MENU

父が子育てに協力しない心理と理由:現代における父親の役割を考える

現代は「イクメン」という言葉が浸透し、父親が積極的に子育てに関わる時代へと変化しつつあります。

しかし、依然として子育てを母親に任せきりになっている家庭も存在するかもしれません。
もし今もそのような父親がいるとしたら、その背景にはどのような理由や心理が隠されているのでしょうか。

目次

父が子育てに協力しない様々な問題と心理

1.仕事が忙しすぎる:時間的制約が招く隔たり

日本社会は依然として、男性を中心とした企業文化が根強く残っています。
男性は重要な働き手と見なされ、その立場や役割によっては仕事量が偏り、残業も常態化しているケースが少なくありません。

結果として、帰宅時間が深夜になり、子どもの寝顔しか見ることができないといった状況が生まれます。このような場合、父親は子育てに協力しよう、参加しようと思っても、物理的に時間が取れないという現実的な制約に直面していることがあります。

2.仕事中毒(ワークホリック):自己価値の偏り

仕事に「中毒」や「依存」という言葉が当てはまるような父親も存在します。

彼らは、自分の価値が仕事を通してしか感じられない、あるいは組織での昇格や、組織の期待に応えることのみに自己価値を見出している場合があります。

その結果、仕事にのめり込み、文字通り「仕事中毒」や「仕事依存」となり、家族と過ごす時間が極端に短くなる傾向があります(休日も自主的に出勤するなど)。

このような父親は、「金を稼いでいるのだから文句を言うな」といった態度を示すこともあります。

しかし、この考え方には、家族における「父親としての役割」や、家族との絆の中で培われる「父親としての自己価値」がすっかり見落とされています。
経済的貢献はもちろん重要ですが、それだけが父親の役割ではありません。

3.家庭がストレスの源:居場所のない父親たち

中には、主に配偶者(妻)との性格や価値観の不一致が原因で、家庭に居づらさを感じている父親もいます。

特に、妻が口が立つタイプだと感じる場合、家に帰ることに抵抗を感じ、仕事が終わってもまっすぐ帰らず飲み屋に寄ったり、休日も趣味に没頭したりと、とにかく家庭にいること、妻と向き合うことを避けようとすることがあります。
当然、子育てにも非協力的になってしまいます。

このようなケースでは、子どもが可愛くないわけではないかもしれませんが、妻との関係におけるストレスが、家庭への帰属意識や子育てへの意欲を削いでいると言えるでしょう。

また、このような家庭では、必然的に妻と子どもの結びつきが強くなり、「母子密着」の関係が形成されることがあります。

結果として、父親が子どもと接する機会や場が、知らず知らずのうちに妻によって奪われてしまう可能性も否めません。

4.家庭・家族の問題から目を背ける:無責任な逃避

例えば、母親と子どもの関係に問題があることを認識していながら、その問題に関与したくないと考える父親もいます。

あるいは、子どもが不登校であることは知っていても、正面から向き合おうとしない。
このように、子育てや家庭の問題そのものから目を背け、放棄してしまうケースも存在します。

そして、彼らは「子どもの教育の責任は母親にある」というスローガンを掲げ、自身の無責任を正当化しようとします。
これは、父親として家族の問題に関与しないという無責任な逃避であり、家庭の長としての責任を放棄しているに他なりません。

5.子育てへの興味の欠如:未熟な自己中心性

一部の父親には、子どもの父親になったことに対する自覚が不足している場合があります。
子育てそのものに興味がなく、自分の時間は自分の好きなように使いたいという、未熟で自己中心的な心理から、子育てに協力しないという選択をする父親もいると考えられます。

「子育ての役割は妻に任せて、自分は遊びたい」という感覚が根底にあるのです。

以上、父親が子育てに非協力的なケースやその心理的背景について考えてみました。

子育てに協力する時間が取れなくても、子育てに「参加」はできる

家庭における父親の役割は、非常に大きなものです。

家長として、家庭の秩序を築き、家族全員の円満を考えることは、父親の大切な責任です。
自分の性格的な問題に振り回されたり、現実から逃避していたりしては、何も解決しません。(もちろん、長時間残業で帰宅が遅く、休日も体力回復のために休養が優先されるといった、仕事と経済的な事情が絡む場合は、やむを得ない側面もあるかもしれませんが…)。

父親が子育てに非協力的であると、家庭内のバランスが崩れ、夫婦間の不仲が子どもの成長に悪影響を及ぼす可能性も高まります。
父親の役割の重要性は、近年ますますクローズアップされています。

「妻に子育ては任せた」、「子どもが問題を抱えているのは、妻の教育の責任だ」。

このような言葉がまかり通る時代ではありません。
子どもは、父親と母親が協力して育てるものです。
たとえ子育てにおける役割分担があったとしても、常に妻(母)から子どもの状況を聞き、妻の苦労をねぎらうことは、父親として非常に大切なことです。

子育てに諸事情で直接参加したり、協力したりする時間が取れない場合でも、妻や家庭に気を配り、労りの気持ちを示すことを意識するだけでも、大きな意味を持ちます。妻に感謝し、ねぎらう行為もまた、立派な子育てに対する協力であり、夫婦の絆を深め、家庭を円満に保つ上で不可欠な要素と言えるでしょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次