要領のよい人は得をする

「要領のよい人は得をする」。
この言葉よく聞きますよね。
でも、この言葉どこか悪意、敵意のような気持ちを感じて、あまり心地のよいものではありません。

たとえば次のような例があります。
同期入社15名のうち、Aさんのみ早々に課長に抜擢されました。
同期のうち数人は言います。
「あいつは要領がいいんだよ。要領が」

まるで、要領がよいから早期課長昇格が果たせたような言い方です。
聞いていて、あまり気持ちのよいものではありませんね。

では、この「要領」という言葉。
国語辞典ではどのように定義されているのでしょうか。
国語辞典 三省堂によると2つのことが書かれていました。

① むだが無く、やってのける。手ぎわがいい。
② 表面だけはいいように見せかけ、実際の作業は手を抜くことのうまい人。

①は望ましいイメージですが、②はずる賢いイメ-ジですね。
そして、前例の「あいつは要領がいいんだよ。要領が」という言葉は、この②のずる賢いイメ-ジに基づいて、要領を評価しているようです。

でも、本当に表面だけで、実際の作業は手を抜く人が企業内で評価されるのでしょうか。

これを具体的にイメ-ジすると。
表面だけはいいように見せかける⇒話すことがうまく、自分のことや自分に関連することをいいように話す。そして、人をひきつける。でも、実際は何もしない。

知らない人が彼を見ると話すのがうまくて、ひと言、ひと言が納得出来、凄いなと感心するかもしれません。
でも、よく知っている人から見ると、いつもの口だけとなり、「またかぁ」と愛想を尽かされるでしょう。
企業内では当然上司、同僚、部下と様々な人から見られているのですから。
表面だけが要領がよく、実際手を抜く人はどこかで化けの皮がはがれると思います。

では、本当に要領がよく評価をされたとしたら、それは、どのようなことが考えられるでしょうか。

先ほどの①では「むだが無く、やってのける。手ぎわがいい」と要領について定義されていました。

むだが無く、やってのける。
このためには何が必要でしょうか。

むだがないということは、様々な選択肢(情報収集、複数方法論を考える)を創造力を働かして考え、そのうち最適なものを選択及び計画立案、そして目標に向かって計画に基づき臨機応変に修正を加えながら、効率的に動くとイメージしてもいいかもしれません。
そして、やってのけるには、積極的な行動推進と責任感、強い意志が必要です。
また、目標を達成した際はそれを成果として、周囲に認めさせるための説得力も必要でしょう。

このように要領について考えますと、単なる口八丁ではなく、意志決定のための思考、計画立案、行動推進、チェックと修正、成果を上げる、その成果について論理的に話し周囲を納得させる等様々な能力が要求されていると思うのです。

いずれにしても、積極的に、自分が前に出ていく姿勢が大切です。

さて、今回なぜ、このテ-マについて書いたかですが。
現在私は就職支援のカウンセラ-として月~金は非営利団体で勤務をしていますが、実際には組織の一部を管理しており、成果についてよく考えます。
成果については数値管理を行いますので、どの数字を捉え、どう加工するか、そして、どう結論づけるか、どう話すか。
多少の要領も要求されています。
実際に自分でも要領は多少はよい方と思っています。

しかし、私はサラリ-マンを14年3ヶ月しておりましたが、サラリ-マン時代はまったく要領はよくありませんでした。

では、今と昔。何が違うかです。

一言でいいます。
仕事に対する、取り組み姿勢です。

サラリ-マンをしていた頃も中間管理職で働いていたのですが、仕事に対する熱意はなく、消極的だったと思います。
仕事は事務で数値目標が本部からくるのですが、「ふ-ん」という感じで目標を見ていました。
どうでもいいかという感じだったと思います。
でも、その原因を考えると、好きな仕事ではない。やらされている感じ。
もっと根本的な問題として自分の人生を生きていないと感じていました。

その後カウンセラ-を目指し、自分の納得出来る人生を送るために、14年3ヶ月勤務した会社を退職しました。
会社を辞めたあと、自分の人生は自分で開いていかなくてはならず、様々な体験を通して、自分自身に肯定的なイメ-ジを持てたと思います。

そして、その自分が今、仕事に対してどのように取り組んでいるかです。
組織ですので当然目標もありますが、大切なことは、自分に何が出来るか、それは目標外でも常に考え、出来ることは何事も積極的に行う姿勢です。
そして、これは目立つことばかりではなく、共有部等目立たないことについても考え取り組む等、自分の足元もきっちり見る必要があるのです。
さらには、何をすれば組織に貢献出来るか、求められるであろう結果数値を先に考え、求められる前に把握すること。そして、その数値を成果として論理的にPRすることも大切です。

常に自分に何が出来るかを考え、何事にも積極的に取り組す。
目立つことばかりするのではなく、目立たないことにも取り組む。
事に仕えるのです。
これが、私が常に意識している仕事に対する取り組み姿勢です。

さて、要領に話しを戻しますと、自分が何事も問題意識を持ち、何事も主体的、積極的に取り組みますと、自然と要領がよくなってしまいます。
すべて先を見据え考え、行動しますので、結果として要領がよくなってしまうのです。
要領がよい人は得をする。
言葉を変えると、要領のよい人は評価されるのだと思います。

でも、それはそれでそりなりの努力をしているのです。

要領がよいとは、常日頃の努力の結果であると私は思います。