前回は、過剰適応、不適応について簡単に紹介しました。
前回も書きましたように、どちらも他者からの否定的評価や嫌われることを恐れています。
過剰適応は対人スキルがありますが、不適応は対人スキルが低いことも問題の1つとなっています。(もちろん、対人スキルはあるのだけれど、人からの否定的評価を恐れ、スキルを発揮出来ず不適応になっている方もおられると思います)
したがって、適応への道は次の2つがポイントです。
1 嫌われることの恐れに対して考える
2 対人スキルの獲得
1 嫌われることに対して考える
なぜ、それほど否定的評価、嫌われることを恐れるのかよく考えてみてください。
そして、周囲全員から高い評価を得ること、好かれることは可能なことなのでしょうか。
そのような人は世の中に存在するのでしょうか。
不可能なことにチャレンジしていませんか。
また、仮に誰から否定的な態度を取られたとしても、それはあなたがそう感じているだけかもしれないのです。
事実かどうかも分からないのです。
自分の頭の中で、嫌われたかもしれないと事実無根の結論を出し、堂々巡りの悩みや不安でエネルギ-を浪費していませんか。
また、嫌われることの恐れに対しては、仮に嫌われたとしても、本当にそれが恐れるに値するものか、また、何を持って他者から否定的評価を受けたと感じているか、現実観点からじっくり妥当性を考える必要があります。
2 対人スキル
対人スキル。
この言葉の意味をお分かりですか。
対人スキルとは社会で人と接するにおいて、妥当とされる対人行動(言葉・態度)のことです。
例えば人とのコミュニケ-ションの場で挨拶が出来る、自然と雑談が出来る、自分の要望は相手の気持ちを大切にしながらも主張出来る、更には人が笑っているなかでそんなにおかしいとは思えないけど笑顔を出す等。
要は自分にこだわりすぎず、自分を大切にしながらも、社会、周囲に合わせた言動が出来るかどうかなのです。
この対人スキルは文字通りスキルです。
スキルは学習、訓練により身につけることが可能です。
カウンセリングにおいても、対人スキル、自己主張の訓練を行えます、また、グル-プでそのような訓練を実施しているところもあるでしょう。
しかし、最も身につく訓練は実生活における、社会生活を営むなかでの訓練です。
でも、いきなり何のスキルも持っていないのに社会で実践をするのが怖いと思われるのでしたら、事前にカウンセリングや訓練の場で予習をして、多少の自信を得てから社会でその訓練の成果を発揮していいかもしれません。
再度書きます。
対人スキルはスキルです。
必ず学習出来ます。
身につけることが可能です。
そして、身につけたスキルを社会生活で発揮。自分は出来ると自信を培うことが大切なのです。
過剰適応も不適応も、共に適応していない意味においては不適応です。
「適当」がいいのです。
気楽な気持ちで。