思いやり:常識と他者配慮|そして想像力の大切さ
「思いやり」という言葉を聞いて、あなたは何を想像するでしょうか?
特に、見ず知らずの人に対する思いやりについて、深く考えたことはありますか?
私は、この「思いやり」を構成する重要な要素として、「常識(マナーや知性)」と「他者配慮能力(相手の立場に立って考える想像力)」の二つが不可欠だと考えています。

思いやりと他者配慮能力は知性でもある
今回は、私自身の体験を通して、この思いやりの大切さについてお話ししたいと思います。
Index
1.私が経験した「思いやり」の欠如と「常識」の欠如
2.病院でのもう一つの「常識」の欠如の体験
3.思いやりを発揮するために不可欠なもの
1.私が経験した「思いやり」の欠如と「常識」の欠如
昨年のことです。土曜日の夜、徐々に体調が悪くなり、病院で診てもらうべきかという不安が募り始めました。
しかし、歩けないわけでもなく、救急車を呼ぶほどの緊急性はないと感じました。
おそらく、私よりも救急車を必要としている人がいるだろうと考え、タクシーで夜間診療を行っている病院へ向かうことにしました。
病院に到着し、受付で手続きを尋ねると、そこで私は、思いやりに欠け、他者への配慮ができない、想像力を欠落させた方に出会いました。

症状を記入するための台があるので、そこに立って問診票を書くように指示されたのです。
しかも、頭に響くような甲高い声で。
さらに、「夜間診療は高くなります」といった余計な一言まで添えられました。
もちろん、それは承知の上で来ているのですが。
夜間に緊急で受診する患者は、多かれ少なかれ、何らかの辛さを抱えています。
そのような状況にある人に、立って問診票を書かせるとは、まったく思いやりがないと感じました。
せめて、椅子に座って記入するように勧める、そのくらいの想像力と配慮心があっても良いのではないでしょうか。甲高い声は、その方の特性かもしれませんが、状況に応じた配慮の言葉があれば、印象は大きく違ったでしょう。

2.病院でのもう一つの「常識」の欠如の体験
その後、私は立ったまま問診票を記入し、受付の方に渡して、診察を待つ間、椅子に座っていました。周りを見渡すと、皆、辛そうな表情をされています。
そんな中、信じられないような一団がやってきました。
酔っ払いの一行です。
どうやら、飲み会の最中に一人が怪我をしたようで、連れられてきた様子でした。
酒の勢いもあり、夜間病院に来ることが初めてなのか、興奮状態で騒がしくしていました。
病院とは、体の不調を抱えた人々が集まり、静かに過ごすことを求められる場所です。
常識があれば、周囲に配慮し、静かにするのが当然のマナーです。

しかし、彼らは酒に飲まれ、マナーや知性が欠落した状態で、周囲に迷惑をかけていました。
他の患者さんたちの辛そうな表情に気づけば、他者への配慮と想像力が働き、即座に自分たちの行動を律することができたはずです。
「自分たちは静かにしているか」、「他の方に迷惑をかけていないか」といった自己チェックができていれば、このような事態にはならなかったでしょう。
私はその騒がしさに不愉快さと苛立ちを感じ、受付に行き、「うるさいので、遠く離れた椅子に座っています。診察の順番がきたら呼びに来てください」と伝えて席を外しました。

3.思いやりを発揮するために不可欠なもの
今回の私の経験から学べたことは、思いやりを発揮するためには、常識(知性やマナー)と、他者配慮能力(想像力)が不可欠だということです。
もしかしたら、私が過敏になりすぎて、うるさく感じ、イライラしていただけだと判断される方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、その時の私の状態を、交感神経の高ぶりという観点から説明することは可能です。
普段よりも体調が悪い中で、無理をして家を出てタクシーに乗り、病院に行く。
これには相当なエネルギーが必要であり、無理をして動いているため、交感神経が過剰に働いていたと考えられます。
交感神経が過剰に働くと、人間は「戦闘状態」に入り、イライラしたり、過敏になったり、過剰に反応したり、時には攻撃性が増したりすることもあります(私は誰かを攻撃することはありませんでしたが)。

このように、体調が思わしくない中で無理をして夜間病院に行った私の交感神経が過剰に働き、過剰に反応していたことは否定できません。しかし、人の交感神経は、このような状況で働くものであり、それは仕方のないことです。
だからこそ、私たち一人ひとりが、このような状況にある人々に思いやりを持って接することの重要性が浮き彫りになるのです。
私たちは皆、多かれ少なかれ、予期せぬ困難や体調不良に直面することがあります。
そんな時、周囲のほんの少しの配慮や思いやりが、どれほど心の支えになることでしょうか。
あなたの周りにも、少しの「思いやり」を必要としている人がいるかもしれませね。