恋愛破局 その辛さ(カップルのアイディンティティの崩壊・恋愛依存)

恋愛における破局。誰でも辛いものです。
でもなぜ、かくも辛いのでしょうか。

恋愛ですから必ずパ-トナ-がいるわけです。
パ-トナ-と別れることが、なぜそこまで辛いのか。

辛さを考える前に、恋愛の意義について少し考えてみましょう?

まずは、パ-トナ-がいない時を考えてみましょう。
あなたはパ-トナ-がいない時、どのように気持ですか。または、どのような気持ちだったのでしょうか。

たぶん、「淋しい」「パ-トナ-と知り合いたい」「早くハッピ-になりたい」等、パ-トナ-との出会いを切実に望んでいる(いた)のではないでしょうか。 と、言うことは私たちはパートナ-を見つけ、一緒になりたい気持ちを自然と持っているのです。

でも、なぜパ-トナ-、恋人、恋愛をここまで欲するのでしょうか?

心理学では心理的な「健全」について次のように言います。「私たちは1人でも楽しめます。また、2人でも分かち合い楽しめます」「私は1人でも大丈夫です」 これは定義です。理屈はそうなのでしょうが、例え1人でも楽しめます、1人でも大丈夫と、自己宣言したとしても、その気持ち、心の欲求としてはパ-トナ-、好きな人、恋人には側にいて欲しいと思うのが本音だと思います。

では、なぜ私たちはパ-トナ-を求めるのでしょうか。
虚しさを埋めたい、孤独から逃れたい、楽しみたい、分かち合いたい、セックスがしたい等様々です。
どこまでが健全な理由でパ-トナ-を求め、どこまでが不健全な理由でパ-トナ-を求めているのでしょうか。
これは難しいです。

今回恋愛における破局の辛さをテ-マとして書いています。
そこでよりテ-マを限定したいと思うのです。
そうしないとテ-マが大きすぎて書くことが難しくなるのです。

今回は「恋愛における、カップルのアイディンティティと破局」をテ-マとして書きたいと思います。

アィディンティティとは自分とは何者であるか、その存在証明のことです。
そして、恋愛においてはカップルは2人で1つのアイディンティティを形成するのです。したがって、カップルは2人で1つの存在証明を行っているのです。
より正確に言うとカップルを形成している1人ひとりが、カップルを形成することで自分のアイディンティティをさらに獲得するのです。

「だれだれの彼氏(彼女)」「彼に尽くす私」「綺麗な彼女と付き合っている俺」「彼と週1回のデ-トが楽しみな私」・・・。
様々なカップルが存在して、カップルの数だけカッブルに参加する人の数だけアイディンティティが存在します。
問題は自分自身のアイディンティティを持っていない人が、カップル形成により、自らのアイディンティティを獲得しようとする場合です。

自分のアイディンティティを持っていないとはどのような場合でしょうか?
「自分が何のために生きているか分からない」「自分とはと聞かれても答えられない」「自分の好きなこと、したいことが分からない」等々、自分とは何者か、自分が何を考えているのか、自分は何を感じているのか分からない人たちのことです。

これは何を意味するのでしょうか?
自己存在の不確実感です。
生きているということに対する空虚感ではないでしょうか。

したがって実体のない自己、アイディンティティのない自己のアイディンティティを獲得するために、カップルを形成しようとするのです。
愛する、愛されるを問わず、、彼もしくは彼女と一体となることに執着して、恋愛にのめりこみ、自己存在の虚しさ、苦痛の解放を図るのです。

すなわち「恋愛依存」です。

さて、破局についてです。
恋愛においては様々なカップルが2人で1つのアイディンティティを形成します。
先の定義、心理的に「健全」であろうが、なかろうがです。
ですから、誰でも破局は辛いものなのです。

今まで2人で楽しんでいたことが出来なくなる、楽しかった時間はもう味わえない、過ぎ去った時間に対する悲嘆等、様々な辛さを体験します。
そして、1人に戻っていくのです。

しかし、これが自分を持っていない、「恋愛依存」の場合の破局はさらに強烈な痛みを伴うのです。
それは、カップルになることにより、パートナ-と一緒にいることにより、自分のアイディンティティを築いていたわけですから、破局、1人になるということは、自らのアイディンティティの崩壊を意味するのです。

自分を喪失するのです。

パ-トナ-と一緒にいることから得られる安心感、自己価値の獲得、存在意義、何でも決めてもらえる安全感、すなわちパ-トナ-にしがみつき、パートナ-と同化することによって、自分自身を形成していたのですから、パ-トナ-と別れ、もとの自己存在の希薄な状態に戻ることは耐えられないのです。
虚無の地獄へ戻るようなものなのです。

「恋愛依存」とは自分の存在価値をパ-トナ-に委ねてしまう症状でもあります。
自分の存在価値を相手に委ねてしまい、自身のアイディンティティを形成するのです。したがってパ-トナ-のいない自分は無価値となってしまいます。

カップルは2人で1つのアイディンティティを形成します。
でも、それは自分自身のアイデインティティを形成したうえで、カップル、恋人、夫婦としてのアイディンティティを形成した方が健全なのです。

自分のアイディンティティを獲得するために、パートナ-、恋人を得る、結婚の道を進みますと、そのアイディンティティを失いたくないために、パ-トナ-に幸せの鍵を渡してしまうのです。

その結果パ-トナ-と常にいたい欲求が強く、見捨てられることへの不安も増大して、2人の関係性を維持するために、自分の本当の気持ちを抑圧したり、パートナ-を支配しようとしたり、様々な心理的葛藤も経験するでしょう。

「恋愛依存」からの回復には、まず自分自身のアイディンティティを築くことが重要なのです。