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「感謝しなさい」は響かない?~心から湧き出る感謝の育み方~

人によっては、「感謝、感謝」とまるで教えのように、あるいは強迫的に「感謝せよ」と求められることがあります。

しかし、私はこの姿勢に疑問を感じています。
私自身も「感謝」は、人生においてとても大切なことだと考えていますが、「感謝せよ」と求めることには疑問を感じているのです。

では、この感謝の気持ちは一体どこから生まれてくるのでしょうか?同じ出来事に対しても、感謝できる人と、そうでない人がいるのはなぜなのでしょう?

感謝とは外から強制するものではなく心の内側から生じるもの

Index
1.感謝とは心の内から自然と生じてくるもの外から強制すべきものではない
2.感謝の気持ちが湧きにくい:その理由はなぜ?
3.感謝の心は人との暖かい交流から生まれる
4.感謝の心を育むための2つの方法

1.感謝とは心の内から自然と生じてくるもの外から強制すべきものではない

私は、感謝とは心の奥底から自然と湧き上がってくるものだと考えています。
自分の内側からじわじわと温かい感情が広がり、それが「ありがとう」という雰囲気となって穏やかに周囲に伝わっていくのではないでしょうか。

一方で、「感謝せよ」という言葉は、感謝そのものが自分とは別の「外」にあるもののように感じられ、その「外」にあるものを無理やり自分の内側に取り込めと命令されているような印象を受けます。
正直なところ、私にはあまりピンときません。

感謝は、自分の心の内側から自然に湧き出てくるものです。外から言葉として与えられた「感謝」を、無理に自分の内側に取り込もうとしても、意外と難しいものです。

その根拠として、「ありがとう」という言葉を発する時、心に感謝の気持ちがある人と、無理に言わされている人とでは、言葉のトーンや伝え方、つまり相手に伝わる「想い」が全く異なってくるでしょう。

2.感謝の気持ちが湧きにくい:その理由はなぜ?

では、感謝が心の中から自然に湧き出てくる人と、そうでない人の違いは何でしょうか。

おそらく、感謝の源となる、心の内側の温かさや、他者への信頼感、安心感の違いがあるでしょう。そして、これらは、幼い頃の親子関係や生育歴を通して培われる部分が大きいのではないでしょうか。

例えば、子ども時代に親から「ありがとう」と感謝の言葉を伝えられた経験があるかどうか。

親から「ありがとう」と言われたことがない子どもは、自分が何かをしても「義務的」「当たり前」と捉え、感謝の気持ちとは何かを知らないまま育ってしまう可能性があります。

また、感謝の気持ちが分かりにくい人の例として、親が子どもの要求を常に満たしすぎてしまうケースも考えられます。このような環境で育つと、「何かをしてもらうのが当たり前」という意識を、大人になっても持ち続けてしまう可能性があります。

これでは、他者からの好意に対しても「してもらって当然」だと感じ、当然ながら感謝の気持ちは湧きにくいでしょう。

(私は、過剰な過保護は、子どもが自主性や主体性を育む機会を奪い、成長を妨げることで、結果的に感謝の心を抱きにくい人間性を育むことにもつながりかねない、ある種の心理的な影響を及ぼすと考えています。)

3.感謝の心は人との温かい交流から生まれる

さて、感謝の心、「ありがとう」という気持ち。
これらは、心の内から自然と湧き出てくるものです。

そして、その感謝のエネルギーの源は、人生経験においてどれだけ多くの人と、心ある温かい交流を重ねてきたかに比例するのではないでしょうか。人との温かい交流の経験を通じて、感謝の気持ちは育まれるのだと思います。

その経験を通して、人は「人という存在のありがたさ」を知り、相手を尊重する気持ちも生まれ、自然と感謝の気持ちを抱くようになると考えます。

では、親子関係や家族関係を基盤とした温かい人間関係を経験できなかった人は、感謝の気持ちを一生涯、心の内に持つことはできないのでしょうか?

このような方の中には、人から何かをしてもらうことに対して、「当たり前」という思いを抱いている方もいらっしゃるかもしれません。「当たり前」という気持ちが先行すると、感謝や「ありがとう」の気持ちは生まれにくいでしょう。

では、この場合、どのようにすれば、感謝の気持ちが心の内から自然と湧き出るようになるのでしょうか。

4.感謝の心を育むための2つの方法

感謝の心を育むには、主に2つの方法があると考えています。

a)誰かに対して親切な行いをしてみる

まずは、誰かに親切な行いをしてみましょう。
そして、相手からの「ありがとう」という感謝の言葉を素直に受け取り、自分の内にある心の温かさを育てていくのです。
そうすることで、さらに人に対する親切心は高まり、人との温かい交流ややりとりも増えていくでしょう。

b)「ありがとう」の言葉を意識して発してみる

もう1つの方法は、日常生活の中で意識的に「ありがとう」という言葉を使ってみることです。
例えば、コンビニなどで商品を購入した際、レジで「ありがとう」と、できるだけ穏やかに、はっきりと伝えてみてください。当然、お店の方も「ありがとうございました」と返してくれるでしょう。

このように「ありがとう」という言葉を自ら発する練習をすることも大切です。これらの経験を通じて、心の温かさを育て、心の内から自然と生まれる「ありがとう」を発する、その言葉のトーンやニュアンスを学んでいくのです。

感謝は心の内にあるもの。そして、育めるもの。

「感謝」、「感謝しなさい」という言葉。
感謝は外にあるものではなく、心の内にあるものです。
しかし、心の内にある感謝、その源である心の温かさや優しさを育てるためには、他者に対して親切な行いをしたり、「ありがとう」とこの言葉を発し続けたりすることが重要です。

つまり、自分の外にある人との経験や関係性において、感謝の気持ちは培われるのです。この意味においては、「感謝せよ」、「感謝しなさい」という言葉も、的を射ている部分があるのかもしれません。

しかし、一番大切なことは、その感謝が、心の内から自然と生まれたもの、心の温かさや優しさから生まれたものであることです。そして、当然忘れてはいけないのが、様々なことに対して感謝をする習慣を身につけることです。

感謝の基本は、心の内に自然と存在しているのです。
そして、もしその気になれば、それは誰もが身につけることが可能なものです。
これは知識ではなく、「体感」として理解していくものなのです。

あなたは、どんな時に心からの感謝を感じますか?そして、その感謝をどのように育んでいきたいと願いますか?

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