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忘れることの大切さ:忘れる力は生きる力となる

私たちは、覚えておくべきことは確かに記憶しておく必要があります。
しかし、人生においては、忘れた方が良いことも数多く存在します。

特に、嫌な思い出や不快な記憶は、できるだけ早く手放したいものですが、どうも人は、そうしたネガティブな出来事を強く記憶してしまう傾向があるようです。

「メンタルが強い人」という言葉の真髄はどこにあるのか、その本質を捉えきるのは難しいものですが、一説には、「今日起こった嫌な出来事を上手に忘れられる能力」を持っている人が、真にメンタルが強いと言われることがあります。これはつまり、嫌なことを意識的に考えない、思い出さないように自分を律し、それを実行できる「忘れる力」があるということでしょう。

忘れる力:忘れる力は生きる力

Index
1.嫌なことほど強く記憶してしまう傾向:意識的な転換を
2.忘れる力は前進する力:クリエイティブな活動における効用

1.嫌なことほど強く記憶してしまう傾向:意識的な転換を

私たちは、一度嫌な出来事が起こると、「また同じことが起きるのではないか」と不安になったり、その出来事が自分に起因していると感じると、必要以上に反省したり、自分を責めたりしがちです。
これでは、忘れるどころか、その記憶をより強く脳に刻み込んでしまいます。

では、嫌なことを忘れるためにはどうすれば良いのでしょうか?

実は、私自身も嫌なことを手放すのは得意な方ではありませんので、完璧なアドバイスはできませんが、一つ有効だと考えるのは、嫌なことを思い出したら、意識的に他の何かに注意を向けることです。

テレビを見たり、音楽を聴いたり、何か感覚に訴えかけるものでも構いません。

とにかく「嫌なことを意識しないようにする」ことです。

あるいは、意識レベルで「楽しいことを考える」、「知人のことを考える」など、別の思考に切り替える練習も有効です。
そうすることで、嫌なことを考え続けるループから抜け出すことができます。

実際、私たちが日々前向きに進み、健全な毎日を送るためには、過去の嫌な出来事や失敗をいつまでも思い出して不安に囚われていては、前に進むことが困難になります。
嫌なことはさっさと手放しましょう。

嫌な記憶に浸っていても、そこから生まれる良いことなど、何一つないのですから。

2.忘れる力は前進する力:クリエイティブな活動における効用

忘れることは、私たちが充実した人生を送る上で、非常に大切な能力です。

少し視点を変えて、私自身の話をさせてください。

私は文章を書くことが好きです。
私の文章は、思考や思い、論理から生まれてくるものですが、人の思考や思い、論理は、そう頻繁にガラリと変わるものではありません。そのため、このウェブサイトでも、過去に書いたことと同じような内容を、知らず知らずのうちに書いてしまうことがあるかもしれません。

もちろん、過去に何を書いたか全て記憶していれば良いのですが、もし細部まで全てを記憶していたらどうなるでしょうか?

おそらく、「過去の表現と似ていないか?」、「以前と同じことを書いていないか?」と自己チェックが頻繁に入り、文章を書き進めることが難しくなってしまうでしょう。

むしろ、過去に書いたこと、その詳細は忘れてしまう方が、表現の自由度が広がり、よりスムーズに文章を書き進めることができます。

過去記事を調べて、同じ内容の記事を書かないようにすることも可能ですが、そうした事務的な作業は面白みに欠け、時間の無駄だと感じてしまうのです。
その時間があるなら、新しい文章を書くことに集中したい。

どうやら、私の脳は、一度書いた文章や記事の詳細をあまり記憶に留めないようにできているようです。
書いたことは忘れる。

ここで言う「忘れる」とは、思考や思い、論理の核を忘れるのではなく、それをどのように表現したか、その細部を忘れるということです。

「忘れることの大切さ」。
それは、人が前向きに人生を進んでいくために、そして新しいものを創造していくためにも、非常に重要な要素の一つなのです。そして、忘れること、その忘れる力こそが、私たちを前に進ませる「生きる力」になると、私は強く信じています。

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