言葉のニュアンスに応じた非言語(言葉のトーン)を使う大切さ
私たちは、言葉(言語)だけでなく、態度や表情(非言語)を使ってメッセージを伝えています。
しかし、この二つがバラバラだと、相手に意図が伝わらないばかりか、誤解を生んでしまうこともあります。
言葉を話す時、その言葉にふさわしい「言葉のトーン(声の調子、雰囲気)」という非言語的な要素を使うことが、いかに大切かについてお話しします。
言葉のニュアンス:非言語の大切さ
Index
1.言葉のトーンがもたらす「矛盾」
2.言葉のニュアンスを考慮したトーンの必要性

1.言葉のトーンがもたらす「矛盾」
たとえば、誰かに感謝の気持ちを伝えたい時、「ありがとう」という言葉を使います。
この言葉には、感謝の気持ちが込められています。
ですから、この言葉を伝える際には、感謝の気持ちが伝わるような、穏やかで温かいトーンや雰囲気で表現するのが自然です。
もし、この「ありがとう」という言葉を、大声で怒鳴るように言われたら、どう感じるでしょうか?
「ありがとう」 という言葉に、感謝のトーンや雰囲気がまったく感じられないため、非常に奇妙に感じるはずです。
言葉としては感謝を伝えていますが、その非言語的な表現(怒鳴るような声のトーン)は、まったく逆のメッセージを同時に伝えています。
例えば、お店で買い物をした際、「ありがとうございました!」と大声で怒鳴るように言われたら、不快に感じたり、驚いたりするかもしれません。
言葉とトーンが矛盾しているため、相手は真意を理解できず、不快感だけが残ってしまうのです。

2. 言葉のニュアンスを考慮したトーンの必要性
言葉には、それぞれ独特のニュアンスや意味があります。その言葉を発する際には、そのニュアンスにふさわしい言葉のトーン(非言語)を意識することが、相手に真意を伝えるために不可欠です。
a)注意する時
相手に真剣に何かを注意する時、その言葉には強さが必要です。
穏やかで優しいトーンで注意しても、相手には真剣さが伝わらず、軽く受け止められてしまうかもしれません。
b)感謝する時
感謝の言葉を伝える時、優しいトーンや穏やかな表情がなければ、言葉だけでは心が伝わりません。
これら二つの例は、言葉(言語)と、その言葉にふさわしい言葉のトーン(非言語)が一致していないために、メッセージに矛盾が生じているのです。
言葉を発する際は、その言葉に込められた意味や意図を深く考え、それにふさわしい言葉のトーンや雰囲気を用いること。それが、あなたの本当の気持ちや心を相手にしっかりと届けるための鍵となります。
「何を言うか」だけでなく、「どのように言うか」が、コミュニケーションにおいては非常に重要です。この二つを意識することで、より深い人間関係を築くことができるでしょう。