愛している人なら、その人の嫌なところも好きになるはず

先日知人のAさん(女性 28歳)と雑談中「愛している人ならその人の嫌なところも、受け入れて好きになれますよね」と質問を受けました。
※嫌いなところとは、その人の行動面・行為のことです。

私は即座に「そんなの無理」と返事をしてしまいました。カウンセリング中でしたら「どうしてそう思うの」と聞き返すのですが。

でもなぜ彼女が「愛しているのなら嫌いなところも好きになれる」と思っているのか私は不思議でなりません。
嫌いなところをはっきり意識したうえで好きになると宣言しているわけですから、かなり無理があります。
おそらく、この考え方の根底には、「愛とは相手のすべてを受容すべき」という思いがあるのでしょう。

もちろん愛に対する思いは人によって各々ありますから、それはそれでいいのですが、カウンセラ−の立場から考えると、自分を幸せにしない、苦しめる思い込みは心理の側面から見るとよくありません。

ここでの一番の問題は、相手の嫌なところを感じ認めながら、それを愛そうとする行為です。
「それはAさんのプライバシ−のことだから、それでいいじゃないか」と言われるかもしれませんが、はたしてそのような思い、愛が長く続くでしょうか。
→嫌なところを我慢して付き合うのですよ。
ここでの我慢とは彼が嫌な行動をした。それを感じてもその気持ちを抑え顔や態度には出さずさらには否定的感情を無視して、別に気にしていないという態度や、ニコニコした態度をとる。これをやり続けるとということは、心の中を自然に流れる嫌という感情を抑え続けるわけですから、まず、ストレスが溜まるでしょう。そして、時が経つにつれ我慢することもしんどくなると思います。

具体例をあげてみましょう。
Aさんは彼が一緒にいて鼻を鳴らすのを生理的に不愉快と感じています。
デ−ト中彼は何回か鼻を鳴らします。Aさんはそのたびごとに不快感を感じますが我慢して耐えています。

まず、これが続くと我慢し続けることからストレスを感じるでしょう。
更に人間とは不思議なもので、嫌ということを認識してそれを我慢すると、それを我慢しなければならないという意識とストレスから、また、彼が鼻をならすのではないかということを恐れ(恐れとは彼が鼻を鳴らし不快感を感じ、かつ、自分は我慢しなれればならないということに対して)彼の態度(また鼻を鳴らすのでは、またはその前兆)に注意集中して神経過敏になるのです。
神経過敏はイライラのもとです。

したがって彼が鼻をならすたびにますます神経過敏とストレスからイライラがつのり、ついには彼と一緒にいること自体が嫌になってくる可能性があります。また、我慢し続けているので怒りも溜まっているでしょう。
どこで大爆発するか分かりません。

以上を整理すると

  1. 相手の嫌な行動・行為を我慢する
  2. 我慢よりストレスが溜まる
  3. また、嫌なことをするのではないかと恐れ、相手の一挙一動に注意集中・神経過敏になる。
  4. イライラの発生
  5. 相手に対する嫌悪感を抱く。もしくは大爆発

このように考えると相手の嫌なところを我慢し続けることは恋愛において有意義とは言えません。まして、その嫌なところまで愛するなんて無理なことはこれでお分かりいただけたかと思います。

相手に直して欲しい行動面、行為があるならば、相手を傷つけないように言った方がはるかに豊かな恋愛が出来ると思います。なぜAさんが愛とは相手の嫌なところまで好きになることと、思い込んでいるのかは分かりませんが、我慢することの有害性は今度会った時に伝えるつもりでいます。