ひきこもりから社会復帰を目指して

心が限界まで傷ついた彼らは、自分を守るために家や部屋にひきこもることを決断します。
そして時間がたち彼らも社会復帰、回復を考え目指します。
それでは、ひきこもりが社会復帰、回復を果たすことにおいて一番大切なことは何でしょうか。

様々の文献があるので、何が大切かと問うと難しいような気もしますが。

それでも、ひきこもりからの回復において一番大切なことは、ひきこもっている本人の社会復帰をしたいという強い気持ではないでしょうか。
それはひきこもっている本人に周囲がどれだけ説得をしても、前に進まないことからお分かり頂けると思います。
本人がその気にならない限り前に進むことはないのです。

そして、ひきこもっている本人が社会復帰をしたいと思うと同時に、その気持と行動をサポートしてくれる人々との出会いが大切であると思います。

ひきこもっていた本人にしても、自分1人の力で社会復帰にチャレンジすることには強い不安を感じていると思います。やはり自分を温かく迎えてくれる人や環境があることは心強いでしょう。

さて、この社会復帰については段階があるようです。

① ひきこもりの方が集まっているコミュニティー等に参加をする。
② ひきこもりの方以外との人間関係を深める。
ボランティアに参加、アルバイトで働く等。
③ 正規の仕事に就く。

この社会復帰の段階ですが、コミュニティに参加、ボランティアに参加、アルバイで働くことについては、人との出会い、励ましがあれば勇気づけられ前に進めると思います。
また、これらの経験から人の暖かさ等に触れることが出来れば、部屋や家の外にも安全な居場所があると思うことが出来、ひきこもりからの回復に大きくつながるでしょう。

ここまでは何とか本人の努力と、周囲の暖かさに支えられて回復出来そうです。

しかし、難関は次です。
それは正規の仕事に就く。
これはその人の抱える事態によっては難しいことだと思います。

なぜならば、面接に来た人を採用するか否かは企業が判断するからです。
企業が面接に来られた方に対して確認することは、何が出来るか、職歴の確認です。
したがって、ひきこもっている期間が長く職歴がない方は極めて苦戦を強いられます。

企業は面接に来られた方がなぜひきこもっていたかという理由には興味を示しません。
ひきこもりの事実はマイナスとして捉えるだけです。
(企業が人を雇用するということはその人に投資をするということです。企業は目の前の座っている面接に来られた方に投資をする価値があるか、ないのかによって採否を判断します)。

また、企業の人事担当者は面接に来られた方に興味がなければ、面接を数分で切り上げるかもしれません。
また面接担当者はひきこもりからの回復を目指す方に、きつい一言を浴びせるかもしれないのです。

これら企業や面接担当者から受けた行為により、ひきこもりからの完全回復に向けて面接に臨んだ者は、深く傷つくかもしれません。

「自分の存在が否定された」ようだと。

そして、この事態が面接に行くたびに続く限り、気持は落ち込み、傷は深まり、再度ひきこもることを決断されるに至るケースもあるのです。

もちろん同じひきこもりの経験を抱えておられた方でも正規就業を果たす方もおられます。

何が正規就業の可否を分けるのでしょうか。
以下の点が大きく影響しているのではないでしょうか。

① ひきこもりの期間の長さ
② ひきこもりからの回復しようとする年齢が何歳であるか
③ ヒューマンスキルの有無
④ 過去の職歴の有無
⑤ 資格保有の有無

① ひきこもり期間の長さ
ひきこもり期間が1年と10年では当然企業の見る目は違います。
ひきこもり期間、無業(アルバイトもしていない)期間が10年以上続くと正規就業は鬼のごとく就職活動を頑張らないと厳しいと思います。

② ひきこもりからの回復しようとする年齢が何歳であるか
23歳で社会復帰を目指すのと、35歳で社会復帰を目指すのとでは、これも当然企業の見る目は違います。

ひきこもりの期間の長さと、回復を目指す年齢は対で考えれば良いと思います。

③ ヒューマンスキルの有無
ヒューマンスキルとは社会性です。人との関わりにおいていかに振る舞うか、いかに自己表現をする能力があるかです。
笑顔、立ち居振る舞い、コミュニケーション。
これらのことはモデリング(他者の行動を見て学ぶ)からも学習出来るのですが、部屋や家にひきこもっていると、当然他者との関わりが薄く、社会性の学習の欠如にもつながり、回復にはマイナスです。

④ 過去の職歴の有無
何が出来るかです。ひきこもる際には職歴があったとしても、ひきこもりの期間の長さによっては、職歴が評価されないこともありますので注意が必要です。

⑤ 保有資格の有無
資格は直接雇用につながらないかもしれません。しかし資格によっては独立も可能です。


いろいろなことが複合的に関連し合って、ひきこもりより無事正規就業を果たされる方もおられると思います。

しかし、面接に行くたびに不採用の連絡を受け続けてしまいますと、「自分は社会に必要とされていない」と自己存在の否定の気持を持ってしまう方もおられるかもしれません。

しかし、諦めないことです。
前向きな気持ち、正直さ、誠実さが伝われば、必ず、縁ある人との出会いはあると、信じること。
気持ちが大切だと思います。