夜の仕事から昼の仕事への転職は本当に難しいのか?
先日、NHKで夜の仕事に就かれている女性たちの、昼の仕事への転職活動やその支援の実情を追った番組を拝見しました。
コロナ禍という厳しい時代背景もあり、以前に比べて転職が難しくなっているという現実が描かれていましたが、一方で、実際に転職を成功させ、昼の職場で活躍されている方もいらっしゃることも紹介されていました。
夜の仕事と昼の仕事では、求められるスキルや能力は一見すると全く違うように思えるかもしれません。
しかし、どちらも「人を相手にする」という点では共通しており、営業や販売といった職種においては、コミュニケーション能力、気配り、そして笑顔など、共通して活かせる能力があるのも事実です。
では、これらの共通する能力をいかに面接でアピールし、自分自身を「売り込む」ことができるのか。そして、面接官や企業の文化との相性もまた、転職を左右する重要な要素となるでしょう。

夜の仕事と昼の仕事における「コミュニケーション能力」の意外な違い
さて、夜の仕事と昼の仕事で共通するスキルがあるとはいえ、実はそのコミュニケーション能力には微妙な違いがあることをご存じでしょうか。
夜の仕事における接客では、常にお客様が主役です。
お客様に寄り添い、聞き役に徹することで、癒しや元気を提供することが主眼に置かれます。
これは、お客様の話を受け止める「受容体になる」コミュニケーションと言えるでしょう。
もし、自分が一方的に話したり、お客様が聞き役に回って疲れてしまったりすれば、良い接客とは言えませんよね。
お客様の気持ちを上手に引き出し、笑顔になってもらうことが、夜の仕事で求められる大切なスキルなのです。
しかし、営業や販売といった昼の仕事では、最初は確かにお客様の要望を聞く傾聴力が必要です。
ですが、その後に求められるのは、商品やサービスを積極的に「売り込む」力、つまり自己PR力や提案力です。
この「売り込む」コミュニケーションスキルや積極性があるかどうかは、夜の仕事から昼の仕事へ転職する際に、企業が重視するポイントとなることが少なくありません。

Index
1.転職の第一関門:自己PR力の重要性
2.心理カウンセラーのスキルにも通じる「受容と自己PR」
3.成功への鍵は「熱意」と「一歩踏み出す勇気」
1.転職の第一関門:自己PR力の重要性
転職活動における最初の大きな関門は、やはり面接です。
ここでは、あなたが自身のスキルや能力、志望理由、そして入社後に会社へどのように貢献できるのかを、自分自身で積極的にアピールしなければなりません。
夜の仕事で培われたお客様の話を聞く力や相手に寄り添う姿勢は、どの職場でも間違いなく活かせる素晴らしい能力です。
しかし、それに加えて、自分を前に出す「自己PR力」を潜在的に持っているかどうかが、昼の仕事(特に営業や販売など)への転職の活路を開く鍵となります。
実際に、自己PR力は、どのような仕事においても、円滑に業務を遂行する上で非常に重要な能力です。

2.心理カウンセラーのスキルにも通じる「受容と自己PR」
夜の仕事で培われるコミュニケーションスキルは、実は心理カウンセラーのスキルと似ていると感じることがあります。
カウンセリングは、まずクライエントの話を「傾聴する」ことから始まります。
アドバイスや助言を行うにしても、やはり「聞くこと」が最も重要なのです。
私自身の話になりますが、もし「営業職が務まりますか?」と尋ねられたら、自分を積極的に打ち出すような自己PR力は、正直なところあまり持ち合わせていないと感じます。
コミュニケーションスキルは大きく分けて、以下の2つに分類できるかもしれません。

a)受容的・傾聴的コミュニケーション能力:相手の話をじっくりと聞き、受け止める力。
b)自己PR的・積極的コミュニケーション能力:自分自身や商品・サービスを積極的にアピールし、分かりやすく説明する力。
同じ「コミュニケーション能力」という言葉でくくられていても、これらは性質が異なるため、他の職種へ転用することが難しいタイプのコミュニケーション能力もあると言えるでしょう。

3.成功への鍵は「熱意」と「一歩踏み出す勇気」
夜の仕事から昼の仕事への転職を考える際、面接で必須となる自己PR力や積極性をいかに打ち出すかが重要になります。
もし、これらの能力を潜在的に持っていれば、面接でもさほど苦労なく発揮できるでしょう。
しかし、もしそうでないと感じる場合は、面接練習などを行い、時間をかけて準備する必要があるかもしれません。
何よりも大切なのは、あなたの「やる気」と「熱意」をいかに面接官に伝えるかです。
自分が一歩前に出る気持ちで、積極的にチャレンジしなければ、あなたの真剣な思いは相手に届きにくいかもしれません。