自虐ネタで笑いをとる・自分を大切に出来ない心理

自分で自分の事を、変に表現する、自分をいじめるような表現で、周囲の笑いを取る人を、自虐ネタで笑いをとる人と言います。

これが、お笑い等のお仕事にされている方であれば、自虐ネタで笑いを取ることに問題はないと思うのですが、一般の人が、自虐ネタで周囲の笑いを取ろう、誘おうとすると、これは、その方の心理的な問題を見ることにつながります。

Index
1.シーンとした雰囲気は苦手
2.周囲を和ませる事が自分の役割と思っている
3.自分の淋しさを周囲から笑いを得ることで紛らわす
4.人気者になりたい心理

1.シーンとした雰囲気は苦手

人によっては、笑い、活気、盛り上がりのないシーンとした雰囲気の中、他者といることが耐えられないと、訴えられる方がおられます。

何が絶えられないのか、深い理由は分からないのですが(深層心理)、考えられることは、子供時の親子関係にありそうです。

子供時の親子関係において、常に家庭内がピリピリした雰囲気、居るにいられない雰囲気の家庭の場合、子供が無理をして、親や兄弟の笑いを取ろう、誘おうとして、自虐的なことを行い、笑いを誘おうとする場合があります。

それにより、家庭内が和み、その子供はシーンとした活気のない家庭の雰囲気、重圧から解放されるのです。

子供がその家庭において、心の安全を求めて暮らすためには、家庭内を自虐ネタ、自虐行為で和ます必然性があったのです。

2.周囲を和ませるのが自分の役割と思っている

上文の、「シーンとした雰囲気は苦手」、この苦手と関係します。

子供時よりシーンとした、ピリピリとした、家庭内を自虐ネタ等で笑わす、和ましてきた子供にとっては、成長しても、子供時を感覚的に思い出させる、シーンとした雰囲気、ピリピリした雰囲気は苦手であり、その雰囲気を変えることが、無意識ではありますが、自分の役割と思い込んでいることがあります。

自虐ネタを披露することにより、場の雰囲気を変えることが、自分の役割であであり、役割を果たしていると思い込んでいるのです。

しかし、様々な場において、雰囲気がシーンとしている、ピリピリしている、活気がない等は、よくあることです。

これは、参加者全員が作り出している雰囲気です。

それを、あなた1人が、「場の空気を変えなければ」という役割を背負い、自虐ネタ等を披露、その場を変える責任義務があるのでしょうか?

もし、場の空気を変えることが自分の責任と思われているのでしたら、本当にそうなのか。
カウンセリングを受けられて、客観的に考えることも必要でしょう。

あわせて、カウンセリングにおいて、子供時の家庭環境を振り返り、自分が自虐タネで笑いを取る役割を背負った経緯を振り返ることも、有効かもしれません。

自虐ネタで場の雰囲気を変ようとするリスク

さて、シーンとした雰囲気、ピリピリした雰囲気が苦手で、自虐ネタ等において、笑いを誘い、場の雰囲気を変えようとすることのリスクについて書かせて頂きます。

その場によっては、例えば、会社の会議等、ピリピリした雰囲気が当然の場もあります。
しかし、この雰囲気には我慢できない等、そこで、自分の役割を発揮しなければと心理的動機より、自虐的な行為を行うと、当然、周囲からは雰囲気の読めない人等の評価、レッテルを貼られます。

どのような場において、自虐的な行為、また、無理をして笑いを誘う行為がNGなのか、この点においても、考える必要があるでしょう。

3.自分の淋しさを周囲から笑いを得ることで紛らわす

さて、場の雰囲気を変えたくて、自虐的行為を取る人の中には、もっと場を盛り上げたい、そして、自分が慢性的に抱えている淋しさを解放したい、紛らわしたいという思いで、周囲の盛り上げ、笑いを取ろうとする人もいます。

少しはじけたような感じで、現実逃避も重なっているのかもしれません。

また、淋しさと関連するのですが、「自分が場の中心にいたい」、「自分が目立っていたい」心理も、自虐ネタにより周囲の笑いをとる、誘う行為へと行動化されるでしょう。

いずれにせよ

・自分の淋しさを周囲から笑いを得ることで紛らわす
・自分が場の中心にいたい
・自分が目立っていたい

これらの心理には、自己の抱える淋しさ、虚しさ、心にぽっかりあいた穴のようなものを感じます。

その原因は何なのか、心理カウンセリング、セラピーは問題解決に有効であると思います。

4.人気者になりたい心理

自虐ネタを通して、人を笑わせて、人気者になりたい心理もあると思います。

お笑い芸人の方であれば、この動機は理解出来るのですが
一般人の方においてはどうでしょう。

自分をさらして、笑い者にするということは、周囲から、バカにされる、軽くみられることにもつながりません。

面白いやつだけど、くだらない奴という評価。

宴会やパーティーの場では、盛り上げ役として重宝されるかもしれませんが、見ている方は、嘲りの笑みを浮かべているかもしれません。

人気者になりたいから、自虐ネタをする。

そもそも、なぜ、人気者になりたいのですか。

一般社会を生きるにおいて、人気者になる必要はあるのでしょうか。

なぜ、自分が自分を笑い者にしてまで、人気者になりたいのか、その動機と心理を振り返る必要もあるかもしれません。

自分を大切に出来ていない心理

さて、自虐ネタを取る心理について、様々なケース、パターンを見てきました。

共通して言えること。

「自分を大切に出来ていない」のではと感じます。

そもそも、自虐ネタじたい、自分を低く見積もり、周囲の笑いを取る行為です。

自分を低く見積もる、自分を低く位置づけることじたい、自分を大切に出来ていないのではないでしょうか。

おそらく、自虐ネタで笑いを誘われる方は、「自分を大切に出来ていない」、この問題は、習慣化されており、気づかれていないかもしれませんが。

自分を確立させ、他者との境界を持ち、その場の雰囲気を背負わないこと、さらには、心に淋しさを抱えて、それを紛らわすための行為であれば、その心理的背景は何か。

カウンセリングにおいて、一連の心の流れを振り返えることも有効かもしれません。