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他者のアドバイスを受け入れて起きたミス、その責任はどこにあるのか?

私たちは誰もが、ミスや失敗を経験します。時には、取り返しがつかないと感じるほど大きな失敗もあるでしょう。その原因はさまざまです。

自分の判断ミスであれば、それは自己責任です。
では、他者のアドバイスを受け入れた結果、ミスをしてしまった場合、その責任は誰にあるのでしょうか?
アドバイスをした人でしょうか?
それとも、そのアドバイスを受け入れることを選択した、あなた自身の責任でしょうか?

ミスを他者のせいにしたくなる心理と、その先に待つもの

私たちは、他者からのアドバイスを受け入れ、その結果ミスや失敗につながった場合、その原因をアドバイスをした人の責任だと考えがちです。

「あの人のアドバイスさえ聞いていなければ、こんなことにはならなかったのに」、「あいつが悪い、あいつの責任だ、許せない」と、アドバイスをした人に対して怒りを感じるかもしれません。
自分は騙された、被害者だと感じることもあるでしょう。

しかし、これは本当に相手の責任なのでしょうか?
アドバイスや意見を受け入れたのは、他でもないあなた自身です。

それが良いと判断し、実行に移したのは、あなた自身の選択です。
もちろん、相手に詐欺的な意図や巧妙な仕掛けがあった場合は、自己責任というよりは、反社会的行為に対する責任が問われるべきです。
しかし、そうではない場合、アドバイスをした人の責任とするのは、責任転嫁ではないでしょうか。

それでも、取り返しのつかないほどのミスや失敗をしてしまった現実、追い込まれる心理、そして深い絶望感は、計り知れないものです。

Index
1.ミスから生じる絶望感から逃れたい心理
2.自己の選択責任を他者に転嫁する人が失うもの

1.ミスから生じる絶望感から逃れたい心理

「あいつが余計な意見やアドバイスをしなかったら、こんなことにはならなかったのに、なぜ自分がこんなにも苦しまなければならないのか」。

このように相手への怒りが高まるのは、ある意味当然のことかもしれません。
なぜなら、ミスをした本人は、抱えきれないほどの苦しみを抱えているからです。
失敗の責任、他者からの叱責、「ダメな奴」というレッテル、再起不能への不安感、そして絶望感。

これら重くのしかかる気持ちから少しでも自分を解放したい、そのために、意見やアドバイスをした相手の責任にしたいと考えるのです。

「お前が不用意なことを言ったために、こうなったんだ」と。

このように他者の責任にすることで、背負っている苦しみからは、一時的にせよ逃れることができると感じるのです。誰しも、苦しみを背負い続けたいとは思いません。

この事例は責任転嫁であると私は考えますが、他者の意見やアドバイスを聞いて失敗した人を責める気持ちはありません。

また、他者の責任にしていることについても、いつか「これは、自分がその意見やアドバイスを良いと判断し、自ら受け入れて実行した結果、ミスや失敗につながったのだ。自分の選択の責任だった」と、時が経ち心が落ち着けば、気づいてくれるのではないかと信じています。

2.自己の選択責任を他者に転嫁する人が失うもの

しかし、残念ながら、ミスが生じたアドバイスを受け入れたのが自分の責任であると気づくことなく、生涯、失敗の原因を他者の責任、つまり責任転嫁し続けて怒り、今回の悪気のない意見やアドバイスをしてくれた人の悪口を周囲に言いふらし続ける人もいます。

ですが、その話を聞いた周囲の人は、「この人は何でも人の責任にする人だ、あまり付き合いたくないな」と感じるようになります。

結果として、自分自身の信頼を失っていくことにつながりかねません。

他者の意見やアドバイスを聞き入れ、失敗してしまった悔しさは、とてもよく分かります。
しかし、アドバイスをしてくれた人も悪気があったわけではないと気づけば、相手を許すこともできるのではないでしょうか。

そもそも、他者のアドバイスを受け入れ、実行したのは、あなた自身の選択権の行使であり、最終的な責任はあなた自身にあるのです。

もし、アドバイスをした人との縁を断ち切りたいのであれば、そうしても構いません。
それによって、今回のミスに対する心が落ち着くのであれば。

しかし、相手を恨み続けたり、責任転嫁し続けたりすることは避けてください。
ネガティブな感情を抱き続けると、周囲の人は離れていき、結果として、あなた自身が幸せから遠ざかってしまうかもしれません。

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