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人に何も期待しない心理の背景にあるもの

「私は一切、人に期待しません」。

そうきっぱりと言い切る人たちがいます。
彼らは一体、どのような心の状態にあるのでしょうか。
その背景には、いくつかの異なる心理が隠されていることが多いのです。

人に期待しない心理の様々

Index
1.過去の傷:裏切りと不信感
2.人生への諦め:自分自身への無関心
3.孤独を好む性向:干渉されたくない心理
4.素直になれない本音:助けを求める心のブロック
5.親からの教え:染み付いた不信感

1過去の傷:裏切りと不信感

一度でも人に裏切られたり、騙されたりして、心に深い傷を負った経験がある人は、二度と同じような痛みを感じたくないという強い思いから、「人には一切期待しない」と心に蓋をしてしまうことがあります。

大きな裏切りを経験すると、周りにいるすべての人たちが、自分から何かを奪おうとしている危険な存在に見えてしまうかもしれません。

「すべての人があなたを騙そうとしているわけではない」と伝えたい気持ちはありますが、深く刻まれた心の傷は根強く、再び人を信頼できるようになるまでには、長い時間が必要となるでしょう。

2.人生への諦め:自分自身への無関心

自分の人生の夢を諦め、生きる希望を失い、自暴自棄な状態に陥ってしまうと、もはや生きることすら嫌になり、今後のことなど何も考えたくないと感じる人もいます。

このような境地に達するには、きっと様々な辛い出来事があったと推察されます。

人に期待しないというよりも、自分の人生なんてどうでもいい、人と関わりたくない、という強い拒絶感があるのかもしれません。

「人に相談しても、好き勝手に色々言われるだけで何になるんだ。どうせ何も分からないくせに。自分の人生なんかどうでもいいんだから、放っておいてくれ」。
そんな諦めが、その人の心を支配しているように見受けられます。

しかし、生きていく上で人との繋がりは不可欠です。
今は「どうでもいい」という気持ちであっても、少し心が落ち着いた時に、今の自分の状態や状況を誰かに話してみることは、今後の人生にとって有効な一歩となるかもしれません。

最初から高い期待をせず、まずは誰かと会って、少しだけ相談してみる。
そうすることで、いつかあなたを理解し、支えてくれる人が現れると私は信じています。

人生を投げ出さないでください。
今後の人生がどう展開するかは、誰にも分かりません。
ただ、自暴自棄な態度を取り続けていれば、誰も近づきにくくなり、結局はその心が、望まない現実を作り出してしまうことに注意が必要です。

3.孤独を好む性向:干渉されたくない心理

人生への諦めに近いかもしれませんが、元来、孤独感が強い人(あるいはあえて孤独を選ぶ人)の中には、「人に期待しない」、「近づいてくるな」、「構うな」といった、人に対する強い拒否感を抱いている人もいます。

孤独を好む傾向があり、その雰囲気を周囲に漂わせていると、人は近づきにくくなります。
自分の孤独の根源を見つめ直し、人に助けてもらえるところは素直に助けを求めることで、もう少し人生が楽になることもあるでしょう。

しかし、「孤独が良い」、「一人でいたい」というのであれば、それは余計なお世話かもしれませんね。
生き方と在り方は、その当人が決めるものです。

4.素直になれない本音:助けを求める心のブロック

心に何らかのブロックがかかり、自分の本心や本当の気持ちを素直に表現できない人もいます。
そして、その代わりに、本当の自分が求めている姿とは真逆の態度をとってしまうのです。
結果として、人からの助けも得られず、気にかけてもらうこともできません。

自分が築いた心の壁を少し低くして、素直な心と態度で人に接してみる。
本当は助けて欲しいのに素直に表現できないのは、照れなのでしょうか。
それとも、子どもの頃に親が自分の気持ちを受け入れてくれなかった、否定されたといった心の傷が原因なのでしょうか。

「親には期待できない。親に期待できないのに、他人に期待できるわけがない」。
そう思っていませんか?

過去と現在は違います。親と他者も違います。
昔、あなたを傷つけたような人は、今はもういないかもしれません。
素直に人に助けを求め、少しは人に期待してみても良いのではないでしょうか。

5.親からの教え:染み付いた不信感

子どもの頃から親に「人は信用するな」、「人に期待するな」、「騙されるぞ」と言い聞かされて育った人もいます。
その教えが脳に深く刻み込まれ、無意識のうちに、親の教えの通りに生きようとしているのかもしれません。

しかし、親は何を根拠にそのような教えを子どもに伝えたのでしょうか。
もしかしたら、親自身が人に騙された経験があるのかもしれません。
ですが、この教えを守り続けると、人間関係を築くのが難しくなってしまうのも事実です。

親は何を根拠にそのことを伝え続けたのか、そしてその教えは今のあなたに必要なものなのでしょうか。

簡単に人を信用してはいけないし、単純に人に期待してもいけないかもしれません。
相手は言葉巧みな詐欺師かもしれない。
油断大敵です。

しかし、すべての人が詐欺師ではなく、むしろ善良な人の方が多いと私は思います。
親の教えで人を信用せず、期待しないという信念を持っている方は、その信念が本当に妥当なものなのか、一度検証してみてください。

その信念が、あなたの生きづらさに繋がってはいませんか?

「人に期待しない」と宣言する人は、過去にそれだけの経験をされてきたからこそ、「もうこれ以上、自分は傷つきたくない」という強い思いや決意があるのだと感じます。

しかし、「人に期待しない」と言っても、自分一人でできることには限りがあります。
この事実を踏まえ、今後、人といかに付き合っていくのか。
自分が困っている時に、人に期待しすぎると、失望を感じて傷つくことも多々あります。

ですが、一人では何も問題解決ができない時、本当に困っている時は、さほど大きな期待を最初から抱くことなく、「助けてください」と素直に言ってみるのが良いのではないでしょうか。

どこの誰に、どのように伝えるかは考える必要がありますが、助けてくれる人、支援し、応援してくれる人は必ずいると私は思います。

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