なぜすぐにアドバイスしてしまうのか?その心理と問題
誰かに悩みを打ち明けたとき、まだ話の途中なのに「こうすればいいよ」、「私はこう思うけど」と、すぐにアドバイスを返されてしまった経験はありませんか?
親身になってくれているのは分かるけれど、なんだか虚しくなったり、逆に腹が立ったり。
せっかく勇気を出して話したのに、突き放されたように感じることもあるかもしれません。
アドバイスする側は、良かれと思って言っているのでしょう。
しかし、なぜすぐにアドバイスをしてしまうのでしょうか。今回は、その心理について考えていきたいと思います。

すぐにアドバイスをする人の心理背景
Index
1.人の悩みを聞くのが苦手
2.問題解決を最優先に考える
3.自己主張が優先されてしまう
4.過去の経験からくる警戒心
5.アドバイスで優位に立ちたい
1.人の悩みを聞くのが苦手
「人の悩みを聞くこと自体が苦手」と感じる方は少なくありません。
深い話を聞き続けることに疲れてしまったり、どう反応すればいいか分からず戸惑ったりすることもあるでしょう。
そのため、早く話を終わらせたいという気持ちから、結論を急いでアドバイスをすることで、会話を区切りたいと無意識に考えているのかもしれません。
これは、その人の性格や特性であり、一概に責めることはできません。

2.問題解決を最優先に考える
「悩んでいるなら、さっさと解決策を見つけるべきだ」と考える人もいます。
特に、多忙なビジネスの世界で生きている人や、常に効率を重視する人は、この傾向が強く出るかもしれません。
このタイプの人にとって、相談者の話をじっくり聞くことは「遠回り」に感じられます。
最短で解決に導くことが相手のためになると信じているため、十分に話を聞く前に「問題解決」を目的としたアドバイスをしてしまうのです。
しかし、悩みを抱える人は、必ずしも解決策を求めているわけではありません。
ただ話を聞いてもらうことで気持ちを整理し、「聞いてもらえた」という安心感を得たい場合もあるのです。

3.自己主張が優先されてしまう
「私はこう思う」、「私の考えはこうだ」と、常に自分の意見や考えを伝えることを重視する人もいます。
このタイプは、人の話を聞くことよりも、自分の意見を主張することに価値を見出しています。
そのため、相手の話を聞きながらも、「次に何を話そうか」と自分の番を待っているような状態になりがちです。
相手の悩みの本質を理解する前に、自分の考えを伝えたいという衝動が強く働き、結果として的外れなアドバイスになってしまうことがあります。

4.過去の経験からくる警戒心
過去に、過度に依存的な人や、ネガティブな人との関わりで辛い経験をしたことがある人もいます。
そうした経験から、誰かに悩み相談を受けることに対して「また巻き込まれてしまうのではないか」という強い警戒心を抱いているかもしれません。
深く踏み込まれることを恐れるあまり、あえて親身にならず、適当なアドバイスをして距離を置こうとすることがあります。
これは、自分の心を守るための防衛策であり、決して相手を軽んじているわけではないのです。

5.アドバイスで優位に立ちたい
無意識のうちに、アドバイスをすることで優越感に浸りたいという心理が働く場合もあります。
悩んでいる人、困っている人に対して、自分が正しい答えを教えることで、「自分は優れている」と感じたい。この心理が動機になっていると、相手の話を聞くことよりも、自分の知識や経験をひけらかすことに意識が向いてしまいます。
その結果、相談者は「一方的に押し付けられた」と感じ、不快な思いをすることになるでしょう。

まずは「聴く」ことから
私たちは、誰かに悩みを打ち明けるとき、すぐに解決策が欲しいわけではない場合が多いものです。
まずは「ただ話を聞いてほしい」、「自分の気持ちを整理する手伝いをしてほしい」という気持ちがあります。
心理カウンセリングでも、まずはご相談者様の話をじっくりと傾聴することから始まります。
相手の悩みに共感し、受け止めてもらうことで、ご相談者様は「一人じゃないんだ」と感じ、気持ちが落ち着き、その後のアドバイスを柔軟に受け入れられるようになるのです。
もし、あなたが誰かに悩みを打ち明ける機会があったら、まずは「ただ聞いてくれるだけでいいんだ」と伝えてみるのも一つの方法かもしれません。
そして、もしあなたがアドバイスを求められたときは、相手の気持ちに寄り添い、十分に話を聞いた上で、そっと助言をしてみてはいかがでしょうか。