独感を感じています。

また、発言すべき時でも言いたいことを言えません。なぜ言えないかは、こんなことを言ったら周りはどう思うだろう、バカにされるのではないか等、周囲を気にし過ぎています。
しかし、結局は言うべき時に何も言わないので、周囲からは低い評価を得てしまうのです。

また、断られることに対しても敏感です。自分が否定されたと悲しみを感じてしまうので自分から人を誘うことが出来ません。

積極的な自己開示も出来ず、かつ、人の輪の中にも入りづらいので、人間関係が広がりません。
言わなければいけないと思いながらも、言えないので、高いストレスを抱えてしまいます。
言えない自分を責めてしまう傾向もあると思います。

そして周囲からは「おとなしい人」「いるかいないか分からない人」と結局は低い評価を得てしまいます。人の評価が気になってしかたがないのに、結局は望まない正反対の評価を得てしまうのです。

そして、人の視線、評価、嫌われたくなく思いから、人を避けることにより、他者との関わり、関係性からのみ学ぶことが出来る、対人スキルの獲得にも失敗してしまいます。

否定的評価を恐れ、人と関われず対人スキルが低いとなると、不適応から適応への道は少し時間がかかるかもしれません。