【カミングアウト】重要性と理解されないリスク

April 18, 2017July 10, 2025

カミングアウトがもたらす効果と、その背後にある深い意味

1.カミングアウトがもたらす効果について

私たちは皆、誰にも言えない悩みを抱えることがあります。
そんな時、信頼できる友人や仲間にカミングアウト（打ち明けること）を選ぶと、大きな変化が訪れることがあります。

もし打ち明けた悩みが受け入れられたなら、それはまるで自分自身に「OK」を出す瞬間のようです。
自己否定のループから抜け出し、心が軽くなる経験は少なくありません。

たとえば、人との関わりに不安を感じている人が、その悩みを打ち明けることで、「自分だけじゃないんだ」と多くの人が同じ悩みを抱えていることを知ったり、ありのままの自分を受け入れてもらえたりするかもしれません。
そうした経験が、抱えていた問題の緩和につながることはよくあります。

テレビ番組などで、トランスジェンダーの方々がカミングアウトし、周囲に受け入れられ、肯定されることで、現在の自分を認め、前向きに進んでいく姿が紹介されることがあります。

まさにカミングアウトは、他者に認められ、自分自身を肯定する力を与えてくれるのです。

2.カミングアウトに伴うリスク：理解されないこと、そして否定的な反応

しかし、カミングアウトには大きなリスクも伴います。
それは、打ち明けた相手があなたの悩みを受け入れてくれるとは限らない、という点です。

場合によっては、カミングアウト後に否定されたり、拒絶されたりする可能性もゼロではありません。だからこそ、カミングアウトする相手が本当に信頼できる人なのかを見極めることが重要になります。ですが、その見極めは決して簡単ではありません。

もしカミングアウト後に否定的な反応や拒絶が返ってきたとしたら、残念ながらその相手は「真の友人」ではなかったと考えてもいいでしょう。

なぜなら、あなたが精一杯、誠実に打ち明けた悩みに対して、冷たい反応を返すということは、あなたを理解しようとしない態度に他ならないからです。
この時点で、彼らとの今後の付き合いは難しいと感じるかもしれません。

そんな時は、新しい友人や仲間を見つけることが大切です。
決して、否定された自分自身をさらに否定することなく、最善を尽くしてカミングアウトした自分を褒めてあげてください。

そして、あなたを理解しようと努力しなかった彼らにこそ問題があった、あるいは「縁がなかった人たち」だと考えればいいのです。
あなたの勇気を否定する必要は全くありません。

私が特に懸念している2つのカミングアウト

私がカミングアウトに関して特に懸念している点が2つあります。

1.親に対して抱えている批判的な感情のカミングアウト

親との関係性は人それぞれで、親が子どもにしてくれたことも様々です。
中には、親からの言動によって心に深い傷を負い、問題を抱えながら生きている方も少なくありません。

しかし残念ながら、親に対する否定的な感情や批判を理解してくれる人は多くないのが現実です。
「親はそんなつもりではなかっただろう」、「それでも親なんだから感謝すべきだ」といった反応が返ってくることも少なくありません。

これは、相手が自身の親子関係を基準に話を聞いているためです。
機能不全家族の経験がなく、親の存在や関係性が「規格外」であるという自己認識レベルの理解が難しいのです。

もし親子間の問題や抱いている感情について話したいのであれば、友人や仲間ではなく、同じ悩みを抱える人の集まり（アダルトチルドレンの自助会など）に参加して話す方が安全でしょう。
もちろん、親子関係や機能不全家族の問題を経験した友人がいる場合は、話してみる価値はあるかもしれませんが、慎重に判断することをお勧めします

2.あまり知られていない「心の病気」に対するカミングアウト

「うつ病」を患っていることをカミングアウトしても、現代ではうつ病への理解も深まり、友人や仲間も理解を示してくれることが多いでしょう。

しかし、私が患っている強迫性障害のように、まだまだ一般的には理解が進んでいない心の病気もあります。
強迫性障害は複雑で、おそらく経験したことのない人にカミングアウトしても、理解してもらえない確率の方が高いかもしれません。

したがって、こうした心の病気に関するカミングアウトも、同じ悩みを抱える人が集まっている場で話すのが望ましいと言えます。