意味はその発現を待っている|生きる意味発見
私たちは、これから歩む人生の道や、何かを選択する際に、「この道に進むこと、これを選ぶことには深い意味がある」と強く感じ、決断することが多くあります。
では、その「意味」は、ある日突然、何の脈絡もなく現れるものなのでしょうか?
例えば、「自分の進路は、不登校の子どもたちを助けることにある」と決意した青年がいるとします。
彼は本当に、突然、瞬間的に、そう強く思ったのでしょうか?
私はそうは思いません。彼の心には、次のような深い思いがあったのではないでしょうか。

「自分も子どもの頃、不登校だった。そして、様々な人にお世話になり、今の自分がある。今度は、自分が生き抜く中で得た知恵や勇気を、今、不登校で苦しんでいる子どもたちに伝え、元気になってもらいたい。だから、私は不登校の子どもたちを支援する道を選ぶのだ」
このように、彼の進路決定における「意味」は生まれたのだと思います。
出来事の関係性から生きる意味を見つける
彼の例を詳しく見てみると、その意味がどこから生まれたのかが分かります。
- 自身の不登校の経験
- 不登校だった時に世話になった方々への恩返し
- 不登校を生き抜く中で得た知恵や勇気を、今苦しむ子どもたちに伝えたい
これら三つの「関係性」があってこそ、彼の中に「不登校の子どもを助けたい」という、今後の行動に対する強い意志決定、つまり「意味」が生じたのではないでしょうか。
これをもう少し掘り下げて言うと、「関係と関係の結びつきから、意味は生まれる」のです。

彼の例における「関係」とは、自身の不登校体験、世話になった人々への感謝、そして自分の知恵と勇気を役立てたいという願いです。
これら複数の「関係」が繋がり合うことで、彼の人生における意味が生まれ、今後の進路が決定されたのです。
人生は、様々な「関係」と「関係」が結びつくことで、その「意味」の発現を待っているのです。
そして、その見出された意味こそが、今後の行動における強い指針となります。
別の例を挙げましょう。
大学生が企業に提出する志望理由書や自己PRです。
彼(彼女)は、これまでの大学生活や様々な経験をPRしながら、「御社に対して、このように貢献したい」と、企業や職種との関連性、貢献できる点をアピールすることでしょう。
そして、この結びつきの中から初めて、彼がその企業に入社したいという強い「意味(志望動機)」が現れるのです。
「関係と関係の結びつきにより、意味は発現する。」

私たちは普段、何らかの意思決定に至るまでに、出来事や体験の「関係と関係性」を意識することはあまりないかもしれません。
しかし、自分の人生における重要な選択を決定する際、その「関係性」を深く考えた時、初めて私たちは過去の出来事や体験の意味を理解できます。
そして、「何のために生きるのか」、その「生きる意味」が鮮明に現れることが多いのです。
意味は、常にあなたの内側で、その発現を静かに待っています。
あなたのこれまでの経験や出会い、そしてそこから生まれた感情や思い。
それらがどう結びつくのか、じっくりと見つめてみませんか。