親への復讐心からの反社会的行動と、本当の自立
長年、親のために生きづらい思いをしてきた方の中には、その親に復讐してやりたい、親を困らせたい、自分と同じように生きづらい思いをさせたい、そうした強い感情を抱き続けている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
親に対する復讐動機と反社会的行動の関係性
Index
1.親への復讐動機からの行動では、真の自立は果たせない
2.例外としての自立への道:償いと自己変革
3.自立は、生涯をかけて発展する自己対話
4.復讐心を乗り越え、自分自身の人生を生きる

1.親への復讐動機からの行動では、真の自立は果たせない
はっきりと申し上げます。
親への復讐を動機とした行動では、本当の意味での自立はできません。
親への復讐心からくる行動で最も危険なのは、「道を踏み外してしまうこと」です。
その典型例が、反社会的、非社会的な行為や、他者に迷惑をかける行動でしょう。
私は、基本的に個人の自由な行動を尊重しますが、他者に迷惑をかける行為は決して容認できません。
法律や公序良俗は、私たちが社会で共生していく上で不可欠なものです。
では、なぜ親への復讐を動機とした行動では、自立ができないのでしょうか?

それは、自立とは、自分の行動について自分で深く考え、その責任を自分で引き受けることだと考えているからです。
つまり、主体的に思考し、行動を推進し、そして行動の結果に対して責任を持つこと。
ここで言う「責任」とは、罪や罰を意味するのではなく、自分の行動を客観的に評価し、改めるべき点は改め、認めるべき点は認める、という健全な姿勢を指します。
経済的な自立だけでなく、精神的、心理的な自立が何よりも重要です。
親を困らせるために他者に迷惑をかけても良い、という考え方は決して成立しません。
親への復讐を動機とした反社会的行動は、あまりにも自己中心的と言わざるを得ません。
そうした問題を起こせば、最終的には自分自身が公的機関から罰せられることになります。

2.例外としての自立への道:償いと自己変革
しかし、親への復讐心を動機とした行動が、結果的に自立へと繋がる例外も存在します。
それは、他者に迷惑をかけた自身の行動を深く反省し、その償いを積極的に行う時です。
この時、過去の自分の行動と真摯に向き合い、次に自分は何をすべきかを主体的に考え、社会貢献活動を行ったり、他者や社会との繋がりを積極的に築いたりすることで、秩序や他者を大切にする意識が芽生えます。これこそが、自立への確かな一歩となるのです。
また、反社会的な行動の渦中にあっても、心ある人との出会いを経験することで改心したり、さらには、他者に感謝される行動を取れるようになったりすれば、人生の展開は大きく変わります。
そうして、自立への道が確かに開かれていくでしょう。

3.自立は、生涯をかけて発展する自己対話
「自立」という言葉は、曖昧に感じられるかもしれません。
しかし、私たちが何らかの行動をすれば、必ず他者に反応や影響を及ぼし、その反応や影響は最終的に自分自身に返ってきます。
自分に返ってきた反応や影響を、自己が認識し、そこから反省し、行動を変容させていく。
この連続こそが、自分自身を望ましい方向へと変えていく可能性を秘めているのではないでしょうか。
このように考えると、自立とは常に現在進行形であり、絶えず自己との対話を大切に行い、自分自身をチェックしていくプロセスです。
そして、自立とは生涯をかけて発展していくものなのかもしれません。

4.復讐心を乗り越え、自分自身の人生を生きる
たとえ最初は親への復讐心を動機として行動したとしても、最終的に自立へとたどり着くことは可能です。
しかし、そのためには「自己反省能力」が強く求められます。
もし今、親への復讐心から、反社会的行為や他者への迷惑行為を行おうと考えているのであれば、どうかその考えを即刻改め、立ち止まってください。
そのような行動は、そもそもあなた自身を大切にできず、結果としてあなた自身を深く傷つける行為に繋がります。
親への復讐のために、あなた自身を損ない、傷つけてしまっては、何の意味もありません。

それよりも、親のことはいったん置いておき、あなた自身の人生に専念してください。
そして、温かい他者との触れ合いや出会いを大切にしてください。
あなたが変わり始めれば、きっと周りの世界も変わっていきます。
新たな出会いが人生を変え、そして、あなたの運命すらも変えるほどの強力な力を、あなた自身が持っていることを忘れないでください。
きっと、今まで抱えてきた生きづらさが報われ、あなたの人生は良い方向へと変わっていくでしょう。可能性の扉は、いつもあなたの目の前に開かれているのですから。