子どもがかわいくないと感じるあなたへ:育児ストレスとしつけの本当の意味
育児ストレスと「かわいいと思えない」感情の背景
お子さんがまだ小さくても、「かわいい」と思えないご自身の気持ちに戸惑い、悩んでいらっしゃるお母様方も少なくないのではないでしょうか。
「お腹を痛めて産んだ子なのだから、かわいくないはずがない」、「かわいいと思えない自分は母親失格なのではないか」と、ご自身を責めてしまうこともあるかもしれません。
しかし、そうした感情を抱いてしまうのは、決してあなたが「人間失格」だからではありません。
多くの場合、背景にあるのは心理的、時間的な「余裕のなさ」です。

日々の生活の中で、心にゆとりがない状態が続くと、お子さんにかわいがる気持ちを向けたり、その成長に目を向けたりすることが難しくなることがあります。
これは、あなたの心や感情に問題があるのではなく、ストレスフルな状態にあるため、感情や感じる力にまで余裕がなくなってしまっているのかもしれません。
一人で子育てや家事のすべてを完璧にこなそうとすると、心身ともに無理が生じやすくなります。
家事は完璧でなくても大丈夫、多少部屋が散らかっていても問題ありません。
大切なのは、「自分一人で抱え込まないこと」です。
子育ての悩みやストレスは、誰かと分かち合うことで軽くなるものです。
地域の育児相談や支援センターを活用したり、同じような悩みを抱えるママ友と情報交換をしたりするのも良いでしょう。
共感し合える仲間がいることは、何より心の支えになります。まずは、ご自身の心にゆとりを取り戻すための「頼れる場所」を探してみませんか。

しつけとは何か?本来の目的を見つめ直す
先日、Eテレの「すくすく子育て」で「しつけ」について大変示唆に富むお話がありました。そこでは、「しつけとは、本人(子供)のためであり、周りの人と生きるために身につけるもの」と解説されていました。
この言葉から考えると、「しつけ」の本質は、社会の中で円滑に生きていくための「社会性の獲得」にあると言えるのではないでしょうか。
そう捉えると、例えば「学校の成績が悪いから」という理由で、毎日何時間も勉強をさせ、理解できないと泣くまで叱りつけるような行為は、決して「しつけ」とは言えません。そもそも、学校の勉強ができるかどうかは、個人の能力に負うところが大きく、親の「しつけ」とは別の問題です。

「勉強ができないから厳しくしつける」という言葉は、もしかすると、親の都合や期待を押しつけるだけの「親本位な行為」になっているかもしれません。
勉強ができないことを理由に、子どもを長時間机に縛りつけたり、繰り返し叱りつける等をすると、子どもは自信を失い、萎縮してしまいます。
そうなれば、親の期待に応えようと無理をする一方で、自由な自己表現の機会を失い、心の成長が妨げられてしまいます。
本来、「しつけ」とは、子どもが周囲と調和しながら生きるための力を育むものです。
それが「厳しさ」の名のもとに、子どもの自主性や意思を奪うような「調教」になってしまえば、本末転倒です。
極端な場合、子どもの持つ「生命力」そのものを損なってしまう恐れさえあります。

しつけに悩むとき、あるいは子どもに「かわいさ」を感じにくいときには、まず自分自身の心の状態を見つめ直してみましょう。
そして、子どもの健やかな成長のために、本当に必要なことは何か。
その本質に立ち返って考えてみることが大切です。