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精神科・心療内科の受診、ためらっていませんか?

精神科・心療内科での治療をためらう心理

Index
1.副作用と薬漬けの不安
2.「薬漬け」への不安と医師とのコミュニケーション
3.精神科・心療内科医との「相性」
4.精神科・心療内科と心理カウンセリングの違い、そして併用の可能性

1.副作用と薬漬けの不安

心理カウンセリングの現場で、精神科や心療内科への通院を「怖い」と感じている方のご相談を受けることがあります。
何が怖いのかと伺うと、多くの場合、処方される「薬」への不安を挙げられます。具体的には、「副作用」と、「薬漬け(一生薬を飲み続けなければならないという思い込み)」への恐れです。

私自身、心療内科に10年以上通院しており、主に不眠への対応として睡眠導入剤を処方してもらっています。

確かに、私自身も薬の副作用を感じることはあります。中には、ご自身が処方する薬には副作用がないと主張する医師もいますが、私は薬剤師に直接尋ね、やはり薬には副作用があることを確認しました。心療内科や精神科で処方される薬に副作用が多いのは、ある意味、宿命のようなものかもしれません。

しかし、あえて言わせていただくと、内科や外科の治療薬でも副作用が出ることはありますし、体質によっては市販薬でさえ副作用が出ることもあります。
どのような薬にも、副作用の可能性はつきものです。

もし副作用が心配であれば、服用前に担当の医師に副作用の有無や程度をしっかりと確認し、納得した上で服用するようにしましょう。

2.「薬漬け」への不安と医師とのコミュニケーション

「薬漬け」、つまり長期の投薬に関しては、私の場合は睡眠導入剤なので、生涯手放せないものだと考えています。
これは薬漬けではなく、私にとって「眠るための必需品」なのです。

もしあなたが長期の投薬を恐れるのであれば、ご自身の症状が体感レベルで改善されたと感じた時に、その旨を医師に伝えることが大切です。

良心的な医師であれば、薬の量や種類を調整することについて話し合いに応じてくれるはずです。
もし伝えても何の反応もない、説明をしてくれないという医師であれば、転院も検討する価値があるかもしれません。

患者の治療に関する質問には、医師は答える義務がある、と私は考えています。

良心的な医師であれば、患者の思いや不安を尊重し、抱えている症状が改善されつつあると判断した場合に、「薬漬け」になることはないでしょう。
必ず減薬の方向で考えてくれるはずです。

ただし、薬で症状が抑えられている場合は、たとえ体感レベルで改善されたと感じても、薬の効果によって症状が維持されている可能性もあります。
そのため、医師には慎重な姿勢で相談することをお勧めします。
医師も人間ですから、焦ったり攻撃的な口調になったりしないよう、冷静に伝えましょう。

3.精神科・心療内科医との「相性」

私の経験上、精神科や心療内科において最も厄介なのは、医師との相性です。

これまでに5人ほどの医師と関わってきましたが、相性が良いと感じたのはたった1人だけでした。
内科の医師では相性に悩むことはあまりないのに、なぜか精神科や心療内科の医師だけは、相性が難しいと感じます。

特に難しいのがコミュニケーションです。
これは私の問題なのか、医師の問題なのかは分かりませんが、気分を害した経験が多々あります。

おそらく、精神科・心療内科の医師は、問題の根源などを決めつけたがる傾向があると私は感じています。しかし、それが傲慢に感じられることもあります。

決めつけたがりの傲慢さは私が最も嫌うタイプであり、そのような人とのコミュニケーションは不要だと、私の気質が判断してしまうのでしょう。

彼らの決めつけは、患者の人間性や脳に関わることですから、精神科・心療内科の医師には、ご自身が患者に対して何を伝え、その心理にどのような影響を与えているのか、もう少し真摯な態度と姿勢が必要ではないかと感じることが多々あります。

4.精神科・心療内科と心理カウンセリングの違い、そして併用の可能性

精神科・心療内科と心理カウンセリングの違いは明白でしょう。

精神科・心療内科:主に投薬療法が中心となります。患者との対話は数分であることがほとんどです。

心理カウンセリング:主に対話を通じて、ご相談者の心の悩みに寄り添い、サポートを行います。ただし、心理カウンセラーは医師ではないため、投薬治療は行えません。

私が現在、精神疾患に関する心理カウンセリングを積極的に受け付けていない理由はいくつかあります。

a)精神疾患に対する専門知識の不足

ここで言う精神疾患とは、DSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル)に記載されている疾患名を指します。
心理カウンセリングだけで、これらの精神疾患(「心の病気」と表現されることもあります)の治療ができるのか、私には断言できません。これは私自身の知識不足によるところが大きいです。

b)精神科・心療内科の治療への影響

投薬治療によって心の安定を図っている方に、対話を重んじる心理カウンセリングを併用することが、投薬治療の効果にマイナスに作用する可能性があります。

過去を起因として現在の症状が発症している場合、カウンセリングで過去を掘り起こすことで症状が悪化するリスクもあります。また、薬の副作用で思考力が鈍っている状態の方に、カウンセラーが矢継ぎ早に質問を投げかけることも、負担になる可能性があります。

精神疾患に対して投薬治療が万能だとは思いません。しかし、心理カウンセリングもまた万能ではありません。

したがって、投薬治療と心理カウンセリングの併用が望ましいと捉えることもできますが、投薬治療の効果を損なう可能性も考慮しなければなりません。

現実的な対応としては、精神疾患の治療のため精神科や心療内科に通院中の方が心理カウンセリングを希望される場合、「担当の医師からカウンセリングを受ける許可を得ること」を条件に、カウンセリングをお引き受けするのが妥当だと考えています。

c)補記

心理オフィスステラでは、精神疾患に関するカウンセリングは一切、受け賜わっておりません。
これは、私の力不足のためです。

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