高い規範意識に基づく生き方・勧善懲悪主義は人間関係を悪くする
倫理的であること、法を遵守すること、高い道徳観を持つこと。
これらは、私たちが安全で安心に暮らす上で非常に大切なことです。
自分自身も規範意識の高い方だと自覚しており、ルールを守ることの重要性は十分に理解しています。
私たちは、あらゆる規範を徹底的に守り、常に自分が規範やルールから外れていないか、厳しく自己チェックを行うことで、「善良な市民」、「無害な隣人」、「信頼できる人」として社会に溶け込もうとします。

規範意識に縛られすぎると、人間関係にひびが入ることも
社会の秩序や人権を守る上で、規範やルールは絶対不可欠なものです。
実際に、法を破れば罰せられ、会社の規則に違反すれば解雇されるなど、私たちは日々、その重要性を目の当たりにしています。
社会や組織が健全に機能するためには、規範、ルール、規則、法が絶対的に必要不可欠です。
しかし、その一方で、あまりにも高い規範意識に基づいて生きすぎると、思わぬ問題が生じることがあります。
それは、自分が守っている規範を絶対視してしまい、他者が少しでもそれに従わないと、すぐに「罰するべきだ」という勧善懲悪主義に陥ってしまうことです。

まるで自分が「裁き人」になったかのように、他者に制裁を加えようとする。
これでは、人が心穏やかに、そして豊かに生きる上で大切な、他者との摩擦を避けることが難しくなります。
確かに、摩擦を避けるために規範は必要なのですが、それにとらわれすぎると、些細なことでも問題視し、クレームばかりを言う「クレーマー」というレッテルを貼られてしまうかもしれません。
高い規範意識が行き過ぎると、自分自身がその規範に縛られ、周囲から「嫌われ者」となり、最終的には自分の居場所を失ってしまう可能性すら考えられます。
また、「規範にさえ従っていれば、人生は万事良好だ」と思い込み、規範意識に従うことが安全・安心の確保につながると考えすぎてしまうと、人間関係から得られる喜びや、人生の冒険、そして真の楽しみを経験し損ねるかもしれません。

1.規範と自由のバランス:一度きりの人生を楽しむために
規範意識に従うことと、人生を楽しむこと。
何事もバランスが大切です。
ルールや規範を守りながらも、自分なりの自由を謳歌し、人生を楽しむこと。
たった一度きりの人生、せっかく治安の良い日本で生活しているのですから、自分自身にも、そして他者にも、ある程度の自由度を許容する心を持ちましょう。
完璧主義に陥らず、時には他者の「ちょっとした逸脱」にも寛容な心を持つことで、人間関係はより円滑になり、あなたの人生はさらに豊かなものになるはずです。
