夫婦の悩み相談:関係改善のために
夫婦カウンセリングで「より良い関係」を築くために
夫婦関係の悩みは、多くの人が抱える深く、そしてデリケートな問題です。
カウンセリングは、夫婦の間で生じている問題を解決し、お互いを尊重し合える「より良い夫婦関係」を築くための有効な手段となります。
本ページでは、夫婦が抱える具体的な問題から、その改善策、そして心理カウンセリングの活用法について、深掘りしていきます

夫婦の問題と改善に向けて
Index
- 01:「永遠の愛」は変化するもの
- 02:夫婦の「よくある問題」とは
- 03:夫婦関係の問題が「子どもの心」に与える影響
- 04:夫婦関係を改善するための具体的なアドバイス
- 05:効果が低とされる夫婦カウンセリングのケース
- 06:夫婦カウンセリングの受け方
夫婦関係の悩み、その本質とは?
01:「永遠の愛」は変化するもの
「夫婦は永遠に一緒にいるべき存在」という理想を抱く人は少なくありません。
しかし、日本では約3組に1組が離婚しているという現実もあります。
もちろん、特にお子様がいらっしゃる場合、離婚は慎重に考えるべき選択です。
しかし、離婚もまた、人生の道のりであり、経験の一つと言えるでしょう。
心理カウンセリングに来られる方の中には、「離婚したくない」という切実な思いを抱えている方もいらっしゃいます。
恋愛感情というものは、時に激しく燃え上がり、そしてやがて落ち着いていくものです。
この激しい感情が結婚へと導く原動力となりますが、時間とともに穏やかな感情へと変化していくのは、人間の本質的な心の動きです。

これは「愛が冷めた」ということではなく、激しい感情が長く持続しないからです。
この変化の時期にこそ、夫婦がお互いを「一人の人間」として尊重し、そして「二人で一つ」のような共同体へと発展していくのが理想的です。
結婚後5年以内での離婚が多いのは、恋愛感情が落ち着き、相手を個人として尊重する関係への移行が難しかったり、恋愛感情によって見えにくかったそれぞれの問題が顕在化したりする時期だからかもしれません。
これらの問題をどう乗り越えるかが、共同体としての夫婦の役割なのです。

02:夫婦の「よくある問題」とは
夫婦関係における問題は多岐にわたります。
具体的には、以下のような悩みを抱える方が多くいらっしゃいます。
- 喧嘩が絶えない:些細なことから衝突が頻繁に起こる。
- 価値観の押し付け合い(パワーゲーム):自分の価値観を相手に押し付け、優位に立とうとする。
- 過度な期待と支配:相手に一方的に期待し、コントロールしようとする。
- 我慢と抑圧:どちらか一方が我慢を強いられ、感情を抑圧している。
- すれ違い・冷たい雰囲気:お互いへの興味が薄れ、会話も少なく、距離を感じる。
- コミュニケーション不足:気持ちや考えを伝え合えず、思いやりを感じられない。
- 共にいること自体がストレス:相手の存在が精神的な負担になっている。
- 過度な依存:精神的・経済的に相手に過度に依存している。

これらの問題は、パートナー個人の特性に起因することもあれば、夫婦それぞれが抱える問題がぶつかり合って生じていることもあります。
いずれにせよ、何が問題の根源となっているのかをじっくりと考え、話し合うことが、改善への第一歩となるでしょう。夫婦関係を真剣に改善したいと考えるのであれば、心理カウンセリングも有効な選択肢の一つです。

03:夫婦関係の問題が「子どもの心」に与える影響
夫婦間の問題、特に「喧嘩が絶えない」、「冷たい夫婦関係」を、私は「機能不全夫婦」と呼んでいます。これは、お互いがお互いを一人の人間として尊重できない関係性です。
特に問題となる機能不全夫婦の問題は、お子様がいらっしゃる場合です。
子どもにとって家庭は、心理学で言う「心の安全な基地」です。この「安全な居場所」を子どもに提供することが親(夫婦)の役割です。
しかし、機能不全夫婦では、残念ながら子どもにこの「安全な基地」を提供することができません。
さらに、子どもは客観的な思考力が未発達なため、物事をすべて主観的、自己のフィルターを通して判断する傾向があります。
そのため、「親の仲が悪いのは自分のせいだ」「自分がいなければ親は仲良くできるのに」と、自分の存在が原因だと考えてしまい、自己存在の否定や自己否定の根源を心に植え付けてしまうことがあります。

このような経験をした子どもは、どのような心の成長を遂げるのでしょうか。
また、親が夫婦関係のストレスから、子どもに対して感情的になり、叩いたり暴言を吐き続けたりした場合、子どもの脳が受けるダメージは計り知れません。
その結果、心が委縮し、自信を培えず、自己肯定感の低い青年へと成長してしまう可能性もあります。
さらに、子ども自身の心に育むべき「心の安全な基地」がないため、子どもは学校など社会生活におけるストレスを自分の中に閉じ込め、適応力の弱さを抱えてしまうことも考えられます。
このように、夫婦仲の悪さは、子どもの心と成長に深刻な悪影響を及ぼします。
したがって、夫婦関係の改善を目指すか、もし改善が難しいと判断される場合は、子どものためにも離婚という選択肢も視野に入れる必要があるかもしれません。
(ただし、お子様が就業するまでの養育費などの問題は別途考慮が必要です。)

04:夫婦関係を改善するための具体的なアドバイス
夫婦カウンセリングは、実質的には心理カウンセリングです。
私は夫婦関係も人間関係の一つと捉えています。
この視点から考えると、夫婦関係を良くするために最も重要なことは、お互いがお互いを一人の人間として尊重し合うことです。
では、夫婦がお互いを尊重するためには、何が大切なのでしょうか?
それは、相手を想う気持ちに他なりません。
その気持ちを形にするために、具体的な行動を考えていきましょう。
a) コミュニケーションの質を高める
良好な人間関係にコミュニケーションは不可欠です。
日中忙しくて時間が取れない日もあるでしょう。
その場合は、週末など、あえて夫婦のコミュニケーションを取る時間を決めてしまうのも良い方法です。

b) お互いの価値観を尊重する
価値観の相違で離婚に至る夫婦は少なくありません。
夫婦といえども、育ってきた環境や人生経験が違えば、価値観が異なるのは当然です。
大切なのは、その価値観の擦り合わせです。
感情的にならず、じっくりとコミュニケーションを取り、相手の価値観の背景や心理を理解しようと努めましょう。
お互いの価値観で合わせられる部分は合わせ、どうしても合わせられない部分については、可能であれば夫婦別々の行動を取ることも必要です。
例えば、新型コロナウイルス禍で「コロナ離婚」が増加したという事実からわかるように、常に同じ空間で過ごすことがストレスにつながることもあります。
夫婦であることは素晴らしいことですが、その前提には「一人の人間」であるという事実があります。
お互いの価値観を尊重し、時には別々の趣味や息抜きの時間を設けることも、夫婦として末永く仲良く共同体として過ごすために必要なことかもしれません。
常に「二人で一つ」である必要はなく、健全な距離感を保つことで、より良い関係を築けるのです。

c) 過度な期待を手放す
パートナーに多くを期待しすぎないようにしましょう。過度な期待は束縛につながり、ひどい場合はDV(暴力や恐怖でパートナーをコントロールすること)に発展する可能性さえあります。
もしパートナーに期待することがあるのであれば、その理由も含め、穏やかに伝えることが大切です。しかし、それでも相手がその期待に応える義務はありません。
「期待を手放す」と聞くと、夫婦の意味を問い直すように感じるかもしれません。しかし、過度な期待は強い執着となり、相手を尊重する行動を妨げ、結果的に夫婦関係を壊してしまう可能性が高いのです。
d) お互いを労い、感謝する
一日に何回、「ありがとう」という言葉をパートナーに伝えていますか?
夫婦がお互いの役割を果たすことを「当たり前」だと思わないことが重要です。
「当たり前は当たり前ではない」のです。
相手の努力があって成り立っていることを認識し、労いの言葉をかけるのは当然の行為ではないでしょうか。
この労いもまた、パートナーを一人の人間として尊重している行為なのです。

05:効果が低とされる夫婦カウンセリングのケース
私の心理カウンセラーとしての経験から、残念ながら効果が低いと感じるケースもあります。
もちろん、私の能力不足が影響している部分もあるかもしれませんが、以下のような状況では、カウンセリングの効果が出にくい傾向があります。
a)パートナーのどちらかが離婚の意思を固めている場合
心理カウンセラーは説教をする場ではありません。
離婚を固めている方の事情や気持ち、リスク、他の選択肢などはお伺いしますが、人生の大きな決断を、見ず知らずのカウンセラーとの短い会話で翻意させるのは非常に困難です。
b)自分勝手、自己中心的なパートナーの
自分のことしか考えられない人と共にいることで、本当に幸せになれるでしょうか。
日々不平不満を感じながら過ごすのであれば、別々に暮らす方が良い場合もあります。
また、喧嘩が絶えず、お互いを理解する能力が欠如している場合や、「譲れば負け」といった強い信念を持っている場合、カウンセラーの言葉が響かないこともあります。

c)幼い子どもがいる場合(経済的な問題が複雑に絡むケース)
本当は別れたいけれど、経済的な問題から離婚できない、という非常に難しい状況です。
心理カウンセラーが安易に離婚を勧めることはありませんが、喧嘩ばかりしている親であれば、子どもは「別れてくれたらいいのに」と思っていることも多々あることを認識してください。
また、「あなたが居るから離婚できない」など、離婚できないことを子どもに責任転嫁するような言葉は、子どもの心を深く傷つけ、その言葉は子どもが成人しても一生残ります。
子どもがいる場合の夫婦カウンセリングは、経済的な問題が複雑に絡むため、助言やアドバイスが難しい場合があります。
シングルマザーの経済的な辛さも理解しているからこそ、この問題は非常に悩ましいのです。

06:夫婦カウンセリングの受け方
夫婦のカウンセリングは、夫婦二人で受けるべきか、それとも問題を抱えているパートナーが一人で受けるべきか、迷う方もいらっしゃるでしょう。
- 夫婦二人で問題意識を共有している場合:お二人揃ってカウンセリングを受けられる方が、問題の解決に向けて有益な話し合いができるでしょう。
- パートナーの一方がカウンセリングに来られない場合:たとえパートナーが来られなくても、ご自身が変わることで、パートナーにも変化が起き、夫婦関係が良くなる可能性は十分にあります。
- ご自身の不満や気持ちを優先的に話したい場合:一人でお越しになる方が良いでしょう。ご自身の気持ちを話すことで、新たな気づきが得られることも多くあります。
カウンセリングは、直接的に他者を変えることはできません。しかし、ご自身が変われば、様々な変化が起こるのは事実です。
それが良好な夫婦関係へと結びつくでしょう。

夫婦カウンセリングを受ける際の注意点
夫婦でカウンセリングにお越しになる場合、どちらか一方(夫か妻)が一方的に話しすぎてしまうと、カウンセラーは話す方に焦点を当ててしまいがちです。
私自身は、話していない方にも会話を促すように配慮していますが、その際にまた一方的に話し始めてしまうと、公平な話し合いが難しくなります。
カウンセリングにおいては、話していないパートナーの意見にも耳を傾け、心の余裕を持って話を聞く姿勢が非常に重要です。
それによって、多くの気づきが得られるでしょう。
私はカウンセラーとして、パートナーのどちらか一方の味方をする意図は一切ありません。
誰かを裁きたいとも思っていません。夫
婦カウンセリングに対する私の気持ちをご理解いただけますと幸いです。
そして、夫婦の問題解決に向けてですが、夫婦はそれぞれが一人の人間です。
人は皆、それぞれが問題や悩みを抱えて生きています。
夫婦の問題に見えても、実は夫婦それぞれが抱えている問題と問題がぶつかって生じているのかもしれません。
このように考えると、感情的に相手を責めることなく、冷静に自己分析ができ、お互いが抱えている問題を洗い出し、夫婦で建設的に話し合うことができるかもしれません。
東大阪で夫婦の問題に関するカウンセリングを受け付けております。

受け賜っていない夫婦カウンセリングについて
恐れ入りますが、以下の内容については当ルームではカウンセリングを受け付けておりません。
- パートナーの性格を変えることなど、問題意識のない一方的なご相談
- モラルハラスメント(モラハラ)やドメスティックバイオレンス(DV)に関するご相談(広範囲な専門的支援が必要となるため)
- 性の悩みに関するご相談
- 離婚のための手続き的なカウンセリング
夫婦関係の悩みは、一人で抱え込まず、専門家の力を借りることも大切です。
もし今、夫婦関係でお悩みのことがありましたら、ぜひ一度ご相談ください。