楽観性と悲観性：そのバランスの大切さと重要性

楽観性と悲観性。 これらは、私たちのものの見方や生き方において、まさに対極に位置する言葉です。

では、私たちの人生において、楽観性と悲観性、どちらがより重要なのでしょうか？

人生における楽観性と悲観性について考える

Index
1.楽観的に生きることの危うさ
2.楽観性：冒険心と意欲が人生を拓く
3.悲観的に生きる賢さ
4.悲観的に生きることの危うさ
5.楽観性と悲観性のバランスの大切さ

1.楽観的に生きることの危うさ

まず、楽観性がもたらす危うさやリスクについて考えてみましょう。

楽観性とは、「自分は大丈夫」、「自分には問題が起こらない」といった、根拠のない自信や安全感に基づいていることがあります。
この「根拠がない」という点が、楽観性の最大の問題点となることがあります。

たとえば、「自分は健康で、生涯健康であり続ける」という楽観的な考え方では、人間ドックや健康診断の受診を怠ってしまうかもしれません。

また、医師から健康に関する注意を受けても、「私は大丈夫」という楽観性から忠告を聞き入れず、気づいた時には病気が進行し、命の危険にまで発展してしまう可能性もあります。

このように、楽観性に基づいた生き方は、自分に問題が起こるリスクを軽視してしまう傾向があります。

さらに、仕事などで任されたことに対して、細かい配慮や精査を怠ったり、根拠のない「ビッグマウス」的な発言をしてしまうと、他者からの信用を得るのが難しくなるかもしれません。

このように、楽観的に生きることは、自分に降りかかる可能性のある問題や、自分が負うべき責任に対する問題意識を軽視してしまい、結果的に社会生活上で不利な状況に追い込まれることもあるのです。

2.楽観性：冒険心と意欲が人生を拓く

さて、楽観性が持つ危うさに触れましたが、この楽観性は、根拠のない自信や「なんとかなる」という希望的な感覚に基づいているからこそ、実は人生を切り開き、前に進む上で非常に重要な役割を果たします。

それは、冒険心や前向きに進もうとする意欲に深く関わっているからです。

楽観的であるからこそ、先の見えない冒険に踏み出すことができます。
「何とかなる」。
この根拠のない自信や感覚は、私たちが「前に進むための」大きな原動力となるのです。

私たち人類（ホモ・サピエンス）は、アフリカで誕生し、さらなる発展や希望を夢見て世界中を旅し、今の時代を築き上げました。
これは、もし私たちに楽観的な要素がなければ、決して成し得なかったことではないでしょうか。

楽観性には根拠がありません。しかし、根拠がないからこそ、チャレンジや冒険に対してさほど不安を感じることなく、前進できるのです。

私たちの発展のためには、楽観性は非常に重要なキーワードなのです。

3.悲観的に生きる賢さ

次に、悲観性、そして悲観的に生きることについて考えてみましょう。

一般的には、「悲観的に生きる」と聞くと、神経質、ナーバス、不安感が強いといったネガティブなイメージを持たれることが多いかもしれません。

しかし、悲観性には楽観性と違い、多くの場合根拠があります。

たとえば、新しい事業を始めるにしても、悲観的な人は楽観的な人とは異なり、起こりうるあらゆるリスクを徹底的に考え抜くでしょう。
そのため、悲観的な人は、結果的に失敗の少ない人生を歩むことに繋がります。

しかし、その失敗の少ない人生は、安全に生きることではありますが、同時に人生の大きな冒険や、その醍醐味を味わえない人生となる可能性も秘めています。

悲観的に生きる人は、ある意味、知恵や知識を巡らせて様々なリスクを排除し、安全な人生を送ろうとします。
しかし、その生き方は、楽観的な人に比べて、どこかこじんまりとしていて、心配が優先される、面白みに欠ける人生になってしまうかもしれません。

4.悲観的に生きることの危うさ

悲観的に生きることは、ある意味、賢い生き方であり、失敗を避けることのできる生き方です。

しかし、あまりにも悲観的になりすぎ、リスクの排除や恐れの回避に時間を費やしすぎると、何も行動できない人になってしまう可能性もあります。

考えすぎは行動の抑制に繋がり、結果として何も成し遂げられない人生を送ることになりかねません。

あまりにも悲観的すぎると、様々なリスクや恐れを次々と生み出し、その考え出したリスクや恐れに飲み込まれて、身動きが取れなくなってしまうのです。

そして、考えすぎは常に強い不安を感じさせ、心の病へと発展してしまう可能性もあります。
これでは、人生そのものを楽しむ機会を失ってしまうことにも繋がりかねません。

5.楽観性と悲観性のバランスの大切さ

さて、楽観性と悲観性、それぞれの危うさと重要性について考えてきました。

結論として、私たちは、この対極に位置する感覚である楽観性と悲観性の両方を抱きながら生きることが、最も良い生き方であると言えるでしょう。

なぜなら、楽観的に前に進もうとする際に、悲観的な思考が、その前進のためのリスクや問題を洗い出し、より現実的な選択肢を用意することを可能にしてくれるからです。

そして私たちは、その現実的な選択肢に従って、賢く前進できるのです。

ただ楽観的に何も考えずに前に進むのではなく、また悲観的な考えに足を取られて立ち止まるのでもなく、楽観性と悲観性の両方の長所を上手にミックスすることで、より賢い生き方ができるのです。

この意味において、楽観性と悲観性のバランスの良さが非常に重要になってくるのです。

これは、「現実認識力」に基づいて人生を歩む、と言い換えることもできるのではないでしょうか。