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「変わらない私」を受け入れる大切さ:性格と心理行動のつきあい方

日々の暮らしの中で、「なぜ自分は周りの人と同じようにできないのだろう?」と感じたことはありませんか?

例えば、大勢で盛り上がっている場で、自分だけが輪に入りきれないと感じたり、無理に話そうとしても言葉が出てこなかったり。
そんな時、「もっと積極的に話せる性格になりたい」、「周りに合わせられない自分はおかしいのだろうか」と、密かに悩んでしまうこともあるかもしれません。

このような悩みは、私たちの性格心理行動の特徴に関わるものです。
「もしこの悩みが解決しないなら、自分はこのままずっと苦しいのだろうか?」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんね。

性格には「変えられる部分」と「受け入れるべき部分」がある

私たちの性格や行動パターンは、実は「気質(遺伝的な傾向)」と「育ってきた環境」という二つの要素が複雑に絡み合って形成されています。

どこまでが生まれつきで、どこからが後天的に身についたものなのかを明確に区別するのは難しいものです。

しかし、長年のカウンセリング経験を通して、私は環境によって形成された性格や心理行動の特徴は変えられる可能性があると考えています。なぜなら、それらは私たちの生活の中で「学習」によって身についたものが多く、「再学習」というアプローチによって、新たな行動パターンや考え方を習得できるからです。

心理カウンセリングは、まさにこの「再学習」を効果的にサポートする場となるでしょう。

一方で、生まれ持った「気質」、つまりその人が本質的に持っている傾向は、なかなか変えられない「定点」のようなものだと感じています。

例えば、「人の話にあまり興味が持てず、大勢で盛り上がるのが苦手」というお悩みの場合。
もしそれが気質に根ざしたものであれば、無理に社交的になろうとするよりも、静かに自分の好きなことに集中できる環境に身を置く方が、ずっと心が落ち着くかもしれません。

もちろん、社会に適応するためには、ある程度のコミュニケーションスキルは必要です。
しかし、もしあなたの内面が自己の感性や世界観を大切にする傾向にあるのなら、それを無理に曲げるよりも、本来の自分を大切にする生き方を選んだ方が、ストレスも少なく、心の充実につながるのではないでしょうか。

Index
1.「変えられない私」を受け入れる勇気
2.無理に自分を変えようとしないことの大切さ

1.「変えられない私」を受け入れる勇気

私自身の話で恐縮ですが、私は子どもの頃、人と話すのが非常に苦手でした。
親子関係の問題から、会話のスキルを十分に伸ばせなかったのです。

しかし、大人になってからは、意識的に学習することで、今では人と話せるようになりました。
この点においては、「話せない」という心理行動は「話せる」に変わったと言えるでしょう。

それでも、「大勢の中で心から盛り上がれる」という性格や行動は、今の私には備わっていません。
おそらく、私は元々、賑やかに騒ぐことが得意ではないのだと思います。
これはまさに気質の影響だと感じています。
過去には、無理をして盛り上がっているふりをしたこともありましたが、結局は心身ともに疲れてしまうだけでした。

この経験から、私たちは性格や心理行動の特徴には、変えられない部分も確かに存在するということを認識する必要があると強く感じています。

性格や心理行動は、ある意味でその人の「能力」の一つです。
その能力を無理に違う方向に導こうとするよりも、自分にとって自然な形で活かしていくことこそが、人生の豊かさや充実感につながるのではないでしょうか。

もしあなたが、いくら努力しても変わらない自分の部分を責めてしまうことがあるなら、それはもうやめにしませんか。

それは、あなたの本来の自己に反する行為だからです。変えられない、変わらない自分の性格や心理行動の特徴をありのままに受け入れること。これこそが、心の平穏への第一歩なのです。

2.無理に自分を変えようとしないことの大切さ

もしあなたが、自分の性格や心理行動の特徴を「強引に変えたい」と願うのであれば、一時的に「自分を演じる」という方法もあるでしょう。まるで役者のように。

しかし、役者は仕事です。
決められた時間内、特定の役を演じきれば、素の自分に戻ることができます。

一方で、日常生活において、長時間にわたって本来の自分とは真逆の性格や行動を演じ続けることは、計り知れない心理的ストレスを生み出します。
そしてやがて、「自分とは一体何者なのだろう?」と、自分自身のアイデンティティを見失ってしまうリスクさえあります。強引に自分を変えようとすることは、それほど大きなリスクを伴うのです。

様々な感情があると思いますが、性格や心理行動の特徴について、あまり悩みすぎない方が良いのかもしれません。
なぜなら、この問題の根源は、「他人との比較」から生じている可能性が高いからです。
「あの人のように振る舞いたい」と願う気持ちが、あなたを悩ませているのかもしれません。

性格や心理行動の特徴には、確かに学習によって変えられる側面があります。
しかし、変えられない、変わらない部分は、無理をせず受け入れることが、結果的にあなた自身を楽にします。

そして、その受け入れた自分をどう社会で活かし、どのように生きていくのか。「ありのままの自分」を活かした生き方こそが、あなたにとって最も自然で豊かな道だと私は考えます。

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