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おとなしい人が「怒ると怖い」のはなぜ? その心理と背景

普段、物静かで穏やかな人が一度怒り出すと、その豹変ぶりに恐怖を感じる、という話を聞いたことがあるかもしれません。
なぜ、普段おとなしい人が怒ると、人はこれほどの衝撃や恐怖を覚えるのでしょうか。

その背景には、普段のイメージとのギャップだけでなく、おとなしい人特有の心理状態や、怒りのエネルギーの制御に不慣れであるといった問題が隠されていることがあります。

それでは、おとなしい人、物静かな人は、どのような心の状態の時に、そしてどのような心理で「怒り」を表すのでしょうか。

おとなしい人の「怒り」の心理と、その行動パターン

Index
1.自分の世界への深い没頭と、それを阻害された時の爆発
2.感情表現の不慣れさと、制御を失った怒り
3.健全な怒りとの向き合い方

1.自分の世界への深い没頭と、それを阻害された時の爆発

このタイプの方は、普段から人への興味が薄く、自分の好きなことや熱中できることに深く集中することで、心の安定を保っています。
彼らにとって、その「自分の世界」は生きがいそのものであり、そこに没頭している時間は至福の時です。

しかし、もし他者がその集中を妨げたり、大切な世界を邪魔したりしたらどうなるでしょうか。
普段人に関心がないだけに、自分の楽しみや熱中しているものを「奪われる」と感じた時の怒りは、常軌を逸したものになる可能性があります。

「邪魔するな」という感情が、まるで積もり積もったマグマのように噴き出すのです。

近年、ゲーム依存が社会問題となっていますが、まさにその典型的な例と言えるでしょう。
ゲームに熱中している人に不用意に声をかけた途端、激昂されるケースがあります。

人間関係が希薄で、特定の「好きなこと」への没頭が生きる全てとなっている場合、その活動を邪魔されることは、彼らにとって世界の終わりにも等しく、鬼の形相で激怒することになるのです。

2.感情表現の不慣れさと、制御を失った怒り

自分の感情を表現することが苦手な人は、喜怒哀楽すべての感情を抑え込んで生きている傾向があります。

では、普段は物静かで感情を内に秘めている人が怒ると、なぜこれほどまでに怖いと感じるのでしょうか?
それは、その怒り方が尋常ではないと感じられるからかもしれません。

a)「怒り方」が分からない不器用さ

普段から感情を抑制している人は、怒りの表現方法を適切に学習していない場合があります。
「このくらいで伝えれば相手に伝わるだろう」というような、怒りの「手加減」を知らないのです。

そのため、ひとたび感情が爆発し、怒りの感情に飲み込まれてしまうと、我を忘れてしまうことがあります。
その怒りは、他者から見れば異常なほどに映ることがあるでしょう。

b)「これ以上近づくな」という威嚇の表現

おとなしく静かな人は、自分の心の平穏を乱されることや、他者に無遠慮に自分の内側に入り込まれることを嫌う傾向があります。

あまりにも無礼に、限度をわきまえずに他者が自分の心の静けさを破壊しにかかった時、彼らは「戦闘モード」となり、相手を威嚇し、遠ざけるために激しい怒りを示すことがあります。

普段穏やかな人が突然豹変し、鬼のような形相で怒鳴りつけたら、多くの人は恐怖を感じるでしょう。この場合、怒りの表現の動機には、相手を震え上がらせて「これ以上、踏み込まないでほしい」という強い警告が込められています。

本来であれば、自分の素直な気持ちを伝え、相手に配慮を求めることができれば良いのですが、適切な怒りの伝え方が分からず、威嚇や脅しの形で感情を爆発させてしまうのです。

c)常に怒りを抑え込んでいる内面

物静かな人の中には、実は非常に怒りやすく、些細なことで激昂してしまう気質を持っている人もいます。

しかし、そうなる自分を常に意識しており、その破壊的な怒りを表に出すことを恐れ、普段からなるべく静かに過ごし、心の平穏を保とうと懸命に努力していることがあります。

他者からは「おとなしい人」としか見えないかもしれませんが、実際は内面に強い怒りを抱え、それを外に出さないように必死で抑え込んでいるのです。

もし、彼らをからかったり、不用意な一言を発したりした瞬間、その抑え込んでいた怒りの堰が一気に決壊し、まさに恐怖を感じるほどの圧倒的な怒りのエネルギーにさらされるかもしれません。

3.健全な怒りとの向き合い方

いずれにせよ、怒りは非常に強い破壊的エネルギーです。
その放出には、注意と自己制御力不可欠です。感情を内に溜め込みすぎることも、感情に任せて爆発させることも、健全な人間関係を築く上では避けるべきでしょう。

適切な怒りの表現方法を学ぶこと。
そして、感情の波に飲まれる前に、自分の心の状態を認識し、冷静に対処する力を養うことは、より良い人間関係を築き、自分自身を大切にする上で非常に重要です。

もし、感情のコントロールに難しさを感じたり、怒りの適切な表現方法について悩んでいるのであれば、心理カウンセリングは有効な手段となり得ます。

専門家との対話を通じて、ご自身の感情のパターンを理解し、より健全な対処法を身につけることができるでしょう。

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