せっかちな上司の心理と問題

会社勤めの方の悩みのなかで、せっかちな上司に対する、カウンセリング、相談があります。
悩みの趣旨は「上司が怖い」「切れる」「暴言を吐く」等です。

彼ら、せっかちな上司の特徴は部下に仕事をさせ(任せ)、部下に任せた仕事が少しでも彼らの定めた期限通りに終わらなければイライラが始まり、最後は待ちきれず切れて、一方的にせかすところに特徴があります。そして、この瞬間暴言が放たれるようです。

せっかちな上司へのタイプ

Index
1.部下を従わせたいタイプの上司
2.部下を信頼しないタイプの上司
3.イライラを仕事へのパワーとして活かす

1.部下を従わせたいタイプの上司

私もサラリ-マンを14年間していましたので彼らの雰囲気は分かります。
平素からこのタイプの上司は「俺が」「俺が」主義で、部や課の大将といった感じです。
よく言えば親分肌、悪く言えば独裁者といった感じでしょうか。

性格もおおざっぱであまり細かい神経は持っていません。
彼らのように自己顕示欲が強く、自分の言うことは絶対的であると認知していますと、自分の言ったこと、指示したことは絶対であるとなります。
要は人を自分に従わせたいタイプなのです。

部下に仕事を任せる心理と部下への対応

では、人を従わせたい上司がどうして、部下に任せた仕事が少しでも遅れると、過剰にイライラするかです。

先述しましたが、「自分の指示命令は絶対である」。

この認知を持ってしまいますと、自分の指示通りに動かない、自分の定めた通りに仕事が出来ない部下は、自分に対して反意があると捉えてしまうかもしれません。
自分が絶対なので自分に反抗する者は許せないのです。

もちろん、部下は反抗しているのではなく、たまたま上司の定めた期限通りに仕事が仕上げられなかっただけかもしれないのですが・・・。

自分にこだわり続けるということは視野を狭くします。
他者の視線で物事見ることも出来ません。
共感能力も培えません。

したがって、自分に固執して自分の定めた期限を少しでも守らない部下に過剰に反応してイライラし、待つことに限界が来て怒鳴り散らしてしまったりと散々なことになるのです。

このタイプの上司とうまく会社生活を過ごすには、指示されたことが少しでも遅くなりそうな時は即報告、連絡、相談をすることです。(会社生活の基本ですが)

そして、期限が間に合わないことに対して、先に謝ることも大切かもしれません。

親分肌の上司ですので、自分に対して謝ったり、頼ってくるような部下に対しては案外面倒見がいいかもしれません。

さて、ここまで書いて、ふと、私はもう1つのパタ-ンのイライラする上司について思いつきました。

2.部下を信頼しないタイプの上司

まったく部下を信頼していないタイプです。
性格は神経質で内向的なところがあります。
先ほどのおおざっぱ、無神経とは対照的です。

部下を信頼していないタイプとはどのような人物特徴でしょう。
これはあらゆる人間関係にも通じることですが、他者を信頼出来ない人は自分も信頼していません。

自分を信頼出来ない人は常に不安感を持っています。
すると、部下に任せた仕事の期限が少しでも遅れると、いつ終わるのかと不安になってきます。
また、部下の作業後、自分がその仕事に対する確認作業を行うならなおさらです。

なぜなら確認作業にはそのための時間が必要であり、部下に任せた仕事が手間取るということは、自分の作業時間が減ることになり、そこに責任を果たせないのではと不安からイライラを募らせるかもしれません。

そしてこのタイプも部下の作業が遅れると、自への不安(時間がないという不安)から視野が狭くなり、他者の視線で物事見ることが出来なくなり、人を従わせたい上司と同じ状態になってくるのです。
いずれも、極限状態に追い込まれると同じ様相を呈するのです。

では、この2パタ-ンのイライラを日常生活で活かすことは、出来ないのでしょうか。

3.イライラを仕事へのパワーとして活かす

まず、イライラの本質を考えてみましょう。

人を従わせたい上司のイライラの本質は、自分に従わない部下への怒りです。
また、部下を信頼していないタイプのイライラの本質は不安が怒りへと変換されたものです。
共に怒りなのです。怒りをパワ-と言葉を変えてみればどうでしょうか。

パワ-。
ここでは仕事へのパワ-として考えます。

人を従わせたい上司は自己顕示欲が強いので、力強く素早く仕事を完了させ、優越感に浸りたいもしれません。
また、自分を信頼出来ない上司も、期限ぎりぎりまで担当の仕事を持っておくことは不安であり、早く楽になりたいと思い、素早く仕事を完了させるかもしれません。
共に仕事のスピ-ドが早いかもしれないのです。

以前も書いたと思いますが、性格の長所短所は同じ根であり「長短同根」なのです。
短所もを所とすることも出来るのです。

また、自身の性格の過剰に反応している箇所を把握出来れば、そこをフォ-カスして修正することにより、今まで以上のよりよい仕事と生活が出来ると思います。

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