MENU

毒親:逃げても追ってくるその「狂気」と向き合う

目次

「毒親」という言葉が示す、過去と現在進行形の苦しみ

近年、毒親という言葉が一般化しつつあります。
「毒親」とは具体的に何を指すのでしょうか?

私はこれまで、自分のホームページでこの言葉を使うことを避けてきました。
それは、私自身が自分の親を「毒」だとは思っていなかったからです。

しかし、このテーマについて深く考える中で、今、この言葉の持つ意味と、それに苦しむ人々の存在を無視することはできないと感じています。
そして、今回この言葉を使用することになりますが、安易に使うべきではないとも強く感じています。

「毒親」とは、子どもの人生を苦しめる親のことだと私は考えています。
親が子どもを苦しめる状況は、大きく分けて二つのパターンがあるように思います。

Index
1.過去の親の育児態度に問題があったケース
2.現在進行形で子供(成人した大人)を苦しめる親

1.過去の親の育児態度に問題があったケース

親がどのように子どもと向き合うかによって、子どもの性格形成は大きく左右されます。

幼少期の親との関係が、子どもが大人になってからの人間関係、自己認識、そして社会への適応にまで影響を及ぼし、生きづらさを抱え、人生の希望を見出せないケースは少なくありません。
これは、機能不全家族アダルトチルドレンといった言葉で代表される問題です。

親が意図的に子どもを苦しめようとして問題のある子育てをしたとは限りません(一部、悪意のある虐待を除いて)。

当時の親にとっては最善を尽くした結果だったのかもしれません。
しかし、結果として、子どもの心に深い生きづらさの種を植え付けてしまったことは紛れもない事実です。

しかし、子どもが成人した時、多くの場合、自分の人生の問題は自分で解決していかなければなりません。

親の責任を問う気持ちは痛いほど分かりますが、親に責任を問い詰めても、根本的な問題が解決することはほとんどありません。

過去、子育てに問題があり、子どもに生きづらさを与えた「毒親」。

しかし、今の親のあり方は、過去とは違うかもしれません。
もし、子どもが無事に成人し、現在の親が無害であるならば、それは「過去に毒親であった」ということでしょう。

私自身も機能不全家族の中で育ち、アダルトチルドレンの傾向があります。

子ども時代、親の私への接し方には明らかに問題がありました。
しかし、私が成人してからは、大きな問題はなかったと言えます。

それは、私が親と距離を取り、心理的に徹底的に線引きをしたことで、良くも悪くも、親が私の人生に深く入り込む余地がなくなったからです。

それでも、20歳以降、子育ての問題は顕在化し、人間関係などで支障をきたし、生きづらい人生であったことは確かです。
私がようやく人と構えずに話せるようになったのは、30代半ば以降のことです。

今でも、子どもの頃の問題を抱えている部分はあるかもしれません。
しかし、それはもう自分自身、あるいは信頼できる誰かの力を借りて解決していくしかない問題だと考えています。

「毒親」、「お前のせいで人生がめちゃくちゃだ」と、親を責める気持ちは分かります。

しかし、その怒りの感情は、最終的に自分自身へと向かい、あなたを苦しめることにもなりかねません。

過去は過去と割り切れない気持ちも理解できます。
しかし、もし今、親が「無害化」されているのであれば、少なくとも現在進行形においては「毒親」ではないと言えるでしょう。

2.現在進行形で子ども(成人した大人)を苦しめる親

これは、成人した子どもにつきまとい、その人生を狂わせる親のことで、真に現在進行形の「毒親」であると言えます。
具体的には、以下のような行動が挙げられます。

・電話やメールで常に繋がりを求め続ける

・罵倒や批判を執拗に続ける

・子どもの部屋や家に勝手に入り込む

・盗聴器を仕掛ける

・金銭を要求する

これらの行為をされ続ける、受け続ける側は、ストレスや生きづらさを通り越し、生きることさえ嫌になってしまうのではないでしょうか。

当オフィスでは現在進行形の「毒親」のカウンセリングは受け賜わっておりません

誠に恐縮ながら、心理オフィスステラでは、この「現在進行形の毒親」に関する問題や、具体的な対応についてのカウンセリングは承っておりません

親自身は自己を正当化し、自分に問題があるとは認識しないことがほとんどです。

そのため、話し合いでこれらの行為をやめるよう親に頼むのが理想ですが、それが理解できる親であれば、そもそもこのような悩みを抱えることはないでしょう。
絶縁という方法も選択肢の一つですが、それもまた容易なことではありません。

「逃げても、逃げても、追ってくる」。
これは「毒」というよりも、まるで「狂気」に近いものを感じさせます。

「幸福論者は、親の幸せを日々願えば、親も自分の幸せを自分自身に求め、自分の人生に専念し始める」と言うかもしれません(「願いは叶う」という主義主張)。

しかし、現実には、そこまで待っている余裕がないほど、当事者は追い詰められ、まさに「毒親に潰されかかっている」状態なのです。

もし、私が無責任なアドバイスをすることを許していただけるのならば、あえて一言申し上げます。

毒には猛毒を
ハムラビ法典100倍返し

これらの言葉から、イメージしてみてください。
無責任だからこそ書けることですが、あなたは自分自身の中に眠る「鬼」を解放し、鬼気迫る覚悟で闘わなければならないでしょう。

しかし、問題はその後に何が起こるか予測できないことです。
不測の事態、そして悲惨な結末を迎える可能性も否定できません。

だからこそ、私は責任を持って、現在進行形の「毒親」問題に対するカウンセリングを承ることができないのです。

これは、簡単にアドバイスできるような問題ではありません。
リスクが高すぎるのです。

私には、この「毒親」問題に対するカウンセリングはできません。
そして、カウンセリングを受け賜わることはありません。

何卒、ご理解とご了承をお願いいたします。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次