秋子さんと良男君の恋愛物語/秋子さん編

秋子さんは26歳、良男君は28歳。2人は恋人同士、付き合い出して2年ですが、最近うまくいっていません。
秋子さんは今回もいつもと同じように恋愛が実らずに終わってしまうことを恐れています。
話しを聞くと秋子さんのパ−トナ−選びと、恋愛の破局はいつも同じパタ−ン。
驚いたことに現パ−トナ−である良男君もいつも同じパタ−ンの恋愛を繰りかえしていたのです。

なぜ、2人はいつも同じ恋愛パタ−ンを繰り返すのでしょう。
今回は秋子さんの恋愛パタ−ンとパ−トナ−選びについて見ていきましょう。
(良男君については2号にてお話しをします)

index

  • 恋愛の始まり
  • 恋愛中
  • 破局のきざし
  • 問題は
  • なぜそうなるのか
  • どうすればいいのか

a.恋愛の始まり

秋子さんは26歳。仕事はOL。
見た目はおとなしく頼りなげで、甘えたな感じのかわいい女性です。
2年前に友人の紹介で良男君と知り合いました。
良男君は28歳、一流商社に勤めるエリ−トサラリ−マンで、スポ−ツ万能、多趣味で友人もたくさんいます。
2人は一目でお互いに気に入り、付き合い出したのでした。

秋子さんによると付き合い出した頃の良男君は大変優しく、車での送り迎えはもとより、たいていの秋子さんの願いは叶えてくれました。
願いといってもたいしたものではなく、「いつも一緒にいたい」「毎日電話で話したい」など、とにかく、常に彼の存在を感じていたいということです。

秋子さんにとって良男君は「待ち望んでいた人」「自分のすべてを分かってくれる人」だそうです。

b.恋愛中

付き合い出してからは月日が夢のようにあっという間に過ぎていきました。デ−トは毎週。良男君が企画をして秋子さんがくっついて行く。主導権は良男君にありました。

秋子さんは本当は毎日でも良男君に会いたかったのですが、2人とも働いており、そうはいかず、その替わり毎日電話・メ−ルでデ−トをしていました。
電話代だけでも月数万円はかかったそうです。

この期間、彼女は本当に彼に好きなだけ甘えていたようです。
どこに行くのも、何をするにも、どんな遊び、何を食べるか。
何でも彼に決めてもらっており、彼女の言葉を借りると「お兄ちゃんと一緒にいるみたい」な感じだったそうです。

とにかく一緒にいたい。
甘えたい。
離れたくない。

c.破局のきざし

付き合いだして1年9ヶ月がたった頃より、徐々に良男君の態度が変わったようです。
「冷たくなった」「休日も友人とテニスやゴルフをして、会ってくれない」「電話で話す時間も短かくなった」「電話をかけても忙しいと切られる」など。

とにかく、会ってもらえずに淋しい。
秋子さんは良男君に他に付き合っている女性が出来たのではと思いましたが、その形跡はなく、良男君の心変わりはまったく理解出来ないのです。

秋子さんは、1ヶ月前、どうしても良男君に会いたくて、一度彼の会社の前で彼を待っていました。
仕事が終わって出てきた彼に声をかけたら「そういう態度が嫌なんだ」と怒鳴られたそうです。なぜ、怒鳴られたのか秋子さんには分かりません。

いずれにせよ、このままだと2人の恋愛は終わってしまうでしょう。

d.問題は

さて、なぜ良男君は秋子さんを避けるような態度をとりだしたのでしょうか。良男君に聞いてみました。

「あいつは何も出来ない」「遊びに行く場所も決められないし、レストランで自分の食べたいメニュ−も決められない。
俺があいつの分まで決めないといけないんだ」「疲れた。それに毎日電話をしても話すことがない。電話代も高すぎる」「束縛されているようだ」「何よりも何にも出来ない子供と付き合っているようで嫌だ」

どうも、だんだん良男君は秋子さんのことを心よく思わなくなってきたようです。
そう、秋子さんと距離を置きたいのでしょう。

問題の原因として2つ考えられます。

1.秋子さんが良男君に甘えすぎるということ
パ−トナ−に甘えすぎるということ=パ−トナ-を束縛するこの等式が成立します。
誰でも束縛を感じると窮屈なものです。
恋愛初期は気にならないかもしれませんが、ずっとではどうでしょう。
2.秋子さんが自己決定すべきことを、すべて良男君に決定させているということ
自己決定するということは自己責任を取るということです。
遊びに行きたいところ、食事のメニュ−の希望などは本来その人にしか分かりません。
すべてをパ−トナ−に押し付けては、良男君の言う通り疲れるでしょう。

e.なぜそうなるのか

なぜ秋子さんは良男君に、こうも子供のように甘えてしまうのでしょうか。
秋子さんに話しを聞いたところ次のことが分かりました。
→子供の頃、両親が忙し過ぎて構ってもらえなかった。
ずっと淋しかった。だからいつも一緒にいたい。

私はカウンセラ−として、この子供の頃の満たされない淋しさが、秋子さんのうまくいかない恋愛の原因だと考えました。

子供の頃、親から十分な愛を得ずに育った大人の恋愛には、共通のパタ−ンがあります。

1.パ−トナ−が自分のすべてを満たしてくれるという幻想を抱く
子供の頃味わい続けた淋しさをパ−トナ−が満たしてくれるという期待があります。
これは、パ−トナ−が親の如く全能であり、秋子さんを孤独地獄から救ってくれるという期待です。
したがって秋子さんは子供のように、子供の頃に満たされなかった思いを良男君に満たしてもらおうと甘えてしまうのです。
更に深層心理に踏み込むと次のようなことも考えられます。
自己の無価値感をパ−トナ−が引き上げてくれる。
子供の頃親に愛されていないと感じると、その子供は自分は親に愛される価値もない、生まれてこなくてもよかった子と、勝手に思いこんでしまう傾向があります。ここに自己価値の低さが発生します。
この低い自己価値をパ−トナ−によって高めてもらいたいという気持ちもあると思います。
パ−トナ−に甘え依存することによって、自分は愛される価値のある人間であるということを確認するのです。
2.見捨てられることへの不安
子供の頃親の愛を得られなかったということは、親から見捨てられたように感じ成長します。
この経験は恋愛において常に自分が見捨てられるのではないかという不安として現れます。
秋子さんにとって親のような良男君に、親と同じように見捨てられるのではと不安を抱き、常に彼の存在を確認したかったのでしょう。
3.慣れしたしんだものへの愛着
人間は習慣の生き物です。
無意識のうちに秋子さんは自分の両親と似た雰囲気のパ−トナ−を選んでいるのかもしれません。
秋子さんの両親は忙しくてあまり秋子さんに構ってくれませんでした。
実は冒頭にも記述しましたが、良男君もエリ−ト、多趣味とかなり忙しい男なのです。
無意識でしょうが、親と同じようなあまり構ってくれそうもない人を、パ−トナ−に選んでいる可能性もあります。
(実は以前付き合っていた男性も、彼と同じように忙しい人だったそうです)

f.どうすればいいのか

秋子さんはどうすれば豊かな恋愛を出来るのでしょうか。

自分を知ることだと思います。
自分の性格傾向、それに基づく依存傾向。
依存傾向については態度の問題ですから、変容は可能です。
性格については、過去(子供の頃)を振り返り自分は親にどうしてもらいたかったのか。そして、それを今過剰に求めていることの認識。
更に、大人の自分は生きて愛される価値を十分持っており、人から見捨てられることに過剰反応する必要はないこと。
こういったことを一つ一つ整理することが大切だと思います。そして、自分で自分を生きる価値のある大切な人間であると、納得、受け入れることです。
そうすれば、パ−トナ−に過剰に求めすぎることはないでしょう。