カミングアウト 重要性とリスク

自分が何らかの悩みを抱え続けている時、その悩みを友人、仲間にカミングアウト(話す、相談)することにより、その悩み、また悩みを抱えている自分が受け入れられた時、その瞬間、自分にOKを出せ、または、悩みや、自己否定のループから抜けだせることが多々あります。

例えば対人不安、人との関わりについて悩んでいる方が、その悩みを友人、仲間にカミングアウトをして、多くの人がそのことで悩んでいることを知ったり、または、受け入れてもらえる経験をすることにより、その問題が緩和されることもあります。

テレビ番組では、トランスジェンダーの悩みを抱えている方が、カミングアウトを行い、受け入れられ、肯定されたことにより、今の自分を認めることができたり、先に進むことが出来たり等、カミングアウトの効果は、よく知られているところです。

カミングアウトは、他者に自分が認められ、自分にOKを出せる効果があるのです。

しかし、カミングアウトには高リスクがあります。

それは、友人、仲間がその悩みを受け入れてくれるどうか、カミングアウト後、否定、拒絶される可能性もあるのです。

したがって、カミングアウトはその相手が信頼出来る相手かどうか、見極めなければならないのですが、どうやって見極めるか、これは難しい。

もし、カミングアウト後、否定、拒絶の反応が返ってきたとしたらら、その友人、仲間は真の、友人、仲間ではなかったと考えてもいいでしょう。

なぜなら、自分の抱えている悩みを精一杯、誠実に話したのに対して、拒絶や、冷たい反応を返すということは、あなたのことを分かろうとする気がない人達であり、この時点で、彼らと今後付き合うことは難しいと感じられるのです。

そして、今後はまた新しい友人、仲間を見つけることが大事になると思います。

間違っても、否定された自分を否定することなく、最善を尽くしてカミグアウトをした自分をほめ、分かろうと努力してくれなかった、彼らの方に事情がある、縁がなかった人達と考えればいいと思います。

自分の勇気を否定することなく。

さて、私がカミングアウトでもっとも懸念していることが2つあります。

1 親に対して抱えている批判的な感情のカミングアウト
2 あまり知られていない 心の病気に対するカミングアウト

1 親に対して抱えている感情、怒り、否定、批判のカミングアウト

親との関係性は人様々です。親子関係、親が子にしてくれたことも様々です。
人によっては、親からの言動等により、心に傷を受け、心に問題を抱え、生きておられる方も多々おられます。

しかし残念ながら、親の否定、批判の話しを分かってくれる人は少なく、多くの人は、「親はそんなつもりではなかった。それでも親だ。感謝しよう」と話される方が多いのも事実です。

これは自分の親子関係をその支柱として話しを聞いており、親子関係、家族関係での機能不全を経験しておらず、自己認識レベルにおいて規格外の、親の存在や、関係性があるとは理解出来ないのです。

親子間の問題、抱いている感情等について話しをしたいのであれば、お付き合いしている友人、仲間ではなく、同じ悩みを抱えている人の集まり(アダルトチルドレン自助会等)に参加して、話しをした方が安全であるように思います。

もつろん、親子関係、機能不全家族の問題を経験された友人がおられるのであれば、話してみる価値はあると思いますが・・・

2 あまり知られていない 心の病気に対するカミングアウト

「うつ病」を患っていることをカミングアウトされても、今の時代、うつ病に対する理解も深まり、友達、友人も理解を示すと思いますが、(親世代は根性論優先で無理解かもしれません)、しかし、私が患ってる、強迫性障害。
まだまだ、一般的には理解されていません。

強迫性障害は複雑です。おそらく経験されていない方にカミングアウト、話されても理解して頂けない確率の方が高い。
したがって、この問題のカミングアウトも同じ悩みを抱えている人が集まっている場で話される方が望ましいでしょう。
強迫性障害で悩み苦しんでいるのは、自分だけではないことを知ることも出来ます。
また、ともに良くなろうとする仲間を見つけることも出来ます。

抱えている心の病気については、慎重にカミングアウトをする相手を選ばなければ、確実に自分が傷つきます。

経験したことがない人には、全く分からないこともあるのです。

さて、人から受けた傷、人から受けた心の傷(問題)は、人を通して癒すことが一番効果的な方法です。
そのために、カミングアウトは重要です。
人から理解された、分かってもらえた安心感は、自己存在のOK、自己肯定にもつながり、これからの生き方を変える力、また、生きること、そのものの力になると思います。

しかし、誰にカミングアウトするのか。
誰に話すのか、相談するのか。
その相手は慎重に選ばなければなりません。