不確実感とこだわり:その根源は「不安」にある
「不確実感」とは、自分が行った行為に対して「これで本当に大丈夫か?」という確信が持てず、OKの感覚を抱けない状態を指します。
例えば、何かを数え終えて次の作業に移ろうとした時、数えた個数が本当に合っているのか疑問が生じ、気持ち悪さや「もし間違っていたらどうしよう」という強い不安感に襲われる、といったケースが挙げられます。
不確実感と不安について
Index
1.不確実感に基づく反復行為が、不確実感を強化する悪循環
2.不確実感の根源は「不安」にある

1.不確実感に基づく反復行為が、不確実感を強化する悪循環
多くの人は、何かの行為を終えた際、「まあ、これでいいだろう」という感覚を抱き、次の行動に移ります。
しかし、不確実感があまりにも強いと、次の行為に進むことができません。
先の例で言えば、もう一度個数を数え直し始めるでしょう。
この不確実感に基づく行為を繰り返し続けると、皮肉なことに不確実感はますます強化されていきます。
本当に自分が正確に行ったのか、次第に分からなくなり、何度も数え直すといった、半ばパニックに近い状態に陥ることすらあります。
そして、数を数え直すたびに、その「こだわり」が異常に強くなっていくのです。
まるで、不確実感に完全に支配されているかのようです。

おそらく、数え直している本人も、心のどこかでは「大丈夫だろう」という感覚を持っているはずです。しかし、「もし間違っていたら大変なことになる」という強い不安から、どうしても数え直すことをやめられません。
ところが、あまりにも数合わせのこだわりが強すぎると、次の行為や作業に進むことができなくなり、仕事などでは周囲に大きな迷惑をかけてしまいます。
また、本人も数を数えては数え直すというストレスの繰り返しで、精神的にクタクタになってしまうでしょう。
この世の中で、100%確実という状態を追求することは、非常に難しいことです。
もちろん、社会運営上、100%確実でなければ困ることも多々ありますが、個人の日常的な作業においては、例えば個数を数える場合など、2回確認すれば、まずは十分ではないでしょうか。
それに、仮にミスがあったとしても、どこかでリカバリーされる可能性があることを認識していれば、数えることへのこだわりも薄れていくはずです。
完璧主義を手放し、ある程度の「許容範囲」を設定することが、不確実感から抜け出す第一歩となります。

2.不確実感の根源は「不安」にある
さて、この不確実感の根源にあるのは、まさに「不安」です。
「間違っていたらどうしよう」、「責任を問われるのが怖い」、「自分を信頼できない」といった、様々な形の不安が、不確実感を駆り立てるのです。
特に、日常生活において、不確実感から何らかの行為を繰り返し行ってしまう(例えば、鍵をかけたか何度も確認する、コンロの火を消したか何度も確認するといった確認行為)ことで、他のことが何も手につかなくなり、日常生活そのものが破綻してしまうケースすらあります。
自己の不安に基づくこだわりを弱めるためには、必要以上にある行為を繰り返し続けないことが肝心です。「2回確認したらOK。次の行為に進もう」と自分に言い聞かせ、意識的に行動を切り替える練習をしましょう。

あまりにも不安から同じ行為ばかり繰り返して行うと、「強迫性障害」という診断名がついてしまう可能性もあります。
そうなる前に、自らの努力で、こだわり続ける時間を少しずつ減らしていくことをお勧めします。
不安は、未来を過度に悪い方向に想像することで生まれます。
その想像に囚われず、「今できる最善を尽くしたら、あとは手放す」という意識を持つことが、不確実感の呪縛から解放されるための重要なステップとなるでしょう。