なぜ同じ質問を何度も繰り返し聞いてくるのか?
同じ内容の質問を何度も繰り返す人が、あなたの周りにいませんか?
前回、丁寧に答えたはずなのに、また同じことを聞かれると、ついイライラしてしまうものです。
相手の理解力に疑問を持ったり、ネガティブな感情を抱いてしまったりすることもあるでしょう。
しかし、なぜ人は同じ質問を繰り返すのでしょうか。
心理カウンセラーの視点から、考えられる3つのタイプと、その背景にある問題について解説します。
同じ質問を繰り返す人の3つの心理パターン
Index
1.答えを「理解できていない」タイプ
2.「自己不確実感」が強いタイプ
3.悩み過ぎ・考え過ぎてしまうタイプ
4.考えすぎ・悩みすぎから抜け出すために

1.答えを「理解できていない」タイプ
最もシンプルに考えられるのは、前回聞いた内容を理解できていない可能性です。
この場合、本人の理解力に問題があるのかもしれません。
単なる記憶力の問題であれば良いのですが、場合によっては認知機能の問題が背景にあることも考えられます。

2.「自己不確実感」が強いタイプ
このタイプは、答え自体は理解しているものの、「本当に相手はそう言っただろうか?」、「自分の聞き間違いではないか?」と自信が持てないことが原因です。
自分自身の判断や記憶を信じられないため、何度も確認せずにはいられません。
これは、自己不確実感からくる不安や迷いが、同じ質問を繰り返させる心理につながっていると言えるでしょう。

3.悩み過ぎ・考え過ぎてしまうタイプ
心理カウンセラーとして最も多く見られるのが、このタイプです。同じ質問を繰り返す背景には、強い不安、悩み、迷いが隠されています。
何かについて考えすぎると、頭の中が霧がかかったようになり、何が正解かわからなくなってしまいます。
一度アドバイスを受けて心が落ち着いても、時間が経つにつれて「この場合はどうなるのだろう?」、「リスクはないだろうか?」と、再び考えが巡り始め、悩みはさらに深まっていきます。
同じ相談員に話せば、また同じことを聞いているように思われるかもしれませんが、彼らの中では悩みや不安が前回よりも複雑に膨らんでいることが多いのです。

4.考えすぎ・悩みすぎから抜け出すために
悩みや不安から抜け出すために大切なのは、「相談から得た答えをもとに行動してみる」ことです。
考えすぎはストレスを増大させ、心身の健康にも悪影響を及ぼしかねません。
まずは小さな一歩でもいいので、アドバイスを参考に、あるいは自分が最善だと信じた通りに動いてみましょう。
動いてみれば、必ず何かが変わります。
その結果が期待通りでなくても、そこからまた新しい発見や気づきが生まれます。
その新しい状況をふまえて、また誰かに相談したり、自分自身で考えたりすれば良いのです。
この「相談→行動→変化→相談」のサイクルを繰り返すことで、次第に悩みの霧は晴れ、進むべき道が見えてくるでしょう。