アダルトチルドレンについて


私はアダルトチルドレンです。
私は幼少期から親子関係・成育歴の問題の影響から続く生き辛さを背負い、経験・克服してきました。
これらの経験をカウンセリングで活かしたいと思っています。

アダルトチルドレンとは何でしょうか?

子供のように大人のことではありません。
また、無責任な大人のことでもありません。

アダルトチルドレンとは親の養育の問題、家庭環境の問題から辛い子供時を過ごし、その傷を癒せぬまま成長した人たちことです。

すなわちアダルトチルドレンは子供時より現在まで続く、親の養育の問題等の影響からくる生き辛さを、ずっと背負っている状態の人のことを示すのです。 したがってアダルトチルドレンとは病気や精神疾患の用語ではありません。

では、何がアダルトチルドレンを生むのでしょうか?
アダルトチルドレン誕生の背景には、機能不全家族と世代間連鎖の問題があるのです。

機能不全家族とは

機能不全家族とは親子間の境界が曖昧、もしくは境界の無い家庭を指します。 ではまず親子間の境界があるとはどのような家庭なのでしょうか? それは親が子供を1人の人間として、1人の子供として、尊重して認める家庭を示します。

しかしアダルトチルドレンの家庭ではこの境界が曖昧、もしくはありませんでした。

具体的には親からの過剰な期待による支配、親の期待を満たした時だけ子供を認める条件つきの承認、過保護、過干渉、無視、ほめない、精神的虐待、他者との比較、暴力(言葉の暴力)等が日々横行し、子供を1人の人間として尊重せず、あるがままを受け入れず、かつその存在が否定されることもありました。

また子供にぐちを聞かせる等、子供を子供として尊重していない親子関係も境界の曖昧な機能不全家族と言えます。

したがってアダルトチルドレンの家庭では、子供が子供としてのびのびと自由に過ごすことが出来ず、子供が安心して過ごすことが出来る自分の居場所がなかったことが共通してあげられます。

また、安心した居場所に関係して考えますと、喧嘩が絶えず怒鳴り合う夫婦関係は、子供に日々恐怖心を植え付け、これも機能不全家族と言えると思います。

このようにアダルトチルドレンは子供時より親から常に脅かされ、1人の人間として、子供として尊重されず、その存在を否定され続けたため、心に深い傷を負っています。そしてその傷は未だ癒されぬまま、今を生きるにおいて生き辛さを感じ続けているのです。

機能不全家族を生き延びるために失ったもの

それは自分、自分の人生です。
私はアダルトチルドレンとは自己喪失の病であると思っています。
自己喪失とはすなわち、自分の人生を生きていないということです。 正確に書くと、機能不全家族を生き延びるために、子供時より常に親を意識して、過剰に親に合わせたり、嫌なことを我慢し続けたため等により、自分の人生を生きることが許されなかったのです。

では常に親を意識して、親に合わせる、嫌なことを我慢し続けるとは具体的にどのようなことでしょうか?

例えば親が支配的で常に親の価値観を子供に押し付けてきた場合、子供はその親子関係、すなわち機能不全家族を生き延びるために、どのように振る舞うでしょうか。

親が支配的ということは、子供が親の言うことを聞かない、すなわち親の支配を子供が拒絶すると当然親は怒ります。

すると子供は怒られ傷つくのは嫌なので、親の支配を嫌々受け入れます。習いたくもない習い事をさせられたり、嫌と言っても分かってもらえないため、自分の気持ちを表現することを抑え耐え続けます。
嫌なことを受け入れ続け、親に合わせるしかなかったのです。
機能不全家族を生き延びるためには他に方法がなかったのです。
そしてこのため、自己抑圧、感情表現をしない等から自分を失っていくのです。

自由でのびのびと、好きなことが出来る子供時を喪失してしまうのです。

そして大人になっても、子供時と同じように、自分を抑え、感情表現や意見を述べることを控え、周囲に合わすことに懸命になって、自分を生きることが出来ないのです。

すなわち子供時、機能不全家族を生き延びるために取らざるを得なかった同じ行動・態度を大人になっても取り続け、周囲との不適応をきたし生き辛さを感じ続けてしまうのです。子供時より継続する行動・態度のパターンと、そのもとである考え方の問題が今の生き辛さに大きく影響しています。

家庭内における子供時の行動・態度のパターン

では次にアダルトチルドレンが機能不全家族を生き延びるために背負った、家庭内での行動・態度のパターン(役割)を具体的に見ていきたいと思います。
今、生き辛さで悩んでおられる方は子供時から継続する行動・態度のパターン(役割)を、今も周囲に対して取り続けているのかもしれません。

頑張り屋

様々な親の期待を背負い、親の期待を満たすために一生縣命です。
そのため自分の好きな遊びもせず、子供として楽しく過ごす時間を放棄しています。
自分の感情を抑圧して、親の期待を満たそうと頑張り続けるのです。
成長しても頑張ること責任を果たすことに自己価値を感じ、完璧を求めリラックス出来ません。

助っ人

家庭の問題を何とかしよう、家族の面倒をみよう、手伝おうと幼いながら奔走します。
もちろん、これらは親よりの要求であることが主です。
自分の必要を後回しにして、家族のために何かをしようと常に考えています。
成長しても自分の必要は後回しにして他者のために懸命になり、燃え尽きてしまうかもしれません。

ロンリー

親や家庭から理解されない悲しみを背負いひきこもります。
悲しみに満ち溢れています。
今でも誰からも愛されてないと思い込み、自分を表現することを諦めています。

ヒーロー

エリートに多いです。
親の虚栄心のために頑張り続けます。
成績優秀であることが価値ある人と思い込み、暖かさを育めません。

マスコット

家中を陽気にします。
本当は悲しくても明るく振舞ってしまいます。
その場に合わした自己表現ばかりしているので、本当の自分の感情が分かりません。
成長しても周囲が暗いと自分のせいと思い、周囲を明るくしようと懸命になり疲れます

いけにえ

機能不全家族を代表して暴れ周ります。体を張って家庭の問題を外に出します

プリンス

ママの素敵な王子様。パパの素敵なお姫様。思いっきりかわいがられます。
親は子供の意思を無視して人形のようにかわいがります。
そのため自発性が培われず受身であり、成長しても主体的に生きることに困難を感じます。

これ以外にも様々な行動・態度のパターンがあると思います。
アダルトチルドレンは子供時に機能不全家族を生き延びるために、これら固定した行動・態度を身につけざるを得ませんでした。
そして、生き延びるために身につけた行動・態度は、これさえしていれば親から傷つけられず、何とか子供時を生きることが出来るという思いがありました。

しかしその反面、本当の自分を表現出来ず、我慢と抑圧をし続け自分を失い、また本当に自分のしたいことにチャレンジをしていないため、そこから培われる自信の獲得にも失敗、これらは人間関係の形成にもマイナスとして影響が出てきます。

さて、私の子供時の家庭内における、固定した行動・態度のパターン(役割)はロンリーでした。
親は私のことを理解してくれず、親から理解してもらうことを諦めた私は、心理的にひきこもったのでした。
理解してもらいたい思いを手放した方が、傷つかず楽だったのです。
そして、成長しても親同様、周囲が自分のことを理解出来るはずがないと思い込み、周囲に対して壁をつくり、心理的にひきこもり、子供時と同じくロンリーでいたのです。

しかし客観的に考えると、成長した今、親に対して取っていた子供時と同じ行動・態度のパターン(役割)を、周囲や自分に対して取り続けているとしたら、それは本当に必要なものなのでしょうか?

アダルトチルドレンの生き辛さの根源

1 自分に対する自信の欠如

自分が自分を信じる、または自分が自分を信頼することは、人生を開くために大切です。 そして、この自分を信じる、自分を信頼するとは思考ではなく感覚なのです。

この感覚は子供時より親からの無条件の愛情を感じることがその基底です。 しかし、アダルトチルドレンは親からの条件づけの承認や愛情表現、存在の否定等の行為により、親からの無条件の愛情を得ていません。

そうすると子供は感じます。
自分は愛されていない。
愛されない自分は価値がないと。

親から無条件の愛を感じなかった子供は、自分が自分を愛することが出来ず、自分を否定してしまいます。
そうすると、自分と自分がつながる感覚が持てず、自分を信じられない、自分を信頼出来なくなるのです。

自分を信頼することが出来ないと、過度に失敗を恐れたり、自己存在の承認を他者に求めたり、チャレンジに対する恐怖より、自分を生きることが出来ないのです。

2 心理的な問題より人間関係が困難

子供時より親からの否定や怒りを受け続けて育ったため、人から否定されること、怒られること、傷つけられること等を過剰に恐れています。
そしてこの恐れは、人が恐いという感覚を伴う対人不安へと発展します。

このような心理的問題を抱えていますと、人から否定されないため、怒られないために、人に合わせ過ぎたり、気をつかい過ぎたり、我慢し過ぎたり、避け続けたり等の行動・態度の継続より適切な人間関係が築けません。

気楽に人間関係を築くことが難しく、人間関係に過剰なストレスを抱えてしまうのです。

3 社会で生きるにための適切な行動・振る舞いの未学習

子供時より親の養育の問題から、親に合わせ続ける言動を取ったり、逆に親とのコミュニケーションが疎遠になったアダルトチルドレンは、適切な自己表現のスキルを家庭内において学習出来ませんでした。
したがって人間関係を築く際に必要な、自分を大切にした行動・振る舞い、コミュニケーションについて未学習の問題が生じています。

4 植え付けられた自己否定や恐怖の感覚

親よりの常日頃よりの暴言、暴力、無視、否定等の虐待に近い行為により、心が潰された結果、根拠のない強固な自己否定、対人不安、親への罪悪感等を感覚的に抱いていることがあります。

顕在意識のレベルでは、自分に対する否定は必要ないこと、人をさほど怖がらなくてもよいこと、意味のない親への罪悪感は必要ないことを理解しています。
しかし分かってはいるけれども、親から植え付けられたこれらの感覚に支配され苦しむことがあるのです。

世代間連鎖とは

アダルトチルドレンを誕生させる根源は機能不全家族です。
そして、その家庭は親がつくりました。
ではなぜ親は機能不全家族を形成してしまったのでしょうか?

実はこれは、親もまたアダルトチルドレンであり、機能不全家族の出であることが多いのです。
端的に書くと、親自身が健全な家族、健全な親子関係を知らないのです。
そして、自分が経験したことと同じこと、もしくはそれに近いことを、子育てを通して子供に経験させているのです。

アダルトチルドレン誕生の背景には親もまたアダルトチルドレンであり、そのまた親もアダルトチルドレンと延々にアダルトチルドレンである可能性があります。
すべての代において、健全な家族モデル、健全な親子関係を学んでいない結果です。

この延々と続く流れを世代間連鎖と言います。

私は思います。
アダルトチルドレンの偉業は、この世代間連鎖の流れを止めることにもあると。

アダルトチルドレンとしての私

さて私についても少し書きたいと思います。
私の母は常に勉強・勉強と言う人でした。しかし私は勉強の出来ない子供でしたので、母にほめられた記憶、認められた感覚はありません。
常に叱られ、過干渉、あらさがしをされていました。

子供時私にとって母は恐怖と、悲しみをもたらす対象であったように思います。
そして母が私を認めていた瞬間があるとしたら、それは私が自分の意思を抑えて、母の価値観に従っている時だけだと思います。
この時は、母は何も言わず、そして何ごともないような時間が過ぎていました。

父についてです。父は過保護で私を溺愛していました。
父は私の宿題を勝手にしてしまったり、口癖が「危ない」であり、私に対する執着は度を越していたと思います。
私は父の溺愛をペットに対する感覚のように感じていたことが多々あります。

また、父は私にピアノを習わせていました。
なぜ父が私にピアノを習わせていたのかよく分かりません。
良い父親象に浸っていたかったのでしょうか?
でも私はビアノが嫌いでした。ただピアノをやめると言って父を悲しませたくないので、嫌という感情を封印してロボットのようにピアノの鍵盤を抑え続けていました。

しかし父とは逆に母はピアノをやめなさいと、常に私に言い続けていました。

父と母まったく間逆のことを私に要求してきたのです。
まさに夫婦間で話し合うべき問題を、私に個々に押し付けてきたのです。
幼かった私は一体どうしたら良かったのでしょうか?

私は親の無理解に失望して、親に対して心を開くことをやめました。
あきらめと孤独です。
親は自分を理解しない、そして誰も自分を理解出来ないと思ったようにも感じます。
そして親とのコミュニケーションもやめたのです。
無理解な親とコミュニケーションをしても傷つくだけですから。

その結果成長しても表情のない、話しが出来ない、無気力な青年(大人)なりました。
また社会的スキルも学習出来ておらず人との協調性もなく、自己否定の感覚も相当強かったように思います。
また成育歴の影響と思いますが、強迫性障害も30年近く患いました。

しかし今ではアダルトチルドレンの問題からは解放され、アダルトチルドレンであった自身の強みを活かして心理カウンセラーとして自分の人生を生きています。
私は特別な人間ではありません。
誰でもアダルトチルドレンからの生き辛さからは解放されると信じています。


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