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心配性の人は「頭がいい」のか?〜過剰な心配と向き合うヒント〜

「心配性の人は頭がいい」という言葉を耳にしたことはありませんか?
私もかなりの心配性なので、この説を聞いたときは少し嬉しく感じたのを覚えています。
しかし、一口に「心配性」と言っても、その度合いは人それぞれですね。

少し先のことを考え、リスクを予測して、最善の道を探る。
このような「心配性」は、確かに慎重で思慮深いと言えるでしょう。

未来に起こりうる様々な状況を想定し、準備を怠らないことで、結果的に大きなトラブルを回避したり、より良い結果に繋げたりすることも可能です。

この意味では、「頭がいい」というよりも、むしろ「危機管理能力が高く、合理的な選択ができる可能性が高い」と言い換えられるかもしれません。

しかし、問題となるのは「過剰な心配性」の場合です。
ここからは、この「過剰な心配性」に焦点を当てて考えていきましょう。

過剰な心配性についてその心理を考える

Index
1.「不安」という名の思考のループが過剰な心配を生む
2.心配のループから抜け出すために

1.「不安」という名の思考のループが過剰な心配を生む

では、「心配性」とは一体何なのでしょうか?

それは、まだ起こってもいない未来の出来事に対して、悪い結果ばかりを思い描き、その不安な考えに囚われ続ける思考と言えるのではないでしょうか。

多くの場合、私たちが感じる「不安」は、未来にまつわるものです。
不確実な未来に対して、「もし~だったらどうしよう」、「うまくいかなかったらどうしよう」と、起こってほしくない状況を延々と想像してしまう。

このように、心配性の背景には常に「不安」が存在し、両者は密接に結びついています。

不安を感じやすいかどうかは、生まれ持った気質や、幼少期の親子関係から育まれる心の安心感、あるいはこれまでの人生で培われてきたストレスへの対処能力、自己肯定感などが大きく影響します。

誰しも不安や心配を抱くことはありますが、その感情にどう向き合うかによって、私たちの心持ちは大きく変わってきます。

一時的に不安を感じ、それを処理できる人と、その不安にずっと囚われ続けてしまう人。

この違いが、不安の「脅威度」を変えるのです。
あまりにも不安なこと、悲観的な未来ばかり考え続けると、心は沈み込み、前に進む意欲が削がれてしまうことがあります。
時には、現実から目を背けたくなる気持ちさえ芽生えるかもしれません。

もともと不安が強い人が、その不安を根拠に未来の事態を憂い、悲観的に捉え続ける。
これがまさに、「過剰な心配性」の状態と言えるでしょう。

不安が感覚的なものであるのに対し、心配はそれに続く思考的な要素が強いのかもしれません。

2.心配のループから抜け出すために

誰しも心配なことはありますが、同じことをずっと心配し続けても、状況は好転しないばかりか、心は疲弊してしまいます。
いつまでも心配し続け、考え過ぎてしまう背景には、「大きな不安感」が横たわっています。

何か心配な出来事があったとしても、以下のような思考や行動ができる人は、長時間、不安や心配に囚われることはありません。

  • 「何とかなるだろう」という楽観的な感覚を持つ
  • 心配している出来事に対して、具体的な改善策を積極的に模索する
  • 不安なことを考えたとしても、それはそれとして、今この瞬間に集中できる
  • 気分転換が上手で、意識的に心配から離れる時間を持てる

しかし、不安から悲観的な未来ばかりを考え続け、気分転換や思考転換が苦手な人は、将来が不安と心配に支配され、より過敏な心配性になってしまう傾向があります。

このように考えると、「心配性の人は頭がいい」という最初の命題には、疑問符がつきます。

「過剰に心配性の人は、不安にこだわり、未来の不確実な事柄にとらわれ続ける。そして、心配や不安に対する気分転換、思考転換が苦手である」
むしろ、このように表現する方が適切かもしれません。

そして、過剰な心配性の人は、自身の抱える心配や不安なことを考え続けるあまり、それが心の健康問題に発展してしまうケースも少なくありません。

あなたは、ご自身の「心配性」とどう向き合っていますか?
もし、その心配があなたの心を重くし、日々の生活に影響を与えていると感じるなら、一度立ち止まって考えてみませんか。

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