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不満、怒り、そして諦めが引き起こす破壊の心理

私たちは時に、心に強い不満を抱えながら日々を過ごすことがあります。
不満は、それ自体が直接的な攻撃ではありません。

しかし、その状態が長く続いたり、日々の小さな不満が積もり積もって耐え難くなったりすると、不満は次第に破壊的なエネルギーへと変化することがあります。
心の不満の扱いには、細心の注意が必要です。

では、なぜ人はこれほどまでに、心に不満を抱くのでしょうか。

諦めと不満と怒りの連鎖

Index
1.理想と現実のギャップ
2.「自分のことを理解してもらえない」という孤独
3.諦めの心理と投げやりな状態
4.不満が顔に現れ、他者を遠ざける悪循環

1.理想と現実のギャップ

私たちは皆、「こうありたい」「こうあるべき」といった様々な理想を描きながら生きています。
そして、その理想を現実のものにしようと、日々努力をされていることでしょう。

しかし、どれほど努力をしても、すぐに現実にならないこと、あるいは現実化が非常に難しいことも少なくありません。理想に向かって努力を重ねてもそれが実現しない時、心には不満が生じます。

例えば、

  • 会社で昇格したい
  • 夫婦関係を改善したい
  • 収入をアップさせたい

など、人それぞれ多様な理想がありますが、これらがすぐに現実にならないこと、あるいは現実化が難しいことは多々あるのです。

理想と現実の差から生じる心の不満に対しては、現実と「折り合いをつける」ことが解決策の一つとなるでしょう。
そうしなければ、永遠に理想を追い求め続け、それが現実にならないことで、心にはネガティブな変化が起こりかねません。

2.「自分のことを理解してもらえない」という孤独

不満が生じるもう一つの大きな要因として、「自分のことを理解してもらえない」という状況が挙げられます。

人間は、他者との関係性の中で喜びや安心を感じる生き物です。
そして、人と人との関係性において大切なのは、お互いが理解し合うこと。
しかし、親しくなりたい人や、支援を必要としている相手から、理解してもらえなかったり、冷たい態度を取られたりすると、心は深く傷つきます。

例えば、

  • 気になる異性と関係を深めたいのに進展しない
  • 行政からの支援を必要としているのに話が通じない

このような状況では、関係性がスタートせず、当事者の心は焦り、虚しさ、不安、そしてやりきれない気持ちで不満に満たされてしまうかもしれません。

このような不満を解消するためには、「自分のことを分かってくれる人を探す、あるいは関わる相手を変える」ことが重要です。

相手には相手の権利や感性があり、あなたと合わないと感じる人も当然います。
ですから、あなたがあなたに合う人、あなたのことを理解してくれる人を見つけることが何よりも大切なのです。
そうすれば、不満は解消に向かうでしょう。

執着は不満をさらに高めるだけです。この点には注意が必要です。

3.諦めの心理と投げやりな状態

不満な状態が長く続くと、人は自分自身への嫌悪感や社会への失望を感じ、生きることや何かを成し遂げることに対して、投げやりな気持ちになることがあります。

特に、抱いていた理想が現実にならない場合、その失望感は強く、「自分は生きていても…」と投げやりな状態に陥ることがあります。
その結果、生活が乱れたり、諦めや失望の心を紛らわすために、自堕落な生活や刹那的な快楽を求めるようになることもあります。

理想に対しては、時には「手放す」か、「理想を下げる」か、あるいは「現実への対応力を高める」ことが必要になるでしょう。

4.不満が顔に現れ、他者を遠ざける悪循環

心に強い不満を抱えている人は、その不満が表情や態度に現れることが少なくありません。

  • 不機嫌そうな顔つき
  • 絶え間ないため息
  • 不満ゆえの他者への配慮の欠如
  • 怒り顔

いずれにせよ、あまりにも顔や態度、姿勢に現れる不満のエネルギーは、他者を遠ざけてしまう事態を引き起こします。
すると、心に強い不満を抱える人の不満は、さらに孤独を深め、自暴自棄や、他者・社会に対する強い怒りの感情へと向かってしまうかもしれません。

自分の中に抱える不満。
そこから生まれる、自分を哀れむ気持ち。
そして、他者や社会に対する怒り。

これらの怒りや憎しみとも言えるエネルギーが複合的に作用し、やがて破壊的なエネルギーと化してしまう危険性があります。

不満は、実は対応を誤ると、恐ろしい「破壊のエネルギー」へと転化することがあるのです。

心に不満を感じたら、できるだけ早い段階で、相談機関、支援機関、あるいは心理カウンセラーなどに相談し、不満に適切に対処していくことが大切です。

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