人生を拓くための羅針盤:努力、そして「情報・時・場・縁」が織りなす「運」の力
私たちは皆、自分の人生がまさに開かれようとしている、あるいはこれから新たなステージへと踏み出すような感覚を抱くことがあります。
例えば、就職活動で希望の会社から内定をもらえた時、あるいは創作活動が認められ、日の目を見た時など、前向きな気持ちになり、自信や自己肯定感に満たされる瞬間です。

このような前向きな気持ちは、ある「結果」や「現象」が現実のものとなった時に生まれるものですが、ではその「結果」や「現象」を生み出すためには何が必要なのでしょうか。もちろん、そこには本人の多大な努力があるでしょう。
しかし、その努力も、誰にも認められなければ、花開くことはありません。
人生を拓くために不可欠な要素
Index
1.努力の継続こそが扉を開く鍵
2.人生を拓く上で見過ごせない要素:情報・時・場・縁
3.努力と継続の先にある「運」の存在

1.努力の継続こそが扉を開く鍵
努力が認められるためには、何よりも努力の継続が不可欠です。
そして、その努力をたゆまず外に向かって打ち出し続けること。
例えば、内定を得るために諦めずに何社も応募し続けること、これもまた努力です。
なぜなら、外に向かって発信しなければ、誰の目にも触れることはないからです。
内定を得るためには、面接官に会い続ける必要があるように。
これらの連続した行動は「チャレンジ」と呼べるでしょう。
そして、このチャレンジを支えるものは、夢を実現したいという強い思いかもしれませんし、諦めない根性かもしれません。人それぞれ異なるでしょうが、いずれにせよ、そこには揺るぎない大きな動機が存在するはずです。

具体的に考えてみましょう。
就職活動中の人が内定を勝ち取るためには、これまでの勉強の成果に加え、応募書類の作成や面接対策といった事前の努力も必要です。
さらに、面接という場で、積極的に自分をアピールする努力も欠かせません。
たとえすぐに内定が出なくても、落ち込むことなく、すぐに次の会社へ応募する。
結果を出すまで諦めない、努力と継続が求められるのです。
現実的に考えれば、まさにこの二つが、物事を動かす原動力となるでしょう。

2.人生を拓く上で見過ごせない要素:情報・時・場・縁
しかし、実際に企業から内定を得るためには、努力と継続だけでは不十分な側面もあります。
そこに「情報」「時」「場」「縁」といった要素が加わってきます。
例えば、企業面接に関する情報を適切なタイミングで得る(情報、時)こと。
また、その面接の情報が、第三者からもたらされることもあるでしょう(縁)。
もし面接の場所が自宅から遠すぎれば、面接に行くこと自体を諦めてしまうかもしれません(場)。
さらに、面接当日に他の予定が入っており、次の面接会場への移動時間が間に合わないといった状況も起こり得ます(時、場)。
面接においては、面接官との相性も重要です。
これもまた「縁」と言えるでしょう。
そして、これらすべてがうまく作用して、ようやく内定という結果に繋がるのです。

別の例を挙げてみましょう。
無名の芸術家が、これまでにない革新的な作品を創作し、それが取材され、認められて時の人となる。このような経緯を考えても、同じことが言えます。
スポットライトを浴びるのは芸術家本人ですが、そのためには、彼にスポットライトを当てる存在が必要です。
それは「取材される」ということに置き換えられます。
では、なぜその無名の芸術家は幸運にも取材を受けることができたのでしょうか。おそらく、取材する側が、どこかの口コミや知り合いの話など、いち早く貴重な情報を得ることができたのでしょう。

芸術家の側からすれば、作品完成に向けた努力と継続は当然のことです。
しかしそれ以上に、作品を取材してくれた人との縁。
そして、作品が完成した「ちょうどその時」だったこと。
(時が合わなければ、取材はされなかったかもしれません)。そして、取材に便利な大都市で活動していたこと(場)。
もし地方の田舎で活動していたら、口コミも広まらず、知られることもなく、取材も訪れなかったかもしれません。
このように、情報、時、場、縁、すべてが揃っているのです。
そして、これらがすべて揃うためには、やはり「運」の助けも必要になってくるのではないでしょうか。

3.努力と継続の先にある「運」の存在
これらが揃うことで、芸術家はスポットライトを浴びることになります。
私はこれを、努力と継続を超えた「運」の領域だと感じています。
話を前述の就職活動に戻しましょう。
数年前、私は中高年の再就職支援活動をされている方からお話を伺う機会がありました。「今の厳しい雇用状況の中、内定を勝ち取る方はどのような方ですか?」と漠然とした質問をしたところ、その支援者の方は、「もちろん本人の努力もありますが、運です」と即答されたのが非常に印象に残っています。
人生が開花する時、願望が実現する時、スポットライトを浴びる時。
それは決して一方通行ではなく、他者からの助けや評価があってこそ成り立つことが多いでしょう。
現実には、自分一人で人生を花開かせることは非常に難しいものです。
そこには、他者からの評価が必要であり、その出会いをもたらす「縁」、そしてそれこそが「運」と言えるのではないでしょうか。
したがって、努力と継続以外に、やはり「運」が必要不可欠なのです。

以前の私は、「想いが現実を創る」と考えていました。
今でもその信念は変わりませんが、「自分の夢や理想を現実にしたい」という強い想いが強ければ、運も味方についてくれるのでしょうか?
どれだけ努力し、継続し、強く想っても、叶わない夢があるとすれば、それは「運」の問題なのでしょうか。
そして、その「運」は、情報、時、場、縁に大きく影響されます。

例えば、友人からの情報がなければ、あの時、あの場所に行くこともなく、生涯の師と呼べる人物に出会うこともなかったかもしれません。
その師匠の指導のもと、彼は大成した、といった話はよく聞きます。
運が夢や理想の現実化の差を分けるとしたら、私たちはどのようにして「運」を引き寄せ、高めることができるのでしょうか。
以前にもご紹介したことがあるかもしれませんが、浅見帆帆子さんの著書『わかった!運がよくなるコツ』(廣済堂刊) に、そのヒントが隠されているように思えてなりません。