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心理学を学ぶ意義とリスク:その学びを深く考える

「心理学」という言葉に、あなたはどんなイメージを抱きますか?
「心を深く知る学問」と漠然とした興味を持つ方もいれば、「自分自身を変えたい」という切実な思いから学ぶ方もいるでしょう。

しかし、その学びには意義と同時に、知っておくべきリスクも存在します。

今回は、心理学を学ぶ動機を掘り下げながら、その奥深さと共に、潜む注意点について考えたいと思います。

心理学を学ぶ、その多様な動機

Index
1.「心」への漠然とした興味
2.自分を知りたい」「自分を変えたい」という切実な願い
3.他者理解と、その裏に潜む「攻撃性」のリスク
4.人間関係を豊かにしたい
5.仕事におけるスキルアップ(対人援助職など)

1.「心」への漠然とした興味

「なんとなく心理学に惹かれる」、「人間の心って面白い」。
そう感じる方は少なくないでしょう。
10代、20代の頃に純粋な知的好奇心から心、心理学書を読み漁った経験がある方もおられるかもしれません。

この純粋な興味こそが、心理学の世界への第一歩です。
心理学とは、表面的な知識だけで終わらせず、その奥深さに触れることで、新たな発見が生まれる可能性を秘めてる学問でもあります。(どの学問も同様でしょうが・・・)。

2.自分を知りたい」「自分を変えたい」という切実な願い

多くの方が心理学に興味を持つきっかけとして、「自分自身をもっと理解したい」、「今の自分を変えたい」という思いが挙げられると思います。

「なぜ自分はこうなんだろう?」、「社会にうまく馴染めないのはなぜ?」といった疑問から心理学を学び始め、自身の行動や思考のルーツが、幼少期の経験や親との関係にあると気づく方もいるでしょう。

自分を深く知ることは、自己受容や成長に繋がり、人生をより豊かにする一歩となり得ます。

一方で、原因が分かっても「どうすれば改善できるのか」という具体的な解決策が見つからず、学びを中断されてしまう方もおられます。

実は、心理学は自分を深く理解するための強力なツールであると同時に、行動変容を促すツールでもあります。
行動変容の為には、自らが積極的に行動変容に臨むことが求められますが、認知行動療法等を焦らずに学べば、徐々に自分を変えることも可能です。

3.他者理解と、その裏に潜む「攻撃性」のリスク

心理学を学ぶことで、他者の行動や感情の背景を理解できるようになります。
これは人間関係を円滑にする上で非常に有益です。
しかし、その知識が時に「他者への批判や攻撃」に転じてしまうリスクがあることをご存知でしょうか?

純粋な興味から学び始めたにもかかわらず、いつの間にか「相手の心を分析し、自分の優位性を示すための道具」として心理学の知識を使い始める人もいます。
特に懸念されるのは、親子関係に問題を抱える方が、学んだ知識を親への批判や攻撃に用いるケースです。

心理学は、人を裁くための学問ではありません。
学んだ知識を傲慢さや攻撃性に繋げてしまっては、かえって人間関係を悪化させ、自己の成長を阻害する結果になりかねません。

学問としての「知」は、建設的な目的のために用いるべきです。

4.人間関係を豊かにしたい

心理学を学ぶ究極の目的は、多くの場合「人間関係を豊かにする」ことにあると言えるでしょう。
自分を理解し、他者を深く理解することで、共感力を育み、コミュニケーション能力を高めることができます。

良好な人間関係は、人生の幸福度を大きく左右します。
心理学の学びを通して、より円滑で満たされた人間関係を築くことは、まさに人生を実り豊かにする学びと言えるでしょう。

5.仕事におけるスキルアップ(対人援助職など)

心理カウンセラー、教師、看護師など、対人援助職に就いている方にとって、心理学は必須の学びです。仕事で直面する様々な人間関係や心の課題に対し、心理学の知識は問題解決の糸口を与え、専門性を高めることに繋がります。

必要に応じて学びを深め、スキルアップを図ることは、プロフェッショナルとしての成長に不可欠です。

心理学:私の経験と、その先の学び

私自身、20代の頃に心理学に興味を持ち学び始めましたが、当時の私は分析的・批判的にしか役立てることができず、「自分の人生には役立たない」と思い学びを中断しました。

しかし30代半ばになり、エニアグラム(性格分析)を知ったことをきっかけに、再び心理学の学びを再開。
交流分析やアダルトチルドレンを学び、そしてカウンセラー資格の取得へと繋がっていきました。

この経験から言えるのは、心理学の学びは、その時の自分自身の状態や目的によって、全く異なる意味を持つということです。

若かりし頃には気づけなかった心理学の「学びの意義」が、私の場合は人生経験を積んだ35歳からの見えてきたのです。

まとめ:心理学の学びをどう活かすか?

心理学を学ぶ動機は人それぞれですが、その知識をどのように活かすかが最も重要です。
自分自身や他者を深く理解し、人間関係を豊かにし、より良い人生を築くために役立てる。
それが心理学の真の意義と言えるでしょう。

もし今、あなたが心理学に興味を持っているのであれば、その知識をどのように活用したいかを一度立ち止まって考えてみませんか?

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