友達の幸せを喜べない:比較と嫉妬の心理に向き合う
あなたは、身近な友達の幸せを心から喜べず、そのために「自分の心は汚れているのではないか」「ひねくれているのではないか」と、自分を責めてしまうことはありませんか? この悩みは、年齢や性別を問わず、多くの人が抱える心の葛藤でしょう。特に、その「幸せな人」が親しい友達であればあるほど、感情は複雑になりがちです。
嫉妬から友達の幸せを喜べない心理と問題
Index
1.友達の幸せを喜べない:比較と嫉妬の深層心理
2.嫉妬から生まれる「敵対心」を避ける:自己中心的な判断をしないこと
3.友達の幸せを喜べない時こそ、人間性を高めるチャンス

1.友達の幸せを喜べない:比較と嫉妬の深層心理
友達の幸せを素直に喜べないのは、おそらくあなたがその「幸せ」を強く望んでいるにもかかわらず、友達が先にそれを手に入れたことに、自分への不満や焦りを感じているからではないでしょうか。
「これさえ手に入れば、自分は幸せになれるのに」、「それを手に入れるために、こんなに努力しているのに、まだ手に入らない」
そうした思いが募る中で、特に代表的な「幸せ」の象徴として挙げられるのが、結婚や妊娠かもしれません。
友達が先にこれらの幸せを手にした時、「先を越された」という嫉妬の感情が生まれるのは自然なことです。
「自分はこれだけ努力して、苦しみ、悩んでいるのに……」
そうした心の声が、友達の幸せを阻害する感情として表れるのです。

嫉妬は誰しもが持つ感情であり、その根底には「比較」の心理があります。
私たちは無意識のうちに、自分と他人を比較してしまう生き物です。
友達と比較して「自分はまだだ」、「自分は足りない」と感じることで、嫉妬心が湧き上がり、結果として友達の幸せを喜べなくなるのです。
比較も嫉妬も、私たちの意識が及ばない無意識の領域で働く思考や感情です。
そのため、その存在に気づきにくいことが、この悩みをより複雑にしているのかもしれません。
友達の幸せを心から喜べない自分を、無理に「ダメだ」と否定する必要はありません。
感情は自然に湧き上がってくるものですから、まずは「今、自分は比較して嫉妬を感じているんだな」と、その感情を認識し、受け入れること。それが、この問題に向き合う第一歩となるでしょう。
しかし、本当に大切なのは、その感情を認識した「その先」にあります。

2.嫉妬から生まれる「敵対心」を避ける:自己中心的な判断をしないこと
例えば、友達が結婚式の招待状を送ってきたり、新婚旅行の写真を見せてきたり。
あるいは、出産後に可愛い赤ちゃんの写真を送ってきたりする時、あなたの心に複雑な感情が湧き上がることがあるかもしれません。
この時、決して自己中心的な判断をしてはいけません。
「友達は私を馬鹿にしているんだ」、「私が幸せになろうと努力して苦しんでいることを知っているくせに、こんな無神経な連絡をしてくるなんて許せない」、「もう、今後一切連絡しない!」。
このような短絡的な判断は、避けるべきです。

なぜなら、人は大きな幸せや夢を叶えた時、一時的に有頂天になるものです。
そして、その幸せを親しい友達と分かち合い、祝ってほしいと心から願っています。
彼らに悪気は一切ありません。友達だからこそ、純粋な気持ちで共有したいと思っているのです。
友達があなたのことを馬鹿にしているという「根拠」は、どこにもありません。
もしそう感じるとすれば、それはあなたの思い込みや、嫉妬心が作り出した被害妄想に過ぎないかもしれません。
「友達は私の状況を知っているのに、無神経だ」と感じるかもしれませんが、見方を変えれば、友達は「いつでもあなたの力になるよ」、「先に夢を叶えた者として、相談に乗る準備があるよ」という気持ちを込めている可能性もあるのです。
友達があなたを傷つけようとしているという根拠は、あなたの心の中の解釈でしかありません。
短気を起こさず、嫉妬からくる自己中心的な解釈で敵対心を抱くことは避けましょう。
人との縁を大切にしてください。
縁を切ることは簡単ですが、新しい縁を結び、育むことは非常に困難です。
一度「縁切り癖」がついてしまうと、人生が孤独になる可能性もあります。
縁は、人生の財産です。
大切に守りましょう。

3.友達の幸せを喜べない時こそ、人間性を高めるチャンス
友達の幸せを喜べずに悩んでいるあなたは、まず自分が自動的に比較をして、嫉妬の心理が働いていることを認識し、その感情を受け入れましょう。
「今、自分は比較と嫉妬によって、友達の幸せを喜べない状態なのだ」と。
そして、「いずれ自分も望むものを手にして、幸せになれる」と信じることです。
そうすれば、友達とあなたは、時期は違っても「同じ幸せを手にできる存在」として、同等に感じられるようになるかもしれません。
現代社会を生きる私たちは、幼い頃から学校での成績競争などを通して、常に比較され続けてきました。
その結果、比較と嫉妬の感情は私たちの心に深く根付き、目標を先に達成した他者に対して、激しい嫉妬心を感じてしまうこともあるでしょう。
比較と嫉妬は、現代社会を生きる私たちにとって、ある意味で「セット」で動いている感情なのかもしれません。

さて、友達が先に幸せになった。それを素直に喜べない。
このような時こそ、実はあなた自身の人間性を高める絶好のチャンスかもしれません。
無理に友達の幸せを喜べという意味ではありません。 大切なのは、「自分の目標とする幸せは、本当に今目指している選択肢でしか得られないのか?」と、視野を広げてみることです。
そして、「自分の目指している幸せはいずれ手に入る」と信じ、その幸せへの執着を少し手放してみることです。
その上で、他者のために何かをする、人の役に立つことをする、といった行動を始めてみませんか?
自分自身の「徳」を上げ、人間性を高める機会だと捉えるのです。
そうすることで、あなたの行動が変わり、付き合う人や周囲の人も変わっていく可能性があります。その変化の中で、人生を変えるような新しい幸せのチャンスや、これまで気づかなかった新しい価値観に出会うこともあるかもしれません。

自己の幸せに対する執着を手放し、人の為になる行動を心がけ、人間性を高める努力をしてみませんか?
それが、あなた自身の幸せにたどり着くための、一番の近道なのかもしれません。
そして、その過程で、友達の幸せを心から喜べる自分に出会えるようになるでしょう。
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