【なぜ？】お金への執着がもたらす孤独と、満たされない心

「もっと、もっと…」強欲の先に何があるのか

「強欲」と聞くと、どのようなイメージが浮かびますか？

新明解国語辞典によれば、「飽きることを知らない欲心を持つ様子」。
つまり、ひたすら「もっと、もっと」と欲し続ける心のあり方です。

そして、その対象となるのは、やはり「お金」。

なぜ、人はそこまでお金に執着してしまうのでしょうか。
そして、その生き方の先に、何が待っているのでしょうか。

この記事では、お金に執着する心の奥にある心理と、そこから抜け出すヒントについて考えていきます。

Index
1.「お金がない不安」が心を支配する
2.力の誇示は、本当に満たされている証か？
3.「与えること」ができない心
4.なぜ、私たちは強欲な人を嫌うのか？
5.お金では買えない、本当の価値
6.お金に「価値」を与えるのは、あなたの心

1.「お金がない不安」が心を支配する

強欲な人の心の奥底には、過去の経験が深く関係していることがあります。

「子どもの頃、家が貧しくて苦労した」、「お金のせいで、つらい思いをした」

こうした経験から、「もう二度とお金のことで苦労したくない」という強い思いが生まれます。

この思いは、時に人を突き動かすハングリー精神となり、懸命に働く原動力となります。
努力して財を成すことは素晴らしいことです。

しかし、その執着が強すぎると、「お金を失うこと」への恐怖に変わっていきます。

お金はいつしか、自分を脅威から守ってくれる「力」の象徴となり、その力を失うことが耐えられない、もっともっと力を得なければ安心できない、という状態に陥ってしまうのです。

2.力の誇示は、本当に満たされている証か？

お金をたくさん持っている人は、その力を見せつけようとすることがあります。

高価なブランド品や高級車を買い揃えたり、盛大なパーティーを開いて人を招いたり。

一見すると華やかに見えますが、その根底には「これだけのことができる自分はすごい」という虚栄心や傲慢さが隠れていることも少なくありません。

招待客を「もてなす」という行為も、自分の力を誇示するための手段になっていないでしょうか。

本当に心の底から「分かち合いたい」という気持ちではなく、周囲からちやほやされ、優越感に浸るための行動だとしたら、それは決して満たされた状態とは言えません。

子どもの頃に味わった「お金がない惨めさ」を、大人になって「お金がある自分」をひけらかすことで帳消しにしようとしているのかもしれません。

3.「与えること」ができない心

強欲な人は、自分のお金を他人のためには使おうとしません。

困っている人を助けるための寄付や、慈善事業への支援には関心がないことが多いです。
なぜなら、自分に見返りがないお金は「価値がない」と感じるからです。

お金は自分を守り、力を与えてくれるもの。
それを誰かに分け与えることは、自分の力を削ぐ行為だと無意識に考えてしまうのです。

この考え方は、人との関係性にも影響します。

お金でつながる関係は、お金という共通の利益がある間は成立しますが、ひとたびその利益がなくなると、簡単に崩れてしまいます。

4.なぜ、私たちは強欲な人を嫌うのか？

強欲な人を見ると、私たちはなぜか嫌悪感を抱きがちです。

「妬みじゃないか」と言われるかもしれませんが、それは単なる嫉妬だけではないかもしれません。

お金は、私たちの多くにとって「もっとあれば生活が楽になるのに…」と常に意識するものです。

だからこそ、お金を多々持ち、それをひけらかすように使う人を見ると、「自分にはないもの」を突きつけられているように感じてしまうのです。

無意識のうちに「自分」と「相手」を比較し、相手の傲慢な態度や振る舞いに反発する気持ちが、嫌悪感となって現れるのかもしれません。

5.お金では買えない、本当の価値

確かにお金は、人生の多くの問題を解決してくれます。
しかし、お金ですべてが解決できるわけではありません。

友情、愛情、信頼、心のつながり。

これらは、お金では決して買えないものです。

お金を優先する価値観で人々と接していると、本当に困ったときに支えになってくれる、真の人間関係を築くことは難しいでしょう。

もし、事業に失敗したり、財産を失うようなことがあれば、お金でつながっていた人たちは去っていきます。

そのとき、強欲な人はお金だけでなく、すべてを失ってしまう可能性をはらんでいるのです。

6.お金に「価値」を与えるのは、あなたの心

お金を稼ぐことは素晴らしいことです。
それは、あなたが懸命に働いてきた証だからです。

しかし、そのお金に固執しすぎると、かえって孤独な人生を歩むことになりかねません。

では、お金との健全な関係を築くにはどうすればいいのでしょうか？

それは「与えること」を学ぶことです。

「お金が減るのが怖い」と思うかもしれませんが、自分の財力の中で、無理のない範囲で寄付をしたり、誰かの役に立つことにお金を使ってみる。

その経験は、お金の「価値」を再認識するきっかけになります。

「こんなにも喜んでくれる人がいるんだ」と実感することで、お金に縛られていた心が少しずつ解放されていくでしょう。

そして、お金だけで人を判断する価値観から抜け出し、謙虚な心で人と向き合ってみてください。

本当の心の交流は、お金では決して得られません。

あなたは、お金を通して、誰かを喜ばせ、社会に貢献できる「力」を持っているのです。

その力を、自分のためだけでなく、誰かのために使うことで、真の心の豊かさが手に入るのではないでしょうか。

あなたは、お金に縛られた人生と、お金をうまく活用して豊かな人生を送るのと、どちらを選びたいですか？