何でも人のせいにする人の心理と問題|常に親に責められた可能性
責任転嫁の心理:何でも人のせいにする人の心理と問題と解決策

Index
1.何でも人のせいにする人の心理
2.親に何でもあなたの責任と責め続けられてきた可能性
3.何でも人のせいにする人には客観的な思考力が必要
1.何でも人のせいにする人の心理
自分にとって不都合なことが起こった際、その原因を客観的に分析することなく、すぐに誰かのせい、誰かの責任にしてしまう人がいます。
このような責任転嫁をしてしまう人には、どのような心理が働いているのでしょうか。
何でも人のせいにして責める人は、自分を振り返る能力や自己反省能力が低い傾向にあります。
つまり、自分にも問題や原因があるのではないか、と考えることができません。
その結果、自分の問題点を見つけることができず、自己成長の機会を失ってしまうことになります。
また、何でも人のせいにする人は、他人をコントロールし、支配しようとする傾向も見られます。
「あなたのために辛い思いをするのは嫌だ」、「あなたがこんなことをするから、私が苦しんでいる」といった言葉は、その典型です。

本当は自分自身に問題や原因があるのかもしれないのに、それを自分の責任とは考えず、他人のせいにしてしまうのです。
自分が抱く感情は本来、自分の責任であるはずですが、「なぜ自分がこの嫌な感情を持たなければならないのか。この嫌な感情を持ったのは相手の言動の責任だ」と考え、相手を責めます。
そして、起こった結果の責任も、自分にも関係があるはずなのに、全てを他人の責任とします。
これは「自分は悪くない、相手の責任だ」という主張であり、相手を責め続ける行動へとつながります。
しかし、なぜこのような行動や心理が生まれるのでしょうか。

2.親に何でも自分の責任だと責め続けられてきた可能性
何でも人のせいにすることは、一見楽な道に見えます。
無意識のうちに自分が楽をしたいという思いから、何でも他人の責任にしてしまうのでしょうか?
それとも、生まれ持った気質や性格が要因なのでしょうか?
ここで考えられるのは、生育歴です。
何でも人のせいにする人は、幼少期に親から「お前のせいで…」と責められ続け、「自分が悪い」、「自分の存在が悪い」と思い込む経験を繰り返してきた可能性があります。
一度は自分を責め続け、抑うつ状態に陥ったかもしれませんが、やがて心理的なバランスを取るための自己防衛が働き始めます。

そして成長するにつれて、「悪いのは自分ではなく他人だ」、「私は正しい」という思いを強化し、発展させていったのかもしれません。
あるいは、親同士が「あなたのせいで…」、「お前が悪い」といった言葉で互いを責め合う姿を、常に見て、聞かされ続けてきた可能性もあります。
この「何でも相手の責任にすればいい」という人生態度や人間関係を、親のあり方から学習してしまったのです。
その結果、何でも人のせいにする責任転嫁の心理が形成されてしまったと考えられます。

3.何でも人のせいにする人には客観的な思考力が必要
何でも人のせいにする人は、自分に問題や原因があるとは考えず、自分に接する人や自分に関係がある人に原因があると責任転嫁をします。これは、自分を守るための行動でもあります。
常に親から責められ続けた結果、「これ以上責められたくない」という思いが強いのかもしれません。
あるいは、親の態度から「責任を擦り付け合う」という人生態度を学んでしまった、無意識に刷り込まれてしまった結果なのかもしれません。
このように考えると、何でも人のせいにする人は、幼児期や子供の頃に辛い家庭環境に身を置いてきたことが理解できます。

そして、何でも人のせいにする人が回復するためには、以下のステップが必要となってきます。
a)自分を振り返ること
b)自分の思考の癖を捉えること
c)客観的な思考能力を身につけること
d)そして、自分を意識的に変えていく作業です。
具体的には、「その問題は本当に自分の問題ではないのか?」と常に疑問を持ち、「自分にも原因があるのではないか?」と考える思考力を養うことです。
この思考力を培うために、心理カウンセリングを受けることも有効な手段の一つです。